一般社団法人日本女子サッカーリーグ理事会において、なでしこリーグ(1部)所属の東京電力女子サッカー部が今シーズンの活動を自粛することが承認された。
いわゆる休部という扱いである。
理由は一切明らかにされていないが、マスコミ報道等によるとJヴィレッジなどの練習施設が使えない為にチーム活動が行なえないなどと漏れ伝わってきている。
マリーゼは事故のあった福島原発に近いJヴィレッジが本拠地。現在、チームは活動できない状態になっている。
おいおい、この書き方だとマリーゼはたまたま東京電力福島原子力発電所のそばにいて、原発事故の影響を受けたから練習場が使えなくなったという被害者になるのだが、それはいくらなんでも。
まあ、もう暫くすると東京電力はお詫び広告を大量にすることになるので、マスコミも書き方を慎重にしているのはわかるけど。でもね。
おそらくほとんどの日本人の感覚だとその理由には首をかしげると思う。
はっきり言えば、企業クラブである東京電力女子サッカー部は本業において社会的同義的な責任を果たせない状況でかつ施設等の復旧がままならず、さらに今後の補償問題を抱えているから広報部門である運動部の活動はもうできないというのが正確なところだと思う。
企業クラブの宿命は本業の業績に大きく左右される。だから良いときは良いが悪くなれば一番に切られる。それはバブル崩壊後、多くの企業クラブが辿ってきた末路だ。
東京電力女子サッカー部もある意味この法則に則ることができる。
ただ企業クラブはいわゆるクラブチームと違って、職業丸抱えの関係がある。だから、クラブチームの選手とは比べようもないくらい恵まれた選手生活を送ってきてのも事実だ。
国内女子サッカー選手でプロ契約している者よりも東京電力の控え選手の方が数段高いサラリーを貰っていたことを忘れてはならない。
その部分は語られず、休部になったから可哀想という理屈はちょっと疑問を感じる。選手もそういうリスクがあることをわかって入社しているわけで、それは受け入れてもらわないとならない。
選手が可哀想っとか、マリーゼには罪はないの、とかは日本のアマチアスポーツの基本的な形態である企業クラブとJリーグを代表されるようなクラブチームと混同しているようにしかみえない。
それらとは別の意味で東京電力女子サッカー部は他の企業クラブとは違うことが多々あったことも確かだ。
原発とは切っても切れない関係。
一般の人に原発を見に来いなどとは言えないが、サッカーを介して、原子力発電所を身近に感じるようなイベントに借り出されて、原発のセイフティイメージに使われていたことと引き換えに活動資金が投資されていた。
「原発」「Jヴィレッジ」「マリーゼ」この3点セットがこのチームを支えていた原動力だし、何もなかったらこの形に優るものはなかった。
「マリーゼが頑張れは福島が元気になる。」などと今となっては思えない人だらけになっているわけで、原発がああいうことになった以上、東電としての役割は終えたと思って良い。
今となったら結果論だけど、東京電力の企業チームにしないで、一枚オブラートをかましておけばまだよかったんだよね。
JリーグのFC東京みたいに東京電力の子会社も含めて数社からスポンサー料を貰う形でクラブチームの形態にしておけば、こういう事態になったらスポンサー名を伏せるっていうこともできたのだけど。
「選手はどうなるの?」と思っている人がいるだろうが、たぶん、急に雇用契約が解除になることはないだろう。
個人的な印象だが、早大卒の選手達はしばらく会社には残ると思う。何年先になるかわからないが落ち着いたらフットサルぐらいはできるのではないだろうか。
今年の内定者だった小山季絵と小野瞳は正式に入社できたのだろうか?入社できたのであるならば、これから大変な仕事になるだろうが頑張らないといけないよね。
サッカーを続けたい選手個人の身の振り方は結局これまでの縁が基本になると思う。
JFAアカデミー福島出身者の山根と浜田(この人も正式に入社したのかな?)は当然日本サッカー協会が責任を持って(例えば日本サッカー協会で雇用するなりのことをして)競技生活を送りながら食べていけるようなフォローをすべきだろう。
常盤木学園高校卒の選手達に限らずそれぞれが卒業した高校・大学・短大の監督と相談して今後の身の振り方を決めるのではないだろうか。
全員が現役を続行できるとは思わないし、移籍と言っても相手クラブだって今いる選手の雇用を確保するので精一杯なのだから、こんな時期に来られても仕事なんてないよっていうのが正直なところだろう。
たぶん、雇用を依頼された世の中の経営者だったら厳しいと思うはずだ。だが、その中でも数少ない奇特な社長さんに出会えた人だけが今回の移籍が可能になると思う。
新卒者が就職できない時代に20代半ばの中途採用は厳しい。それでも取ってくれた人がいたらそれは絶対に感謝するべきて、東証1部上場・世界でも指折りの大企業と比べれば大幅に給料は下がるかもしれないが、ラッキーと思った方が良い。
INACあたりが日本代表をまとめて抱えそうな気がしている。
さすがにアルビは難しいだろうな。新潟市がもっと景気がパっとしていれば別だけど。
サッカー界全体としても原発マネーを得ることが難しくなりそうだ。
大小さまざまなクラブが今後どこかで影響を受けることになるだろう。
日本サッカー協会もリーグも大きな後ろ盾を失ったことになる。
マスコミなんかは一番影響を受けていると思われるのでスポーツ中継は難しくなると思う。東京電力の援助がなくなった以上女子サッカー中継なんてまず無理だろう。
新しい方向性というか、ビジネスモデルを考えていく1年になると思う。
(まあ、日テレという企業名や吉備国際大学・静岡産業大学みたいな大学名をチーム名に付けるネーミングライツも、その企業の業績・あるいは学生募集が下降線を辿ると一蓮托生ということもあるのでリスクは高い)
最後にサッカー的な話をすると、東京電力女子サッカー部が取り組んでいた3バックの縦ポンサッカーは、今のなでしこリーグでは珍しい部類のサッカーだった。
Jリーグの広島をイメージしていたらしいが、そういうサッカーをしていた人にこの時期からいきなり切り替えろと言っても非常に厳しいとも思う。
ドリブルとパスを多用して最後の最後までに東京電力女子サッカー部にフィットしなかった安本ぐらいかな。
まあ、浜田なり安本なりがチャレンジリーグの常盤木学園高校に加わったら即戦力になるとは思う。
東電労組の大勢の人達が大応援団を組みバスツアーで弁当やらグッズやらを手にスタジアムに駆けつけていた姿がもう見られなくなるのは個人的には残念である。
さらば東京電力。
プレナスなでしこリーグ2011 変更後の試合日程
2011 シーズン 日程変更について
プレナスなでしこリーグ2011 アルビレックス新潟レディース
A第5節 4/29(金・祝) 13:00 日テレ・ベレーザ 神奈川県・平塚競技場
H第6節 5/3(火・祝) 11:00 ASエルフェン狭山FC 新潟県・東北電力スワンフィールド
A第7節 5/8(日) 12:00 福岡J・アンクラス 福岡県・レベルファイブスタジアム
〔中断〕
A第8節 5/28(土) 14:30 ジェフ千葉レディース 千葉県・市原臨海競技場
H第9節 6/5(日) 12:00 伊賀FCくノ一 新潟県・新発田市五十公野公園陸上競技場
A第1節 6/11(土) 12:00 岡山湯郷Belle 岡山県・美作ラグビー・サッカー場 ←
〔中断〕
H第4節 7/24(日) 15:00 浦和レッズレディース 新潟県・新潟市陸上競技場 ←
H第2節 8/6(土) 15:30 INAC 新潟県・東北電力スワンフィールド ←
〔中断〕
H第10節 9/23(金・祝) 12:00 岡山湯郷Belle 新潟県・新潟市陸上競技場
A第11節 10/1(土) 13:00 INAC 福井県・テクノポート福井スタジアム
A第13節 10/16(日) 13:00 浦和レッズレディース 埼玉県・鴻巣市立陸上競技場
H第14節 10/22(土) 14:00 日テレ・ベレーザ 新潟県・新潟市陸上競技場
A第15節 10/30(日) 13:00 ASエルフェン狭山FC 埼玉県・鴻巣市立陸上競技場
H第16節 11/5(土) 13:00 福岡J・アンクラス 新潟県・胎内市総合グラウンド陸上競技場
H第17節 11/12(土) 13:00 ジェフ千葉レディース 新潟県・新発田市五十公野公園陸上競技場
A第18節 11/20(日) 13:00 伊賀FCくノ一 三重県・上野運動公園競技場
※第3節・第12節 試合なし
今年は代表活動(アメリカ遠征・ドイツW杯・ロンドン五輪予選(中国))の為に3回中断が入る。
また、リーグ戦と並行してU-19代表活動も行なわれる。
実はこれなら国体に出れちゃいそうな日程でもある。
いわゆる休部という扱いである。
理由は一切明らかにされていないが、マスコミ報道等によるとJヴィレッジなどの練習施設が使えない為にチーム活動が行なえないなどと漏れ伝わってきている。
マリーゼは事故のあった福島原発に近いJヴィレッジが本拠地。現在、チームは活動できない状態になっている。
おいおい、この書き方だとマリーゼはたまたま東京電力福島原子力発電所のそばにいて、原発事故の影響を受けたから練習場が使えなくなったという被害者になるのだが、それはいくらなんでも。
まあ、もう暫くすると東京電力はお詫び広告を大量にすることになるので、マスコミも書き方を慎重にしているのはわかるけど。でもね。
おそらくほとんどの日本人の感覚だとその理由には首をかしげると思う。
はっきり言えば、企業クラブである東京電力女子サッカー部は本業において社会的同義的な責任を果たせない状況でかつ施設等の復旧がままならず、さらに今後の補償問題を抱えているから広報部門である運動部の活動はもうできないというのが正確なところだと思う。
企業クラブの宿命は本業の業績に大きく左右される。だから良いときは良いが悪くなれば一番に切られる。それはバブル崩壊後、多くの企業クラブが辿ってきた末路だ。
東京電力女子サッカー部もある意味この法則に則ることができる。
ただ企業クラブはいわゆるクラブチームと違って、職業丸抱えの関係がある。だから、クラブチームの選手とは比べようもないくらい恵まれた選手生活を送ってきてのも事実だ。
国内女子サッカー選手でプロ契約している者よりも東京電力の控え選手の方が数段高いサラリーを貰っていたことを忘れてはならない。
その部分は語られず、休部になったから可哀想という理屈はちょっと疑問を感じる。選手もそういうリスクがあることをわかって入社しているわけで、それは受け入れてもらわないとならない。
選手が可哀想っとか、マリーゼには罪はないの、とかは日本のアマチアスポーツの基本的な形態である企業クラブとJリーグを代表されるようなクラブチームと混同しているようにしかみえない。
それらとは別の意味で東京電力女子サッカー部は他の企業クラブとは違うことが多々あったことも確かだ。
原発とは切っても切れない関係。
一般の人に原発を見に来いなどとは言えないが、サッカーを介して、原子力発電所を身近に感じるようなイベントに借り出されて、原発のセイフティイメージに使われていたことと引き換えに活動資金が投資されていた。
「原発」「Jヴィレッジ」「マリーゼ」この3点セットがこのチームを支えていた原動力だし、何もなかったらこの形に優るものはなかった。
「マリーゼが頑張れは福島が元気になる。」などと今となっては思えない人だらけになっているわけで、原発がああいうことになった以上、東電としての役割は終えたと思って良い。
今となったら結果論だけど、東京電力の企業チームにしないで、一枚オブラートをかましておけばまだよかったんだよね。
JリーグのFC東京みたいに東京電力の子会社も含めて数社からスポンサー料を貰う形でクラブチームの形態にしておけば、こういう事態になったらスポンサー名を伏せるっていうこともできたのだけど。
「選手はどうなるの?」と思っている人がいるだろうが、たぶん、急に雇用契約が解除になることはないだろう。
個人的な印象だが、早大卒の選手達はしばらく会社には残ると思う。何年先になるかわからないが落ち着いたらフットサルぐらいはできるのではないだろうか。
今年の内定者だった小山季絵と小野瞳は正式に入社できたのだろうか?入社できたのであるならば、これから大変な仕事になるだろうが頑張らないといけないよね。
サッカーを続けたい選手個人の身の振り方は結局これまでの縁が基本になると思う。
JFAアカデミー福島出身者の山根と浜田(この人も正式に入社したのかな?)は当然日本サッカー協会が責任を持って(例えば日本サッカー協会で雇用するなりのことをして)競技生活を送りながら食べていけるようなフォローをすべきだろう。
常盤木学園高校卒の選手達に限らずそれぞれが卒業した高校・大学・短大の監督と相談して今後の身の振り方を決めるのではないだろうか。
全員が現役を続行できるとは思わないし、移籍と言っても相手クラブだって今いる選手の雇用を確保するので精一杯なのだから、こんな時期に来られても仕事なんてないよっていうのが正直なところだろう。
たぶん、雇用を依頼された世の中の経営者だったら厳しいと思うはずだ。だが、その中でも数少ない奇特な社長さんに出会えた人だけが今回の移籍が可能になると思う。
新卒者が就職できない時代に20代半ばの中途採用は厳しい。それでも取ってくれた人がいたらそれは絶対に感謝するべきて、東証1部上場・世界でも指折りの大企業と比べれば大幅に給料は下がるかもしれないが、ラッキーと思った方が良い。
INACあたりが日本代表をまとめて抱えそうな気がしている。
さすがにアルビは難しいだろうな。新潟市がもっと景気がパっとしていれば別だけど。
サッカー界全体としても原発マネーを得ることが難しくなりそうだ。
大小さまざまなクラブが今後どこかで影響を受けることになるだろう。
日本サッカー協会もリーグも大きな後ろ盾を失ったことになる。
マスコミなんかは一番影響を受けていると思われるのでスポーツ中継は難しくなると思う。東京電力の援助がなくなった以上女子サッカー中継なんてまず無理だろう。
新しい方向性というか、ビジネスモデルを考えていく1年になると思う。
(まあ、日テレという企業名や吉備国際大学・静岡産業大学みたいな大学名をチーム名に付けるネーミングライツも、その企業の業績・あるいは学生募集が下降線を辿ると一蓮托生ということもあるのでリスクは高い)
最後にサッカー的な話をすると、東京電力女子サッカー部が取り組んでいた3バックの縦ポンサッカーは、今のなでしこリーグでは珍しい部類のサッカーだった。
Jリーグの広島をイメージしていたらしいが、そういうサッカーをしていた人にこの時期からいきなり切り替えろと言っても非常に厳しいとも思う。
ドリブルとパスを多用して最後の最後までに東京電力女子サッカー部にフィットしなかった安本ぐらいかな。
まあ、浜田なり安本なりがチャレンジリーグの常盤木学園高校に加わったら即戦力になるとは思う。
東電労組の大勢の人達が大応援団を組みバスツアーで弁当やらグッズやらを手にスタジアムに駆けつけていた姿がもう見られなくなるのは個人的には残念である。
さらば東京電力。
プレナスなでしこリーグ2011 変更後の試合日程
2011 シーズン 日程変更について
プレナスなでしこリーグ2011 アルビレックス新潟レディース
A第5節 4/29(金・祝) 13:00 日テレ・ベレーザ 神奈川県・平塚競技場
H第6節 5/3(火・祝) 11:00 ASエルフェン狭山FC 新潟県・東北電力スワンフィールド
A第7節 5/8(日) 12:00 福岡J・アンクラス 福岡県・レベルファイブスタジアム
〔中断〕
A第8節 5/28(土) 14:30 ジェフ千葉レディース 千葉県・市原臨海競技場
H第9節 6/5(日) 12:00 伊賀FCくノ一 新潟県・新発田市五十公野公園陸上競技場
A第1節 6/11(土) 12:00 岡山湯郷Belle 岡山県・美作ラグビー・サッカー場 ←
〔中断〕
H第4節 7/24(日) 15:00 浦和レッズレディース 新潟県・新潟市陸上競技場 ←
H第2節 8/6(土) 15:30 INAC 新潟県・東北電力スワンフィールド ←
〔中断〕
H第10節 9/23(金・祝) 12:00 岡山湯郷Belle 新潟県・新潟市陸上競技場
A第11節 10/1(土) 13:00 INAC 福井県・テクノポート福井スタジアム
A第13節 10/16(日) 13:00 浦和レッズレディース 埼玉県・鴻巣市立陸上競技場
H第14節 10/22(土) 14:00 日テレ・ベレーザ 新潟県・新潟市陸上競技場
A第15節 10/30(日) 13:00 ASエルフェン狭山FC 埼玉県・鴻巣市立陸上競技場
H第16節 11/5(土) 13:00 福岡J・アンクラス 新潟県・胎内市総合グラウンド陸上競技場
H第17節 11/12(土) 13:00 ジェフ千葉レディース 新潟県・新発田市五十公野公園陸上競技場
A第18節 11/20(日) 13:00 伊賀FCくノ一 三重県・上野運動公園競技場
※第3節・第12節 試合なし
今年は代表活動(アメリカ遠征・ドイツW杯・ロンドン五輪予選(中国))の為に3回中断が入る。
また、リーグ戦と並行してU-19代表活動も行なわれる。
実はこれなら国体に出れちゃいそうな日程でもある。