クモの巣をよく見ると、とても繊細にかつ芸術的に張られていることがわかる。
せっせと体内から糸を出し、枝から枝へと器用に糸を紡いでいく。
風が吹けばユラユラと揺れ、敵わぬ敵が来れば慌ててクモの糸の真ん中から逃げだす。
あなた任せのようだけど、獲物がかかれば機敏な動きで襲いかかる。
それにしても、どのクモの巣にも獲物がかかったような跡もない。
過密状態に張られたクモの糸に、からめとられる側も警戒はおこたないのだろうが。
車の運転と一緒でボーっとしたり、脇見したりしていると命を亡くすことになるのだろう。
クモの糸にからめとれれたトンボも、ちょっといい娘とついつい目線をきってしまった結末かもしれない。