さかざきが綴る「アンティークな日々」

アンティークディーラーさかざきがアンティークのこと、日常のことを綴っています。

初春の夜長はヴァン・ショーで

2010-03-24 | 日常生活

20100324

 “vin chaud(ヴァン・ショー)”とはその名の通り温めたワインのこと。赤ワインにシナモン、クローブなどのスパイス、それにオレンジ、ハチミツなどを加えて温めた寒い冬特有のフランスの飲み物です。いつも冬の買付けの折、キャフェでひと休みするとは注文するヴァン・ショー。ハンドル付きのグラスに入れられ、オレンジを浮かべ、シナモンスティックとお砂糖が添えられて出てくるのですが、ギャルソンのムッシュウは外国人の私に「大丈夫?どうやって飲むか分かる?」と優しく聞いてくれることもしばしば。湯気の立つ熱いワインをヤケドしないようにフーフーしながらいただきます。

 スパイシーで甘いヴァン・ショーはちょっぴり薬っぽくて、飲むと身体がポカポカ温まって、寒さの厳しい冬の買付けの味方、冬の風物詩。たまに日本でも無性に飲みたくなって、「自宅でも出来ないものか?」とこのヴァン・ショー用のスパイスセットを長らく探し求めていました。が、フランス在住の知人に聞くと、「あぁ、あれね。山の方に行くと売ってるわよ。」とのこと。「山?山っていったいどこ?」パリでは巡り会えないものと思っていたところ、今回の買付けで、近所のマルシェのワイン専門店Nicolas(このお店はフランスの津々浦々どこにでもあるのです。)のショウウィンドウにスパイスの入ったこの缶を発見!

 ティーバッグのように小さなコットンのバッグに入ったこのスパイス。以前、ヴァン・ショーについてお話ししていたお客様に先日のプランタン銀座のフェアでお分けしたところ、私の分までヴァン・ショーを作って、瓶に詰めてわざわざ持ってきて下さいました。名古屋へ帰ってから飲んでみると…「そうそう!これこれ!」いつもフランスで飲む味です。これからは日本でも飲めるなんて嬉しい!I様、いただいたヴァン・ショーとても美味しかったですよ。

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