アサギマダラは旅するチョウとして、日本の国蝶の候補にも挙がったことがある。
そのアサギマダラを、この時期くじゅう花公園で見ることができる。
今年もアサギマダラに会えるだろうかと、期待に胸膨らませながら園の中ほどを目指した。
園の中程にフジバカマが植えてある。多分にアサギマダラを呼ぶために植えてあるのだろう。
目を皿のようにしてフジバカマの花の一つ一つを追ったが、アサギマダラは見当たらない。
今年はまだ早いのかと半ば諦めていたが、少し奥まったところでヒラヒラと舞う独特の飛び方をするチョウを見つけた。
オウ!!アサギマダラがいたよと皆に声をかける。
アサギマダラはヒラヒラと木の葉が舞い落ちるように優雅に飛ぶので、目につきやすくそれに割とフレンドリーでもある。
アサギマダラの成虫は、その多くは秋になると日本本土から南西諸島や遠くは台湾、香港まで旅をする。
どこからどこへ行くのか、この謎を解くため捕獲した個体に、マーキングをおこない追跡調査が行われている。
これまで確認されたものは、和歌山県で放された個体が香港で確認されている。
その飛行距離、何と2500kmという記録がある。
アサギマダラは、あの小さな体で残された命を費やしながら南の島をひたすら目指す。
何故、南を目指すのかはまだ謎の部分が多く、十分には解明されていないという。
広い海の上を小さ羽をはばたたかせ、アサギマダラは何を思い大海を渡るのだろう。