2008プレナスなでしこリーグ 第17節 2008年10月26日(日)13:00K.O 平塚市総合公園競技場 井脇真理子主審
アルビレックス新潟レディース 0-3(0-3、0-0) 日テレ・ベレーザ
得点 17分失点、32分失点、42分失点
Jリーグ、湘南ベルマーレの本拠地である平塚競技場。比較的市街地にある市役所などの行政施設が集まっている区画に隣接している公園の中の施設の一つだ。
新潟市は市街地に公園が少ないと改めて思った。
試合前は小雨がちらつくあいにくの天気だった。
ピッチにも雨の影響が出そうだ。
日テレ・ベレーザの試合会場では、飲食物の売店が営業されていた。ビールも販売されている。
日テレ・ベレーザ
小野寺
近賀 豊田 須藤 南山
加藤 澤
小林 永里亜 永里優
大野
SUB:松林、宇津木、原、木龍、荒川
監督:松田岳夫
優勝を狙う日テレ・ベレーザだが、ここにきてDFの中地・岩清水が故障。ベテラン須藤がまだ控えているのがすごいところ。小野寺は未だにゴールマウスを守っている。
U-17世界選手権出場でニュージーランド遠征中のただ今売出し中のスーパー高校生・岩渕真奈が登録されていないのが唯一の救い。
ただ久しぶりにスタメン出場の永里優やベンチ入りしたフィールドの妖精・原菜摘子や新進気鋭の木龍七瀬など、他のチームだったら背番号10番を付けている選手がずらりと並んでいるのが女王日テレ・ベレーザだ。
分厚い選手層は他チームから見ると羨ましいかぎりだ。
このメンバーで何故敗戦するのか、疑問である。
アルビレックス新潟レディース
中島 牧野
大堀 上尾野辺 與山
江橋
山本 川村 東山 井上
大友
SUB:諏訪、波佐谷、中村、斎藤、口木
監督:奥山達之
2トップに中島・牧野選手を並べ、両サイドを大堀・與山選手が入る。
ベンチには久々に波佐谷選手が入る。
アルビも怪我人が出て、少数精鋭なので苦しいところ。
控え選手が全員20番台だ。
非常にリラックスして動きの良いフィールドプレーヤー達。
GK大友選手の左足のサポーターが気になるところ。この選手は小柄ながら、本来は非常に瞬発力があって、ジャンプ力もある。先のTASAKI戦などでFKを決められたが、体調が万全ならあの距離は届くのだけど。
GK諏訪選手もいつもの通り、軽快な動きを見せる。この選手も、大友選手が同期で入団しなければ、スタメンでゴールを守っていたかもしれない。真面目がユニフォームを着ているような選手だ。
雨も止み、風もあまりなく、暑くも無い。サッカーをやるには申し分の無い環境で、女王日テレ・ベレーザと3度対戦をするチャレンジャー・アルビレックス新潟レディース。
700人余りとちょっと器の大きさの割りに寂しい観客ではあるが、緑と橙のサポーターはそのあらん限りの魂をピッチに送る。そんな秋の日の午後、定刻にK.O。
奥山監督の狙いは、前半を無失点で抑えて、後半に勝負を掛けたいのだろう。
だが、前半早々、ベレーザの猛攻撃。
ほぼアルビ陣内での攻防。
アルビの選手は、身体を張ってバンバン放たれるシュートやクロスを弾き返す。
1対1ではなく2対1で対処したいのだが、上手くかわされ逆に1対2に。
近賀が右サイドでかなり高い位置で張っているので、3対1とかにもなる。
課題の前半開始から15分は何とか無失点で抑える。
だが、17分、ゴール前の混戦から大野に技ありのループシュートを放たれて失点。
そのボールを決死のダイビングでゴールマウスからかき出そうとしたGK大友選手。
凄い勢いでゴールポストの鉄柱に左肩を打ち付ける。
平塚球技場に鈍い金属音が鳴り響く。
大友選手の治療の間、アルビ・ベレーザ双方が心配そうに事態を見守る。
医療チームの結果は○。
大友選手、苦悶の表情を浮かべながらも、根性でピッチに立つ。
その後、アルビも右サイドバックの井上選手の俊足でアルビの右サイドの攻撃を食い止められるようになり、左サイドで奪ったボールを一旦大堀選手がためて、上尾野辺・牧野選手らにパスを供給できるようになったので、相手陣内には入れるようになる。
32分、小林からの放たれたCKはゴール前で混戦に。
一度はハイボールをGK大友選手が弾くも、詰めていた永里優が押し込み駄目押しの2点目。
点を取るしかないアルビは、危機察知能力の高かった大堀選手を攻撃力のある斎藤選手に交代。
牧野選手と斎藤選手の1トップ1シャドーのような形になり、中島選手が右サイド、與山選手が左サイドに入る。
守備力の高い中島選手が右サイドに回ったので、右からは押されにくくなったが、斎藤選手の分だけ守備力が落ちたので、全体としては押されてしまった。
42分、DFの裏に抜けた大野にパスが通り、3失点目。
余りにもパスが良くて、副審も反応が出来なかったくらいだ。
おそらく横で見てくれれば、オフサイドであろう。
大友選手の治療時間3分がそのままロスタイムになり、前半終了。
この状況を打開する為には、アイドルルーキー斎藤選手がベレーザのプレッシャーに順応して、自分なりのプレーができるようになることだが、前半は全くサッカーをやれしてくれなかった。
ハーフタイムでベレーザは小林と荒川のベテラン同士の交代。
荒川がジョーカーで使うなんて!
アルビはGK大友選手を諏訪選手に交代すると思ったが、そのまま出場。
根性もやる気も頑張りも全部分かったら、早く病院に行って治療してもらいたのだが。
後半はアルビの両サイドからの攻撃も機能し始めるが、最後のシュートまでは持ち込めない。
ベレーザも何か意図があって、やりたいことがあるみたいだが、前半程の前への推進力が無い。
與山選手の個人技の突破などもあり、少しアルビに流れが来たかと思われる後半18分、疲れの見えた永里亜を守備力の高い宇津木に交代。(厚木市出身同士の交代ね)
ベレーザが押し返し、後半22分過ぎ、猛然と荒川がゴール前に襲いかかる。
CBの川村選手とGK大友選手が押さえにいくも3人がものすごい勢いで交錯。
荒川と川村選手は立ち上がるものの大友選手が倒れたまま。
荒川選手も心配そうに様子をうかがう。
が、医療チームの結論は×。
大友選手、立ち上がろうとするも担架へ。
痛い膝にテーピングを巻き、鉄柱で左肩を強打し、さらにその膝を強打。
「もういいんだ、気持ちはわかったから。わかったら病院へ行って治療してくれ」
会場にいた誰もが思った。
担架に担がれた大友、救急車で病院へ向かい治療を受ける。
試合は残り20分。ピンチである。
交代の準備をしていた中村選手を一旦下げ、GK諏訪選手を投入。
このルーキーGK、開幕からスタメンでゴールマウスを守るも毎試合涙の連続であった。
大友選手の復帰でスタメンから外されても、決して腐らず、課題であったDFとの連携の練習に励み、元々定評のあったキャッチング技術の自信も回復し、そしてこの局面での登場である。
その諏訪選手、ベレーザのシュートに素早い反応を見せ、アルビの窮地を救う。
点を取る為に、フィールドプレーヤーを鼓舞する。
そこには、かつての諏訪選手は無い。一回り大きく成長したGk諏訪選手がいた。
事態を打開する為に、ベレーザは疲れの見えた南山をフィールドの妖精・原菜摘子に交代、同時にアルビはボランチの江橋選手をスピードスター中村選手に交代。
原の投入でベレーザのボールキープの時間が増える。
が、アルビもサイドから中村選手のスピードを活かした攻撃でチャンスをうかがう。
ようやく斎藤選手もベレーザの分厚い守備陣に対抗できるような動きを見せる。
だが、終了間際に宇津木からのクロスに荒川がシュート。外れたものの強烈。
GK諏訪選手、慌てずに見送る。
大友選手の治療時間の3分がロスタイムになり、そのまま試合終了。
0-3。
撃ったシュート2本に対し撃たれたシュートは20本。
完敗だった。
負傷者も出し、勝ち点も挙げられなかった試合であったが、対戦を通して選手自身が体感したこの圧力はきっとアルビの選手にとって財産になるはずだ。
かつてフジタマーキュリーの本拠地であった平塚競技場に片桐ひろみさんが訪ねて来てくれた。
現役時代と変わらずすらっとしたチャーミングな大人の女性であった。
いずれサッカー界に戻ってきてほしいものだ。
アルビレックス新潟レディース 0-3(0-3、0-0) 日テレ・ベレーザ
得点 17分失点、32分失点、42分失点
Jリーグ、湘南ベルマーレの本拠地である平塚競技場。比較的市街地にある市役所などの行政施設が集まっている区画に隣接している公園の中の施設の一つだ。
新潟市は市街地に公園が少ないと改めて思った。
試合前は小雨がちらつくあいにくの天気だった。
ピッチにも雨の影響が出そうだ。
日テレ・ベレーザの試合会場では、飲食物の売店が営業されていた。ビールも販売されている。
日テレ・ベレーザ
小野寺
近賀 豊田 須藤 南山
加藤 澤
小林 永里亜 永里優
大野
SUB:松林、宇津木、原、木龍、荒川
監督:松田岳夫
優勝を狙う日テレ・ベレーザだが、ここにきてDFの中地・岩清水が故障。ベテラン須藤がまだ控えているのがすごいところ。小野寺は未だにゴールマウスを守っている。
U-17世界選手権出場でニュージーランド遠征中のただ今売出し中のスーパー高校生・岩渕真奈が登録されていないのが唯一の救い。
ただ久しぶりにスタメン出場の永里優やベンチ入りしたフィールドの妖精・原菜摘子や新進気鋭の木龍七瀬など、他のチームだったら背番号10番を付けている選手がずらりと並んでいるのが女王日テレ・ベレーザだ。
分厚い選手層は他チームから見ると羨ましいかぎりだ。
このメンバーで何故敗戦するのか、疑問である。
アルビレックス新潟レディース
中島 牧野
大堀 上尾野辺 與山
江橋
山本 川村 東山 井上
大友
SUB:諏訪、波佐谷、中村、斎藤、口木
監督:奥山達之
2トップに中島・牧野選手を並べ、両サイドを大堀・與山選手が入る。
ベンチには久々に波佐谷選手が入る。
アルビも怪我人が出て、少数精鋭なので苦しいところ。
控え選手が全員20番台だ。
非常にリラックスして動きの良いフィールドプレーヤー達。
GK大友選手の左足のサポーターが気になるところ。この選手は小柄ながら、本来は非常に瞬発力があって、ジャンプ力もある。先のTASAKI戦などでFKを決められたが、体調が万全ならあの距離は届くのだけど。
GK諏訪選手もいつもの通り、軽快な動きを見せる。この選手も、大友選手が同期で入団しなければ、スタメンでゴールを守っていたかもしれない。真面目がユニフォームを着ているような選手だ。
雨も止み、風もあまりなく、暑くも無い。サッカーをやるには申し分の無い環境で、女王日テレ・ベレーザと3度対戦をするチャレンジャー・アルビレックス新潟レディース。
700人余りとちょっと器の大きさの割りに寂しい観客ではあるが、緑と橙のサポーターはそのあらん限りの魂をピッチに送る。そんな秋の日の午後、定刻にK.O。
奥山監督の狙いは、前半を無失点で抑えて、後半に勝負を掛けたいのだろう。
だが、前半早々、ベレーザの猛攻撃。
ほぼアルビ陣内での攻防。
アルビの選手は、身体を張ってバンバン放たれるシュートやクロスを弾き返す。
1対1ではなく2対1で対処したいのだが、上手くかわされ逆に1対2に。
近賀が右サイドでかなり高い位置で張っているので、3対1とかにもなる。
課題の前半開始から15分は何とか無失点で抑える。
だが、17分、ゴール前の混戦から大野に技ありのループシュートを放たれて失点。
そのボールを決死のダイビングでゴールマウスからかき出そうとしたGK大友選手。
凄い勢いでゴールポストの鉄柱に左肩を打ち付ける。
平塚球技場に鈍い金属音が鳴り響く。
大友選手の治療の間、アルビ・ベレーザ双方が心配そうに事態を見守る。
医療チームの結果は○。
大友選手、苦悶の表情を浮かべながらも、根性でピッチに立つ。
その後、アルビも右サイドバックの井上選手の俊足でアルビの右サイドの攻撃を食い止められるようになり、左サイドで奪ったボールを一旦大堀選手がためて、上尾野辺・牧野選手らにパスを供給できるようになったので、相手陣内には入れるようになる。
32分、小林からの放たれたCKはゴール前で混戦に。
一度はハイボールをGK大友選手が弾くも、詰めていた永里優が押し込み駄目押しの2点目。
点を取るしかないアルビは、危機察知能力の高かった大堀選手を攻撃力のある斎藤選手に交代。
牧野選手と斎藤選手の1トップ1シャドーのような形になり、中島選手が右サイド、與山選手が左サイドに入る。
守備力の高い中島選手が右サイドに回ったので、右からは押されにくくなったが、斎藤選手の分だけ守備力が落ちたので、全体としては押されてしまった。
42分、DFの裏に抜けた大野にパスが通り、3失点目。
余りにもパスが良くて、副審も反応が出来なかったくらいだ。
おそらく横で見てくれれば、オフサイドであろう。
大友選手の治療時間3分がそのままロスタイムになり、前半終了。
この状況を打開する為には、アイドルルーキー斎藤選手がベレーザのプレッシャーに順応して、自分なりのプレーができるようになることだが、前半は全くサッカーをやれしてくれなかった。
ハーフタイムでベレーザは小林と荒川のベテラン同士の交代。
荒川がジョーカーで使うなんて!
アルビはGK大友選手を諏訪選手に交代すると思ったが、そのまま出場。
根性もやる気も頑張りも全部分かったら、早く病院に行って治療してもらいたのだが。
後半はアルビの両サイドからの攻撃も機能し始めるが、最後のシュートまでは持ち込めない。
ベレーザも何か意図があって、やりたいことがあるみたいだが、前半程の前への推進力が無い。
與山選手の個人技の突破などもあり、少しアルビに流れが来たかと思われる後半18分、疲れの見えた永里亜を守備力の高い宇津木に交代。(厚木市出身同士の交代ね)
ベレーザが押し返し、後半22分過ぎ、猛然と荒川がゴール前に襲いかかる。
CBの川村選手とGK大友選手が押さえにいくも3人がものすごい勢いで交錯。
荒川と川村選手は立ち上がるものの大友選手が倒れたまま。
荒川選手も心配そうに様子をうかがう。
が、医療チームの結論は×。
大友選手、立ち上がろうとするも担架へ。
痛い膝にテーピングを巻き、鉄柱で左肩を強打し、さらにその膝を強打。
「もういいんだ、気持ちはわかったから。わかったら病院へ行って治療してくれ」
会場にいた誰もが思った。
担架に担がれた大友、救急車で病院へ向かい治療を受ける。
試合は残り20分。ピンチである。
交代の準備をしていた中村選手を一旦下げ、GK諏訪選手を投入。
このルーキーGK、開幕からスタメンでゴールマウスを守るも毎試合涙の連続であった。
大友選手の復帰でスタメンから外されても、決して腐らず、課題であったDFとの連携の練習に励み、元々定評のあったキャッチング技術の自信も回復し、そしてこの局面での登場である。
その諏訪選手、ベレーザのシュートに素早い反応を見せ、アルビの窮地を救う。
点を取る為に、フィールドプレーヤーを鼓舞する。
そこには、かつての諏訪選手は無い。一回り大きく成長したGk諏訪選手がいた。
事態を打開する為に、ベレーザは疲れの見えた南山をフィールドの妖精・原菜摘子に交代、同時にアルビはボランチの江橋選手をスピードスター中村選手に交代。
原の投入でベレーザのボールキープの時間が増える。
が、アルビもサイドから中村選手のスピードを活かした攻撃でチャンスをうかがう。
ようやく斎藤選手もベレーザの分厚い守備陣に対抗できるような動きを見せる。
だが、終了間際に宇津木からのクロスに荒川がシュート。外れたものの強烈。
GK諏訪選手、慌てずに見送る。
大友選手の治療時間の3分がロスタイムになり、そのまま試合終了。
0-3。
撃ったシュート2本に対し撃たれたシュートは20本。
完敗だった。
負傷者も出し、勝ち点も挙げられなかった試合であったが、対戦を通して選手自身が体感したこの圧力はきっとアルビの選手にとって財産になるはずだ。
かつてフジタマーキュリーの本拠地であった平塚競技場に片桐ひろみさんが訪ねて来てくれた。
現役時代と変わらずすらっとしたチャーミングな大人の女性であった。
いずれサッカー界に戻ってきてほしいものだ。