Moments musicaux

ピアニスト・指揮者、内藤 晃の最新情報です。日々、楽興の時(Moments musicaux)を生きてます。

ピアノ選定のポイント

2012年04月26日 | オピニオン
今日は、知人に同行してピアノの選定に行ってきました。
候補の機種を定めてから、その中で良いものを…というときは、卸元まで足を運ばれて複数から吟味されることをお勧めします。
選定のポイントは、新品の場合、音色よりも楽器の「鳴り方」を聴くことです。音色は、信頼する調律師とともにこれから創っていくものですから、その場での調律状態などを差し引いて、楽器本体の潜在能力を見極めることが肝要です。
「鳴りの良いピアノ」とは、鳴り方に音域によるムラが無いこと、音の抜けが良いこと、低音域の倍音が豊かに鳴っていることなどがチェックポイントかと思います。さらに、新品の段階では、当然鳴りがいまひとつですから、その前提で較べつつ、そのヴェールがとれたときにどうなるかというイメージも上乗せする必要があります。
すばらしい調律師にメンテナンスしていただくと、その度に輝きを増していきます。新品の場合、赤ちゃんのピアノをどのように育ててゆくかは、持ち主と調律師にかかっているのです。
ピアノは、使うほどにあちこちが磨耗していきますから、調律だけでなく、アクションやハンマーの調整含めた定期メンテナンスが必要不可欠です。ピアノの定期健診をしていないホールが多いのは、きわめて残念なことです。