Andyの日記

不定期更新が自慢の日記でございます。

コストパフォーマンス高し

2007-10-23 16:25:09 | お酒
最近試したワインの中で、値段の割りには実においしいワインをいくつか
書いておこうと思う。

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[ドメーヌ・ド・マージュ ブラン]

有名ワイン誌で「世界一お買い得な白ワイン」として紹介されたということ
だが、確かにおいしい。パーカーポイントが88もあるという脅威の
ヴァンドペイ白ワイン。1000円クラスで購入できる白ワインとしては、
望みうる最上級レベルのワインではないだろうか。アルコール度数が
割と低めでさっぱりした味なので、夏にきりっと冷やして飲むのにとても
適している。

使われている葡萄はユニ・ブランとコロンバールという品種で、ソーヴィニョン
ブランともシャルドネとも異なる独特の味わいだが、これはアルマニャックに
使われる葡萄だということだ。なぜアルマニャックに使われる葡萄でワインを
造ったのか。調べてみると、昨今の世界的なヘルシー志向のためにアルコール
度数の高い酒が敬遠されるようになり、アルマニャックもその煽りをくらって
売れなくなってしまった。困った葡萄栽培者が起死回生を信じて、「それじゃ
この葡萄でワイン造ってみるか!」と造ったのがこのワインだということだ。

実際、このワインは本当においしい。透明感があるがソービニョンブランほど
ピリピリしておらず、といってコクもあるのだがシャルドネのようにまったり
しているわけでもない。強いて言えば、リンゴの芯の蜜のようなすっきりとした
甘みがあり、また上質のハーブのようにすっと鼻腔を満たす上品な酸味があり、
どうして今まで誰もこの葡萄でワインを造らなかったのか不思議でならないほど
完成度の高いワインだ。

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[トリエンヌ・レ・オー・レリアン・ヴァン・ド・ペイ・デュ・ヴァール]

これはいつもワインを買いに行っているカルフール南町田店で、ワイン
アドバイザーのエリックさんが「おいしいですよ!」と薦めていたので買って
みたのだが、エリックさんすごい。これも素晴らしくおいしい。等級では
これもヴァンドペイになるのだが、それはこのワインのレベルが低いから
ではなく、きちんとした理由があることがわかった。

このワインは 1989 年にドメーヌ・デュジャックのジャック・セイス、
オーベール・ド・ヴィレーヌ(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティ)、
ミシェル・マコー(醸造学専門のワインコンサルタント)の 3 人が、
AOCでは認められていないカベルネソーヴィニヨンとシラーのブレンドで
生産したワインなのだそうだ。そのためAOCではないのだが、ヴァンドペイ
でありながら¥2000近くもする。作り手がいい上に葡萄もいいのだから、
この値段もうなづける。

味わいだが、これまでに味わったことのないフランスワインと言えると思う。
カベルネソーヴィニヨンとシラーのブレンドといえばオーストラリアの
Penfolds が代表的だが、あれほどビシバシとくる味ではない。似て非なる味
と言えばいいだろうか、より芳醇でやわらかい味だ。香りも Penfolds の
ように強烈ではなく、あたりの取れたまろやかさがある。とはいえカベルネと
メルローのブレンドのような味とは異なり、もっとカラメルのような濃密な
コクとスミレのような艶やかな香りがある。

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[モンテス アルファ カベルネ・ソーヴィニヨン]

これはチリのワイン。新大陸ワインはコストパフォーマンスの高さが目立つが、
これも例外ではない。カルフールのワインフェアに行ったときに、モンテスの
試飲コーナーで試飲させてくれていたので普通のモンテスワインを飲ませて
もらっていたところ、売り子さんが「これもおいしいのですが、モンテスアルファ
という等級があり、それはさらにおいしいです」と教えてくれたので購入して
みたのだが、その言葉に偽りなし、これも驚いた。

舌触りがまず違う。よく、高級ワインの舌触りはビロードのようだと表現される
ことがあるが、そんなワインは飲んだことのない私としては、それってどんな
ものだろう、と想像するしかなかった。しかし、このワインで「もしかしたら、
それはこういう舌触りのことではないのか」と思えるようになった。舌の上を
なめらかに滑り降りて喉に到達する、というような印象だ。普通のワインが
どしゃ、っと喉に入ってくるものだとすれば、このワインは、とろん、と
喉に入ってくる。

味わいもいい。本当にカベルネだけで造ったのだろうか、と疑いたくなるほどに
複雑で濃密な味わいだ。それでいて、カベルネの直線的な味わいもしっかりと
ある。ずっしりとしているのに重すぎず、飲みやすいのに味わいもある。
こういうワインがあるから、チリのワインというのは怖い。しかもこの味わいで
\2000 なのだ。フランスのワインでこの味を再現しようと思ったら、おそらく
\5000 クラスのワインになってしまうのではないだろうか。コスト削減には
反対派の私だが、こういうワインを飲んでしまうと、チリの安くておいしい
ワインをもっと飲みたくなってしまう。