黄紙に注意! 鳶ブログ

サッカーに魅せられて全国行脚。
奥山監督率いるアルビレックス新潟レディースを応援しています。

第7節 対INACレオネッサ戦 「追撃体制整う」

2008-06-16 21:23:26 | アルビレディース
2008プレナスなでしこリーグ 第7節 2008年6月15日(日)14:00K.O ホームズスタジアム神戸 吉澤久恵主審

アルビレックス新潟レディース 2-2(0-2、2-0) INACレオネッサ

得点者 13分失点、39分失点、68分大堀、78分川村


なでしこリーグが1ヶ月の中断期間の後、再開された。
サポーターにとっては暫くぶりの試合だが、日本代表のメンバーはベトナムでアジア杯を戦っていたわけだし、吉澤主審に至っては準決勝・決勝で副審をしていたわけで、きっとまだ疲れの残っている状態であろう。

で、まず気になったのは、主審が吉澤氏だったということ。国際審判をINAC-アルビの試合に当てていただくのは非常に喜ばしいことだが、何で?
まあ、確実にこのカードは女子サッカーでは考えられない削れ合いになっていくのだけれど。
たぶん第1試合の深野審判が笛を吹いたら、フリーキックだらけになっていた。
吉澤主審が国際基準に準じる判断で、多少の当たりは流してくれた。おかげで結果的にゲームが荒れずにすんだような気がする。
こんな感じで毎回やってほしいのだが。男性の副審達の起用してくれたのも、オフサイドなどで揉めなかった要因だと思う。
何とこのカードでは初めてカードが出ないゲームであった。
(決して双方あたりが緩かったわけではなく、以前にも増して激しくガッツンガッツン局地戦を展開していた。)
第一試合と比べると別の球技のようにも見える。




INACレオネッサは山岸が負傷しているらしく売店で売り子をしていた。
今や日本代表GKの海堀。このGKから点を取るのははっきり言ってしんどい。
ましてや、自慢の3トップは怪我も無くむしろ練習から動きはめちゃくちゃ良い。
韓国ではピースクィーンカップを開催されている関係で韓国代表のジナは欠場しているが、何故かプレチーニャはここにいる。
ブラジル代表は若手主体だったのか?前回は山本亜里奈選手に完璧に押さえられて、怪我までしたので、気合は十二分に入っている。
日本代表候補の川澄はスタメンから外れている。たぶんチーム事情によるものと思われる。
アルビのサッカーに魅力を感じられず、より攻撃的なINACを選択した彼女の今を是非確認したいものである。

INACレオネッサ

     海堀
藤村 宮迫 田村 角田
     澤井    
    那須  原
プレチーニャ 鈴木 米津


SUB:根本、柳井、川澄、園村、櫨
監督:田渕径二

交代
56分 澤井 → 柳井
83分 米津 → 川澄


アルビは久々に光安亜里沙選手が右のSBでスタメン出場。
自慢の脚力でINACの攻撃陣を押さえ込みたいところ。
また怪我から復帰した斎藤友里・與山このみ選手もスタメン。川村優理選手も含めだいぶ若い年齢の選手が今回は多い。
GKには大友麻衣子選手が今季先発出場。いよいよ期待の大器が登場である。このスタジアム特有の無風状態では、彼女のキックは効果的になるに違いない。
リザーブには大堀幸恵選手も入る。近頃好調な彼女。そろそろベテランの域に入りそうな年齢になってきたが、テクニックは両チーム合わせてもトップクラスだ。
特別指定選手の菅澤優衣香選手(JFAアカデミー福島)がいきなりの遠征参加。

アルビレックス新潟レディース

   牧野  斉藤   
    上尾野辺
與山        中島
     川村
山本 田中 東山 光安
      大友

SUB:諏訪、深田、大堀、口木、菅澤
監督:奥山達之


交代
HT  斉藤 → 菅澤
63分 中島 → 大堀
65分 光安 → 深田

第1試合は日本代表あるいは代表経験者が多く出場したが、実は第2試合も日本代表や候補、ユニバ代表、U-20等の年代別代表及び経験者が揃っていて、さながら選考試験のような面子である。

アニメ声のおネエさんのアナウンスにちょっと戸惑う。そんな感じの選手紹介。

体育館の中のような感じのホームズスタジアムで、多くのオレンジの声援を受けながら定刻にK.O。
(今回はアルビの写真撮影は無かった。)

開始早々、INACのペース。
この試合ではアルビのシュート8本に対し、INACに23本を撃たれるのだが、これには理由がある。
INACは、完全に分業制を敷いていて、トップ3枚はアルビのDFラインに沿って常に攻撃態勢に入っていて、守備には基本的に戻らない。
原・那須・澤井の中盤は、ボールを奪ったら縦に速いボールをすぐさま蹴り込む。


オシムの言葉に洗脳されている日本人には理解しがたいサッカーではあるが、こういうサッカーもあるんだな、と認識はできる。

「この縦の速さ」は、これまでのINACからしても相当速くなっていたし、こういうサッカーをするチームはなでしこリーグには当然いない。
ボールを受けたら、前へドリブル突破&コースが空いたら躊躇無くシュート。
だから枠をそれることも多く、正面のボールは大友選手は問題無い。
シュートを無造作に撃たれるので、ハッとすることは多いのだが、アルビのDFの寄せも強いので、そうそう自由に撃たせはしない。


入りの10分を無得点に抑えて、これからだっていう時に、またまた縦に速いのがポ~ンと飛んできて、プレチーニャに入る。
今回、会場にいた選手や観客が絶対にドリブルかパスで陣地を稼ぐだろうと思っていたし、疑いもしなかった時に、ブラジル人のプレチーニャはシュートを選択。
凄いミドルシュートがゴールに突き刺さる。一瞬何が起こったのはわからなかった。
日本人には無い発想。でも点を取るには、この発想も必要なんだね。御見それしました。
あまりにも見事だったので、選手もサポーターも瞬時に切り替えられた。


そのプレチーニャ、今回も山本選手とマッチアップで相当カリカリ。自由にはさせていない。

INACが撃てば、大友が捕球して、アルビが繋いで繋いでカウンターを仕掛けINACのゴール前へ。
アルビが撃てば、海堀が捕球して、また縦に速いボールを蹴りこんで、3トップが仕掛ける。
こんな感じでこのまま前半が終わっちゃうのかな、という感じがしてた頃、またまたプレチーニャにボールが入る。
アルビは3人掛かりで押さえ込みにいくものの、見事に抜かれゴール前にナイスアシスト。米津は流し込むだけ。
ゴールというよりは、その前のプレチーニャのプレーで勝負あったって感じの流れだった。

前半、中島未来選手の惜しい、超惜しい、シュートなんかがあったものの無得点。

得点にはならなかったものの、ボランチの川村優理選手がワンツウで果敢に最前線へダッシュして、ゴール前にシュートを狙う動き。
これができるようになったことにアルビの成長を感じる。相手の状況に応じてたとえボランチであっても攻撃へ勝負を掛ける。
第1試合で日本代表ボランチ阪口夢穂が出来なかったことを川村優理選手は試合展開の中で出来るようになってきている。

日本代表GKから得点を奪うには難しい状況だが、INACの最終ラインはやはり前線と比べて脆さが見える。
ブラジル人プレチーニャを押さえ込まないことには話にならないようだが、辛抱していればチャンスはありそうな感じで前半を終える。
そんな感じになれるのは、2点こそ取れれているものの、守備に関してはいわゆるボンミスは無く、安定して見ていられる所為だろう。
どっちが代表GKなんだろうっていうくらい大友麻衣子選手の判断の切れが良い。


前半、相変わらず良い動きを見せていた斎藤友里選手に代わり、何と特別指定選手の菅澤優衣香選手をここで投入。
斉藤選手から何回かチャンスを作っていたので、ここで代えるのは勿体無いなっと思ったのだけど、これは怪我明けを考慮した為かとその時は勝手に思い込む。
菅澤選手はそのままトップに入る。

アルビはアルビらしく上尾野辺めぐみ選手や牧野愛美選手を中心に繋いで繋いでチャンスをうかがう。
ポストとして菅澤選手にボールが預けるが、これが上手く機能しない。
判断が遅いので、INACの中盤のプレスにたじたじ。
高校生がいきないなでしこリーグDiv.1の舞台に立っているわけで、無理も無いとは思うが、目下アルビの置かれた状況ではそんな悠長なこと言っていられない。

そんな中、プレチーニャら3トップの脚が止まり始める。

そして信じられないことに、菅澤選手の判断のスピードが上がり始める。う~ん、スポーツ漫画みたいな展開になってきた。
こんな短時間に自分で動きを修正して、アルビ全体の動きに彼女が一体化し始める。
頭が良いんだね。身体はまだまだ高校生なんで絞り込まれていない。まともに削られると耐え切れないが、頭で考えられるようになった分、視界が広がり、上手くボールをアルビの選手に預け返してくれる。
こうなると繋ぐサッカーを身上とするアルビにも勢いが付いて来る。

後半18分、今日も長い距離を走って守備に攻撃に貢献してくれた中島未来選手に代わり、大堀幸恵選手を投入。
右サイドハーフに入った大堀幸恵選手は日体大の後輩であるINACの田村・角田選手とマッチアップ。
やはり幸恵さんはボールを持つと上手いなぁ。惚れ惚れしてしまう。球捌きが好調時に戻った。

上尾野辺・與山選手らがポンポンと繋いでオーバーラップした山本選手へパス。切り替えしてゴール前へクロス。
教科書通りに、田村・角田両選手の視界から一瞬消えておいて、そのままゴール前のスペースに入ってヘディングシュート!。見事なゴール。
この辺の動きを見ると「ものが違うんだよ、ものが」って言っているような格の違いを感じた。

これからは怒涛のアルビの攻撃ショー。
ホムスタにアルビの応援が高らかに鳴り響く。

FKからのゴール前に運ばれたボールを、駆け上がっていた川村優理選手がボレーシュート!
テレビのドラマみたいな水平にズドーンっていう見事なシュートを叩き込んでついに同点。

この後、川澄が出てきてシュートを撃たれるものの大友選手ががっちり防いだり、光安選手に代わって入った深田選手が振られながらも何とか最後の最後で身体で押さえ込んだり、自陣ゴール前で川村優理選手がボールを奪ってそのまま攻撃に入ったりして、ピンチもあったけれど、チャンスもあって、もうちょっと時間が欲しいって本気に思ったのだけど、結局ロスタイムもきっちり終わり試合終了。



勝ちたかった。でも前半の出来から見ると追いついたことだけでも凄いことなんだろう。


今日の収穫は、守備のミスが無くなったこと。いや、攻める守備ができるようになったこと。
今までは「当方共の事情」で試合をやっている感じだったのだけど、やっと相手を見て試合をできるようになった。

シュートに繋がる惜しいシーンは何度もあったので、これからは楽しみ。



試合終了後、大友麻衣子選手に声を掛けた時に不覚にも泣きそうになってしまった。
いやいや今日は勝ったわけではない。
次、まだ1度も勝ったことも引き分けたことも無い浦和レッズだけど、真価を問われるのはこのホーム戦だろう。
相手が浦和レッズだけに、ミスで終わるような試合にはならないに違いない。
アルビらしいサッカーで、ホームの観客を魅了してもらいたい。その可能性は高い。


菅澤選手の登場でベンチ外へ追いやられてしまった吉田瑞季選手ら20代の皆さんの奮起を期待したい。


今日はダブルヘッダーということもあり、ベレーザ・TASAKI・INAC、そして岡山湯郷等の多くチームがビデオを回していた。
アルビって試合会場で他のチームのビデオとかあまり撮らないのだけど、役に立たないからなのかな?





最後に非常に気になったことが一つ。
実は今回はアウエーなんだけど、INACの声出しサポーターが一人もいないものだから、アルビだけが応援をする形になった。
不思議な感じだった。(体育館のような競技場の所為もあり、よく自分達の声も反響した。)
こういう経験も珍しい。男子のレッズはこういうことをやりたいのかな?
※第1試合はTASAKIの応援団とベレーザのサポーターがいたので普通に感じたのだが。

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