見上げる夜空からまるで火の粉が、舞い落ちてくるような感覚のなかで
雨脚が時折強くなる空を見上げつつレリーズを押し続けた。
もちろん、花火が打ちあがる度に3回に1回の頻度でレンズの水滴を吹き続けた。
圧巻の10分間は、雨のことも気にならずただただ大輪の花火と、腹の底に響き渡る轟音が心地よかった。
家に戻ると何はともあれ、水滴を乾いたタオルでふき取り、カメラとレンズにドライヤーをかけてやった。
今後のお付き合いもあり、ご機嫌を損ねてはたまらない。
時折、ひどい降りだったので見物の人々もいつもの半分以下に減っていた。
気苦労があっただろう大会実行委員会、消防、お巡りさん等々、雨にうたれながらも大会運営、警備にお疲れさまでした。
途中、資金難から開催が中止に追い込まれた東区花火大会も、関係者の努力で25回を迎えることができた。
Tシャツを買うことや、翌日のゴミ拾いに行くことしか協力できないけれども
最後の10分間は、特に見に来てよかったと誰もが思うに違いない。
「東区最高!!」隣の若者が、エンディングの花火を見てそう吠えていた。