相変わらず、暑い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?お陰様で、エンジェルコレクションの夏休みも終了、昨晩4泊5日の北陸の旅より無事戻りました。今回も金沢の散策から始まり、後先を考えず能登では念願の海水浴、富山の宇奈月温泉ではトロッコ列車に乗り、またまた後先を考えず毎食様々な新鮮な海の幸を完食し、何からお話しして良いのか分からないほど盛りだくさん、相変わらず河村とふたり「デコボココンビ」の旅でした。そんな五日間を画像と共にどうぞ。
まず最初に訪れた私達のお気に入り金沢21世紀美術館。ここの美しい建築は私達のイチオシです。今回は日比野克彦によるインスタレーション「明後日朝顔プロジェクト21」により、普段はガラス張りの、丸い美術館の周囲にぐるりと朝顔が!壁面緑化のナイスなアイデアに感心しきりでした。
「明後日朝顔プロジェクト21」の様子を美術館の内部から見たところ。朝顔がとても涼しげな演出になっています。壁面に並べられたウサギ型のチャーミングな椅子はこの美術館を設計した妹島和世のデザイン。ここを設計した妹島和世と西沢立衛の建築ユニット“SANAA”は、フランスのランスに計画されているルーブル美術館分館の設計をすることも決まっています。ルーブルの分館を日本人が設計するなんて、「なんて素晴らしい!」と思ってしまいます。
この美術館も、ひっきりなしに来館者が訪れ、「こんな沢山の人がやってくる美術館てあるかしら?」と思うほど。実は帰った後、お客様のお一人からメールをいただいてびっくり!いただいたメールには「金沢の21世紀美術館へ行きました。ひょっとして、坂崎さんもお出掛けされてはいらっしゃいませんでしたか?ブログで拝見したお2人の写真ととてもよく似ておられる方をお見かけしたので。」と綴られていました。この回廊を歩いていたところをお客様に見られていたようです。
美術館のへ壁面を覆う様々な色や模様の朝顔の花。懐かしく小学生だった頃を思い出します。
美術館に隣接する金沢能楽美術館のギャラリーには地元金沢の伝統工芸、手仕事がいっぱい。絹糸の光沢も美しい加賀手鞠には思わず「なんて可愛い!」昔のお姫様達はこんなきれいな手鞠で遊んだのですね。
ついにやってきました、日本海!能登島に向かう前に、まずは金沢から30キロほどの千里浜なぎさドライブウェイで海水浴。実は、今回の旅行直前に自転車フリークでもある河村は、私にナイショで新たな自転車を購入し(怒)、今回車に積んで持ってきていたのでした。金沢からここまで自転車で向かうという河村と別れ、私ひとり車で出発。先に現地に到着したのでした。
到着はしたものの、いくら待っても河村は現れず、「ひとりで海水浴ってど~よ?」と思いながらも仕方なくひとりで海に入ることに。でも、河村が浮き輪の空気を入れるために持ってきたはずの空気入れが所在不明、どこにあるのかさっぱり分からず、「私、酸欠になりそう…」とボヤきながら大汗をかきかき自力で空気を入れ、やっとの事で大きくなった浮き輪を持って海へ。浮き輪と共に波に遊ばれた一年ぶりの海は、それはそれは気持ちよかったです!
その後、楽しくサイクリングをしてきた河村がようやく到着。心配を掛けられたことと、あまりの遅さにプンプンの坂崎でした。
私の心の故郷(?)能登島。学生時代に島のガラス工房で毎夏過ごしたことから、我が家の夏のお馴染みになっています。能登の美しい海とその景色は、何度見ても心洗われるようです。島を渡る風や蜩の声も懐かしいです。
この不思議な建築はいつもの定番、能登島ガラス美術館。今回の企画展は「香りとガラス」展で、アンティークではお馴染みのテーマに興味深く足を運びます。古代のものから19世紀のものを主体に20世紀のものまで様々な香水瓶が展示されています。私達にもお馴染みのこちらやこちらも展示されていましたよ。
海を望む高台のロケーションもこの美術館の魅力のひとつ。美術館の庭園にも点々と作品が展示され、見て回れるようになっています。
今日も海水浴の後は「能登カフェ」へ。島の憩いの場所「能登カフェ」は築100年の民家。海の真ん前、波の音も聞こえてくる和みの空間です。ここでお茶を飲みながら読書するのが私と河村の楽しみ。
内部はこんな感じ。この広々とした畳のお部屋がいい感じなのです。
「能登カフェ」の看板犬ハリー君。「ねぇ。そのシフォンケーキ、僕にも一口ちょうだい!」
「能登カフェ」でのティータイムの後は、私は堤防の上で読書。はたまた河村は、またもやサイクリング。行ってらっしゃ~い!
能登島に二泊した後は、能登立山シーサイドラインこと日本海沿いのルート160を北上し富山へ。その途中、河村が調べておいた氷見のフィッシャーマンズワーフに立ち寄りました。
氷見漁港の魚市場に隣接するここは魚のワンダーランド!あぁ、どれも美味しそう!!でももう一泊する私達はここで鮮魚を買うわけにはいかず残念。
「プリンス館」ではありませんよ。「ブリンス館」です。そう、氷見漁港は鰤の水揚げで知られる漁港なのでした。お昼は魚市場の食堂で。「かぶす汁」と呼ばれる豪快な魚のごった煮を食べながら、「ん?これ、何かに似てる。」以前、マルセイユの港で食べたブイヤベースと親戚のような食べ物でした。新鮮な上にリーズナブル!氷見漁港って最高です。
そうして到着した宇奈月温泉。これは富山地方鉄道の駅ですが、手前の噴水はなんと温泉でした!早い時間に旅館について「はぁ、後は温泉でゆっくりくつろげる。」と目論んでいた私ですが、河村は「今日中にトロッコ電車に乗るぞ~!」とやる気モード。なぜか仲居さんまでも「そうね。今日行かれた方がいいわ!」とまるで義務を果たさなければならないような発言。仕方なくトロッコ乗り場へと向かうのでありました。
新山彦橋を渡る黒部峡谷鉄道のトロッコ列車。元々は難航を極めた黒二、黒部(黒四)ダムの建設のため、資材の運搬用に作られたというこのトロッコ列車。現在でもダムを管理する関西電力とのつながりの深い施設です。終点の欅平まで1時間半、私達の乗った普通客車はいわゆるオープンエア、窓枠だけ。すごい向かい風に振動、高いところだと水面から60mあるという迫力満点の行程です。
日本一の規模として知られている黒部(黒四)ダムは1956年から7年の歳月を掛けて作られました。その難航を極めた工事の様子は(残念ながら私は見ていないのですが)NHKの「プロジェクトX」でご覧になった方も多いはず。
数え切れないほどのトンネルを抜けて、列車はどんどん標高の高い場所へと進んでいきます。手彫りとおぼしきワイルドなこのトンネルもどんな苦労の元作られたのかと思うと、やたら感情移入しやすい単純な私の頭の中では「プロジェクトX」のテーマ「地上の星」が鳴り響いていました。
終点の欅平駅。1時間半の行程の後は振動でフラフラに。トロッコ列車って疲れるものだったのですね。
欅平から見た清流の黒部川。向こう側の木の陰に猿がいるのが分かるでしょうか?
黒部峡谷鉄道の乗車券は厚紙製の昔懐かしい硬券。M 字のはさみの跡も懐かしい。
これはけっして河村が牢獄から覗いている訳ではありません。(笑)黒部峡谷は冬期の積雪が多く、雪崩の危険性も高いことから、トロッコ列車は冬期運休。当時、ダム開発にかかわった作業員はもちろん、現在でもダムの整備のために冬の峡谷へ向かう人々のための雪崩から身を守る、欅平まで続く冬期歩道なのです。
海あり、山あり、盛りだくさんだった夏休みもおしまい。楽しかったなぁ!
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