あかない日記

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静岡紀行 熱海2 起雲閣 所有者

2018-11-20 | 国内・静岡

 

 初代所有者 内田信也 

 

 1919(大正8)年 
海運王 内田信也の別荘「湘雲閣」として建築。

足の悪い母のために、当時としては珍しい
“バリアフリー設計”が採り入れられていた。

創建当時の建物としては
正面入り口の門、母屋(麒麟)、
居間(孔雀)が現存している。

 

内田信也(1880‐1971 茨城県麻生町)
大正・昭和の実業家政治家
東京高等商業卒業(現一橋大学)。


三井物産用船掛主任を経て独立 内田汽船
内田商事 内田造船所などを創立。

その後 1924年第 15回総選挙に出馬,
政界に入り,以後当選9回を数えた。


その間の 34年 岡田内閣の鉄道相に就任した。

しかし 鉄道疑獄に連座して辞任し
その後 44年東条内閣の農商務相となった。

第2次世界大戦後 第5次吉田内閣の農林大臣をつとめた。

 

 二代目所有者 根津嘉一郎 

 1925(大正14)年 根津嘉一郎が
内田から買受け隣地を広げ 根津別邸となる。

敷地内から湧き出た温泉を利用して 
1929(昭和4)年に金剛・ローマ風浴室の棟を
1932(昭和7)年に玉姫・玉渓の棟を建て増しする。
併せて 庭を現在の姿に整備した。

根津嘉一郎(1860~1940 山梨県山梨市)
実業家 衆議院・貴族院議員。
「甲州財閥」の一角をなし 
136社にも及ぶ投資・経営参加し

電力、金融・保険、紡績など多岐の業種に渡った。

特に鉄道経営では 東武鉄道の再建や
国内初の地下鉄開通に携わり
「鉄道王」と呼ばれた。

また 文化事業にも関心をいだき
武蔵高等学校(武蔵大学の前身)を創立。

没後 収集品の寄付によって
東京青山に根津美術館が設立された。

 

三代目 桜井兵五郎 


 戦後1947(昭和22)年には
金沢の湯涌温泉「白雲楼ホテル」の経営者でもあった

桜井兵五郎が敷地・建物を買取り 旅館『起雲閣』を開業。
営業中は、政財界人、有名作家等の利用や
囲碁、将棋の対局などに利用された。

桜井兵五郎(1880-1951石川県能登町)

大正-昭和時代の実業家 政治家。
北日本耐火煉瓦  北陸毎日新聞
日本タイプライターの社長などを歴任。

大正4年衆議院議員(当選9回)。
立憲民政党幹事長のち鈴木貫太郎内閣の国務相となる。

 



熱海市票 

現在は 1999(平成11)年 旅館は廃業し
競売にかけられることになったが
熱海市がこの敷地と建物を取得した。

 2000(平成12)年から市指定有形文化財として
熱海市が運営して 一般公開している。

 


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