黄紙に注意! 鳶ブログ

サッカーに魅せられて全国行脚。
奥山監督率いるアルビレックス新潟レディースを応援しています。

2011プレナスなでしこリーグ13戦目 対狭山戦「未成熟」

2011-10-30 22:10:32 | アルビレディース
プレナスなでしこリーグ 第15節 2011年10月30日 13:00K.O
埼玉県・鴻巣市立陸上競技場(520人)曇 風弱し 芝良 主審 三上正一郎

アルビレックス新潟レディース 1-1(0-0、1-1) ASエルフェン狭山FC

48分 失点、81分 上辻佑実


[ASエルフェン狭山FC]

-------有馬-------↓
---柴田--笠島--山本---
-田子--澤田--高橋--熊谷-
---薊-------齋藤---
-------村岡-------

SUB:GK大谷、DF小林、MF堰、FW渡辺、FW鈴木
監督:大石裕弘

57分 齋藤→渡辺
66分 村岡→小林


[アルビレックス新潟レディース]

-----上辻-上尾野辺----
-斎藤----------佐伯-
-----川村--阪口-----
-中村楓-東山--北原--山崎-
-------大友-------↑

SUB:GK諏訪、DF平井、MF堀、MF児玉、FW大石
監督:奥山達之

HT後 斎藤→大石
76分 佐伯→堀


たぶん世の中の大半の人は狭山には勝てて当たり前のように思っていただろう。
鳶もご多分に漏れず、そういう思いはあった。
が、INAC・レッズ・ベレーザ戦と続く混迷の我がチームを見ると不安もあった。特に守備面で。
今回は控え選手も含めてメンバーはがらっと代えてくる。
怪我人多数との報道がなされているが、これが本当ならここからの4戦はかなり苦しいものになる。

狭山とは5月の対戦では7ゴールが飛び交う撃ち合いとなった。
大卒新人平井咲奈選手のハットトリックで撃ち合いを制する形になるが、守備では大いに課題も見えた試合だった。

狭山のスタメン・サブを冷静に見直すと伊賀=有馬静佳・村岡夏希・熊谷さやか、ジェフ=柴田里美
、東電= 山本りさ、TASAKI=澤田由佳、大原学園=小林菜摘・渡辺彩香、INAC=堰愛季(前所属を大雑把に)に大卒選手が加わっていて、時間を掛けてチームを作れば結構いけそうな面子であることは直ぐにわかる。
アルビのメンバーと比べても遜色はない。
チーム名や置かれている環境で判断すれば当然アルビの方が有利と感じるが、アルビの長所を消されると試合が難しくなっても不思議ではない。

全体的にアルビの方が個々の選手の技術は優っている部分が多いので試合展開は優位に進めたと思うが、前半に決めるべきところを決めないで0-0で終えてしまったのが最大の失敗だったのではなかろうか。
この試合は両SBと2トップをこれまでのメンバーから変更して戦っているのだが、連動性が今一つで良いところで攻撃のミスが出る。
繋いで繋いで「シュートを撃つ方、はい、どうぞ!!」というサッカーのアルビにとって肝心なところでのミスは得点だけでなく、反撃を食らう糸口にもなってしまう。
今回スタメンの斎藤友里選手(ちなみに狭山のさいとう選手は「齋藤有里」でちょっと漢字が違う)は顔面の怪我の為にフェースマスク着用しているが、視界が狭いのかせっかくゴール前に切れ込んでもクロスの精度が今一つだった。
左足の精度が上辻佑実選手と比べると低い。この差が前半の0-0に表れた。
中村楓選手は守備は堅いのだが、もうちょっとSHと連動していただけるとチャンスが拡がるのだが。足技が上手いのは十分にわかったので、お得意のスペースを使うアイディアをもう一回思い出してもらえないだろうか。
右は右で佐伯彩選手と山崎円美選手というパワー系で臨んだのだが、もうちょっとアイディアがあっても良いんじゃないかなとは思うのだけど。
クロスを2人共上げられるのはわかる。1+1=2でなく3になる可能性のある2人だと思うんだよね。お互いに直線的な動きなんで単発で突っ込んでいくと2人共に相手に読まれるんだよな。

試合を通して狭山の薊(あざみ)の出足の良い守備に中盤が手こずった感があり、風上を利用して押し込まれたのも薊がポイントになっていたように思った。

東電の山本りさが地味に効いているな。その分、熊谷が前に押し上げられるようになっている。




後半開始直後にこの試合の流れを決定づけるディフェンスのミスが出る。
これまで今季スタメンフル出場のCB北原佳奈選手がゴール前でボールを大ベテランの村岡夏希に奪われ先制点を奪われる。いったいアルビは村岡夏希に何点献上すれば済むんだろうか。嫌な選手だ。
今季のアルビは正直この新人CB北原佳奈選手と心中するつもりのチームであるから、ミスが出たってしょうがない。が、暫く北原佳奈選手が切り替われなくて試合の流れがなかなかアルビの方に来なかった。
(ちなみにこの試合で一番の見せ場はたぶん、北原佳奈選手から放たれた目の覚めるような高速フィードだと思う。これは女子サッカーでは珍しいし、なでしこリーグでもそんなにできないんじゃないかな。アルビの売りだと思う)
一番伸びる4年間にプレスの緩い大学サッカーで過ごしてきたので、対応が大変なのはしょうがない。
とにかく今年1年はこの速さと強さと技術に慣れてもらわないと。
北原佳奈選手を大成させる為に費やした授業料だと思えば勝ち点の10点くらいは安いものだ。
東山選手にある程度フォローしてもらるうちに守備を覚えてもらえれば。まあ、東山選手がアルビにいてくれる間だけだが。

後半から入ったFW大石沙弥香選手がCFWに入って、上辻佑実選手が左SHに移ったのだけど、やはりその方が形としてはしっくりいった。
上辻佑実選手も相手にしてみたら恐さのあるFWなんだろうけど、サイドの方がいろいろとやれる引き出しが多いような気がする。
久々の大石沙弥香選手だったのだけど、やはり最初のうちは試合勘が今一つな感じはしたが、20分もすると上手く乗れてきた動きになってきた。
たぶん、相方が上尾野辺めぐみ選手ではなくポストプレーのできる選手か、あるいは、サイドに流れてスペースを作ってくれる選手だったらゴールが生まれたかもしれない。

とにかく上尾野辺めぐみ選手のFKとか、諸々色んな人が撃ったシュートが悉くクロスバーに当たり、詰めて撃ったシュートもいっぱいある相手選手の足に当たり、ゴールの枠に行かない。
引いて守られる相手を崩せぬまま時計の針はどんどん進む。
狭山は体力の消耗が激しい選手を渡辺彩香・小林菜摘といった大柄の選手に代えてくる。(東京女子体大出身の齋藤有里は良い動きだっただけに代えてもらってラッキーだった。)



狭山の選手も足が止まってきた。
アルビは疲れの見え始めた佐伯彩選手に代わって堀良江選手を投入。
が、今季2度目の出場の堀良江選手、前回同様全然ボールに触れない。
意気込んでいるのはわかるのだが、アルビの中盤がボールを出したい位置にいてくれないので出せない。
(ちなみに観戦していたアルビサポはてっきりここは平井咲奈選手に裏を取れせて勝負に出るのかと思った。これまでこの試合は裏を取るようなことはしていなかったが、平井咲奈選手の技術ならDFラインを掻い潜れそうに見えた。でも、やっぱりこの日の平井咲奈選手はDF登録ということで出場機会は無し。FWとしては奥山監督の信頼は勝ち得ていないということなんだね。)
個人的には不発に終ってもいいから児玉桂子選手を投入してもらいたかったのだけど、ここで使われないというのはまだ児玉桂子選手がなでしこリーグの試合に出場するには実力不足と判断されたということなんだろうな。
期待の高卒ルーキー児玉桂子選手がここまで全く試合に出られないというのはアルビにとっては大誤算だと思う。
まあ、堀選手は次があるなら、次こそは結果を出してほしいな。何か噛み合っていないんだよな。これだと10人で戦っているのと同じになってしまう。

そんな試合も不思議なもので、再三好プレーでゴールを死守してきたベテランGK有馬静佳が最後の最後でゴール前で決定的なミスで上辻佑実選手にボールが入って同点ゴール。
アルビが左サイドから攻めるもゴールは奪えず。
完全なる負け試合を相手からプレゼントで引き分けにできた試合だった。

6位のジェフ千葉と勝ち点で並んでしまった、さすがに半年近くも勝っていないのだから当然と言えば当然だろう。
他のチームが上位も下位も終盤戦に入ってチームの熟成度が上がってきているのに対し、怪我人もあってアルビはまだまだ手探り状態である。
シーズンもあと3試合。順位とかはもう考えてもしょうがないので、目の前の1試合1試合を勝つ方向性で試合に臨めたら勝利の可能性が出てくるのではなかろうか。
まあ、相手も必死で守ってくるからゴールはなかなか奪えないだろうけど、失点をこれ以上増やさない方策は何かあるはずだ。
全日本女子サッカー選手権までにはチームが出来上がれれば良いのだが。


〔2011年シーズン結果〕
05 04/29 0●1 日テレ・ベレーザ(平塚陸上)
06 05/03 4○3 AS狭山(東北電フ)
07 05/08 2○0 福岡J・アンクラス(レベスタ)
08 05/28 2○1 ジェフ千葉(市原臨海)
09 06/05 3○0 伊賀FC(新発田陸)
01 06/11 2△2 岡山湯郷Belle(美作ラサ)
04 07/24 2△2 浦和レッズ(新潟市陸)
02 08/06 1●2 INAC(東北電ス)
10 09/23 2●3 岡山湯郷Belle(新潟市陸)
11 10/01 3△3 INAC(福井テク)
13 10/16 0●2 浦和レッズ(鴻巣市陸)
14 10/22 0●2 日テレ・ベレーザ(新潟市陸)
15 10/30 1△1 AS狭山(鴻巣市陸)

今季リーグ戦対戦結果
(対戦終了)
INAC 勝ち点1(1分1敗)[1●2(東北電ス)、3△3(福井テク):得点4/失点5/得失点差-1]
日テレ・ベレーザ 勝ち点0(2敗)[0●1(平塚陸上)、0●2 (新潟市陸):得点0/失点3/得失点差-3]
浦和レッズ 勝ち点1(1分1敗)[2△2(新潟市陸)、0●2(鴻巣市陸):得点2/失点4/得失点差-2]
岡山湯郷Belle 勝ち点1(1分1敗)[2△2(美作ラサ)、2●3(新潟市陸):得点4/失点5/得失点差-1]
AS狭山 勝ち点4(1勝1分)[4○3(東北電フ)、1△1(鴻巣市陸):得点5/失点4/得失点差+1]
(残り対戦有)
ジェフ千葉 勝ち点3(1勝)[2○1(市原臨海)、:得点2/失点1/得失点差+1]
伊賀FC 勝ち点3(1勝)[3○0(新発田陸)、:得点3/失点0/得失点差+3]
福岡J・アンクラス 勝ち点3(1勝)[2○0(レベスタ))、:得点2/失点0/得失点差+2]

対戦の終った5チームだけを見ると1試合平均ジャスト2失点。今季はこの失点の多さが目立つ。それも開始直後か終了直前。
まあ、逆に1点以内に抑えないと勝てないという当然の論理がある。
「撃ち合い上等!!」なんて粋がってみたいみたいところだが、野戦病院状態なのでそうもいかず。
やはり試合運びで勝ち点を拾っていくしか手はなさそうなのだが、ディフェンスのミスをどこまでカバーできるかが鍵となる。

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