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サッカーに魅せられて全国行脚。
奥山監督率いるアルビレックス新潟レディースを応援しています。

2010プレナスなでしこリーグ第9節 対千葉戦「炎天下の走力戦」

2010-08-29 17:05:48 | アルビレディース


プレナスなでしこリーグ 第9節 2010年08月29日 13:00K.O
千葉県・千葉県総合スポーツセンター東総運動場(230人)晴 微風 芝良 主審 恩氏孝夫

アルビレックス新潟レディース 2-1(1-0、1-1) ジェフユナイテッド市原・千葉レディース

29分 法師人美佳、60分 上尾野辺めぐみ、89分 失点


[ジェフユナイテッド市原・千葉レディース]

-------船田-------
-河村真-阿部--細川--手塚-
-----山田--綱川-----
-海老沢---------安田-
-----清水--深澤-----

SUB:GK杉浦、MF井上、MF島田、MF加賀、FW石井
監督:上村崇士

HT後 手塚→加賀
68分 深澤→石井
79分 綱川→井上




[アルビレックス新潟レディース]

----上尾野辺-菅澤-----
-小原---阪口----法師人-
--------川村------
-山本--笠井--東山--山崎-
-------大友-------

SUB:GK諏訪、DF波佐谷、MF落合、MF中村早、FW佐伯
監督:奥山達之

56分 法師人→中村早
86分 小原→落合



千葉県というより茨城県との県境にある東総運動場。陸上競技場である。


陸上競技場だからというわけでもないのだろうが、試合前のこの炎天下のお昼にジェフレディースの選手はトラックでリレーを何本もしていた。さすがは犬である。


何とこの試合の主審は恩氏孝夫今も1級審判なんだろうか?
おそらくJリーグの試合を10年くらい観ている人なら誰でも知っている有名人である。
たぶん、ジェフの上村監督は現役時代に笛を吹かれたことがあるんじゃないだろうか?
けっこうジャッジが逆になるのが有名で、でも、一番は第4の審判で4人目の交代を認めたことかな。
暫く名前を見かけなかったのだけど、そうかあ、なでしこリーグのレフリーをしていたんだね。


アルビの攻撃の中心を担う小原選手と菅澤選手。
菅澤選手は千葉県出身。


本日のリザーブは俊足中村早樹選手、ピッチの重戦車佐伯選手、このところベンチ入りが続く全身全てが体育会系の落合選手、DFの波佐谷選手、GKの諏訪選手。


試合前練習の指揮を執る入江徹コーチ。
元Jリーガーのジェフ上村監督とは面識はあるのかな?


当然のことながらカップ戦とは大幅にメンバーを変えてきたジェフ。


ジェフ上村監督。女子サッカーへの情熱は並々ならぬものがある。恐るべし。


太平洋からの風が流れていく。


メインスタンドのみ開放された観客席に向かって試合前の一礼。


リーグ中断前と比べると心なしか後から見ると上半身ががっちりしてきたような小原由梨愛選手。


轟コーチと川村優理選手。長い長い付き合いである。


目下絶好調の阪口夢穂選手。
完全復活と言って良いのではないだろうか。
個人的にはFKが見たい。


アルビではFWとして活躍する菅澤選手。ボールキープもシュートできる大型FW。


アルビの要、東山真依子選手がチームを締める。







試合は前半4バックで攻めるジェフに対して、アルビは今季初めて阪口・川村という代表経験者によるバブルボランチで対抗。
川村選手の激しい守備と阪口選手の秀でた読みでジェフの中盤を自由にさせない。
が、U-20代表であるジェフのボランチ山田が元マラソン選手で無限のスタミナを持つ快速清水にこれまた良いパスを出して行く。
アルビの左サイドバック山本選手とセンターバック笠井選手がダブルで止めようとするが、速さについていけず、度々ゴール前を襲われる。
その都度、センターバックの東山選手とGK大友選手の好守でゴールを割らせない。

トップの菅澤選手が流動的に動いて左サイド小原選手側からの攻めに対してジェフは相当手を焼いていたのだが、ゴールは思わぬところから生まれる。
高いラインを取ってきたジェフに対して、ボランチ阪口選手が絶妙なパスを左サイドの小原選手に送る。
見事なトラップで受けた小原選手がジェフの選手をかわして前進。
スペースを突いた菅澤選手が受けて内側へ切れ込む。シュートと見せかけて右サイドへパス。
今日先発のベテラン法師人選手が詰めて先制ゴールは彼女のなでしこリーグ入り初ゴール。

非常に蒸し暑い中の試合なのだが、ジェフは執拗に走ってくる。
中盤で繋いで最後に左右へラストパス。我慢比べの駆けっこになると今日のアルビは分が悪い。

そんな中でも右サイドバッグに入った山崎が我慢しながら最後のところでボール奪取。
そのまま彼女固有の攻撃力を発揮して前進。スタミナ面で問題のある法師人選手の守備を軽減するばかりでなく、右サイドからの攻撃を活性化させる。

上村監督の意思が組織にビシッと注入されているジェフなので、アルビもオシャレなパスをして攻めるものの最後のシュートが決まらない。
阪口選手や菅澤選手のシュートがバーとかクロスバーとかに弾かれなければこんなに難しい試合にはならなかった。







[ジェフユナイテッド市原・千葉レディース 後半開始直後]

-------船田-------
--河村真--阿部---細川--
-----加賀--山田-----
-海老沢---安田----綱川-
-----清水--深澤-----



後半、ジェフは3バッグに変更。
前の押しは強まったが中盤がやや空いた感じがした。

運動量の落ちたアルビは早々に法師人選手を中村早樹選手に交代して攻撃力を強化。
これでジェフのスピードに対抗できるようになる。
近頃、中村早樹選手は好調だ。シュートもクロスも日体大時代や入団当初とは比べ物にならないくらい上手くなった。
そして、リーグNo.1と目されるスピードだ。この日も自分が出したパスに自分が追いつくという離れ技を魅せる。

何と言っても圧巻は阪口夢穂選手。
この試合はアルビの公式戦で初めてボランチに入った阪口夢穂選手のサッカーショーだった。
ゴール前に攻められたシーンでパス一本で形勢逆転。
長すぎず、短すぎず、強すぎず、弱すぎず、そんなスーパーなパスがカウンターで前線に留まっていた上尾野辺選手に通り、最後は軽く流し込んで2点目。
(その後、上尾野辺選手はゴールキーパーと1対1のシーンを外してしまうのだが、それは決めてほしかった。)

ジェフは選手交代で石井・井上らジェフレディースU-18出身の選手を投入。
上村監督の申し子はピッチで縦横無尽に快走する。

試合終了間際はジェフ優勢で、これは前節同様(岡山戦の時は89分に逆転ゴールを許す)になったら嫌だなと思っていたら、89分に安田に決められた。
これはいけないことなので、試合終了間際の失点を防ぐ、そのことは緊急に対応してもらいたい。
2試合連続で89分に失点はいただけない。

結局、アルビは2枚交代だけで試合を終了。3枚目の選手はもう一頑張り必要である。




今季のアルビの成長を見極めるためには格好の対戦相手であるジェフ。
開幕前からこの前半戦最後の対戦となるジェフ戦に勝利できるかどうかが成長のバロメーターと思っていた。
2-1という結果に終り、試合内容的にも課題はあるものの難敵ジェフ相手にアルビらしさを出せたという面では成長の証を示せたのではなかろうか。














千葉県出身の菅澤選手としては、地元凱旋でゴールを奪いたかったところだが、これは適わず。
好調さを維持しているので、次節以降に得点女王に向かってゴールを狙ってもらいましょ。



上村監督、途中で退席しそうになったのでちょっと会場があせったが(さすがに今日の主審・副審のぶれならわからないでもないが)、堪えてくれてよかった。リーグにとっても大事な人なので、出場停止はいかんよ。



千葉市周辺から考えても東総は距離的にアウェーなわけで、そんな中、両チーム合わせて270人以上のサポーターが、こんな炎天下の中、集まったのは少しは女子サッカーが千葉でも認知され始めた兆候なのかもしれない。
まあ、普通に考えたら少ないのだが、周りは山しかないこの大自然の中にスポーツを観戦しにくること自体、凄いことだと思う。
ただ、できたら、もうちょっと人が往来できるところで試合をした方が女子サッカーの普及の面では良いのではないだろうか?
ここはたぶん、勢力図的には鹿島アントラーズの境界線内である。

なでしこリーグのサポーター同士の取り決めに則りホームのジェフがアルビコールをし、アウェーのアルビがジェフコールで応える。
そのコールが山々にこだました、暑い暑い東総運動場だった。

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