横浜の司法書士安西雅史のブログ

2011-01-23湘南国際マラソンで初のフルマラソンに挑戦しました。

死因贈与契約と遺贈の関係(メモ)

2010-02-20 | 実務ノート

死因贈与と遺贈の関係

質問

遺言者Aが死亡し、Aの公正証書遺言に基づき受遺者Bへの所有権移転登記を申請しようとしたところ、同物件にAからBへの死因贈与による始期付所有権移転仮登記がなされていた場合、当該申請は受理されるのか。


回答

本来なら、Aが死亡した場合、死因贈与契約が有効なら、Aの死亡によりAからBへの死因贈与が効力を生じ、当該不動産は相続財産に含まれないことになるから公正証書遺言は実行出来ないことになる。
ただし、登記官は、死因贈与契約が取り消されているか否か、有効であるか無効であるか実質的な判断は出来ないので、遺言による所有権移転登記の申請があれば受理せざるを得ない。この場合、B名義に遺言による所有権移転登記がなされた後、Bより「権利混同」を登記原因として死因贈与による始期付所有権移転仮登記の抹消登記を単独で申請することになろう。
その際、仮登記の際に交付された登記識別情報又は登記済権利証とBの印鑑証明書を添付する必要がある。


質問

当該遺言の受遺者がB以外のCであった場合。


→民法1022条、1023条等の遺言の撤回、取り消しに関する規定の死因贈与への準用に関して、積極説と消極説があるが、判例や公証実務の考え方につき登記インターネット121号「法務夜話」参照。



(遺言の撤回)
第1022条  遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。

(前の遺言と後の遺言との抵触等)
第1023条  前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。
2  前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。


最新の画像もっと見る