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横浜の司法書士安西雅史のブログ

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令第13条の特則

2009-12-09 | 実務ノート


過去にこのブログで表題登記のオンライン申請について何度か書いたことがありますが、その中でも不動産登記令第13条(表示に関する登記の添付情報の特則)の扱いについて、自分用のメモとして簡単にまとめてみました。因みに、この令第13条はいわゆる「特例方式」(同令附則第5条)が施行されるより以前から存在していた規定であり、特例方式とは別の申請形態と考えた方が理解しやすいような気がします。。

さて、令13条第1項の規定を簡単に整理すると、オンラインで表示に関する登記を申請する場合、提出する「添付書類※」をPDFファイルにして、申請人又は代理人である土地家屋調査士がそれに電子署名を行うことで、本来の令12条によるところの書類作成者(ex;工事人や担保権者、その他関係機関等)による電子署名を不要としたものといえる。また、同第2項では、当該申請人は、相当の期間内に、登記官に「当該書面」を提示しなければならないと定められている。

ところで、書面申請又は特例方式により登記を申請の場合、実務上、添付書面の原本還付請求(不動産登記規則第55条及び規則附則第24条第2項参照)手続きが必要になる場合があるが、この規則第55条但書には、一定の書面に関して原本還付請求が出来ないことが定められている(ex:合筆登記に必要な申請人の印鑑証明書や分筆登記の際の担保権者の消滅承諾にかかる印鑑証明書等)。
しかし、令13条第1項の方法により登記を申請した場合、申請情報と併せて送信した添付情報そのものが「原本」として扱われることになるため、規則第55条に規定されている「原本還付」という概念はなくなる。(このことは、不動産登記法の条文の中身をよく読めば簡単にわかりそうなことだが、令第13条2項の規定を読み誤らないためにも一応メモしておきます。)

で、たとえば、添付書類として印鑑証明書が必要なら、それをPDFファイルにして申請人又は代理人が電子署名をすれば、その情報そのものが「原本」という扱いになり、あとはそれを申請情報と併せて法務局へ提供すればOKということになる。

紙の印鑑証明書はどうすればいいのかというと、令13条第2項の規定により、登記官へ「提示」すればいい。提示さえすれば、あとは持ち帰って依頼人へ返却することも可能である。当然、合筆登記に必要な申請人の印鑑証明書や分筆登記の際の担保権者の消滅承諾にかかる印鑑証明書も法務局への提出は不要である。

因みに、令13条による申請は特例方式による申請と異なるので、別記第一三号様式(内訳書)の作成も不要となる※2。


以上


このことは、今月の登記情報第577号に詳しく記載されています。




申請人又は代理人が作成した書面(申請人の委任状や上申書、または不動産登記規則第93条にかかる土地家屋調査士作成の調査報告書等)並びに図面を除く。


※2
とは言っても、現時点では、委任状は「特例方式」によらざるを得ないと思います。



~参考~

不動産登記法

(申請の方法)
第18条  登記の申請は、次に掲げる方法のいずれかにより、不動産を識別するために必要な事項、申請人の氏名又は名称、登記の目的その他の登記の申請に必要な事項として政令で定める情報(以下「申請情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。
1  法務省令で定めるところにより電子情報処理組織(登記所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下この号において同じ。)と申請人又はその代理人の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を使用する方法
2  申請情報を記載した書面(法務省令で定めるところにより申請情報の全部又は一部を記録した磁気ディスクを含む。)を提出する方法



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2 Comments

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Unknown (コンバット)
2009-12-10 19:25:31
PDF+PDFへの電子署名

法務局オンラインでは必須の技ですね。
自分は電子署名は公的機関認証サービスを
使ってますが、
・PDFへ電子署名しようとして謎のエラー
・電子カードの接続不良で暗証番号ロック

とくに暗証番号ロックは何度も市役所へ
出向く羽目になり最初はえらいこったって
感じでした(^^;

地方税電子申告も添付書類はPDFですね。
国税は、別途郵送でPDF使いません(^^;
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Unknown (あんざい)
2009-12-23 00:18:40
私も何度か、公的個人認証サービスの電子署名でエラーメッセージが連発して、署名するのにえらく時間と手間がかかったことがありますよ。
しかも最近まったく使っていないので、次回使うようなことがあれば、また無駄な時間を過ごすことになりそうです。

ところで「e-Tax」ならある程度馴染みがありますが「eLTAX」(地方税ポータルシステム)は、初めて知りました

これの利用率が気になるところです。。

http://www.eltax.jp/







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