(株)あいすくむり の 売り上げ向上委員会

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間違ったお店の「個性」で廃業した飲食店のお話

2019年01月30日 | ビジネス

 こんにちは。

(株)あいすくむりの加勢です。

今日のお話は、タイトルにもありますように

『間違った「個性」で廃業してしまった飲食店』について述べたいと思います。

まず、飲食店経営のためのノウハウ本や、ネットでの記事などを読むと

「自分のお店の個性(専門性)をしっかり打ち出さなければいけない。」

「個性(専門性)がなければ、たくさんの商品を扱う大手チェーン店に負けてしまう。」

などと、書かれています。

実際、僕自身もそのように思います。

個性(専門性)に関しては「ない」よりは「ある」方が絶対的に良いと思います。

しかし、

「自社の個性(専門性)に特化すべき。」

というのは、すごくよく理解できるのですが、これはあくまでも考慮すべき項目の1つであって、中途半端にこの事に囚われてしまうと、逆に失敗をしてしまう可能性が高まってしまう・・・と僕は過去の経験から思うのです。

 

ちなみに・・・

人口が多い地域では、当然ライバル店が多く存在し、数あるお店の中からお客様は自分の好みのお店を選びます。

味・価格・雰囲気・接客・立地・外装やインテリア・・・・

単に空腹を満たすための食事であれば、近くて安いお店に行くと思います。

しかし「空腹を満たす」という目的のためだけに、飲食店があるわけではありません。

素敵な異性とのデートであったり、ゆっくりと仕事の打ち合わせをしたり、家族と過ごしたり、共通の趣味を持つ者同士が集まるお店・・・なんてものもあって然るべきだと思います。

そのときそのときのニーズに合ったお店をお客様は選びます。

その際に、お客様から選ばれるお店になるためには、お客様のニーズに沿った「お店の個性」を打ち出す必要があるのです。

 

さて・・・

ここで少し話は変わりますが、僭越ながら僕の失敗談を1つお話させて頂きたいと思います。

僕の地元、新潟県長岡市(旧わしま村)では、飲食店・・・と言えば、3~4軒の定食屋さんと、1軒の道の駅があり、どのお店も ラーメン・そば・うどん・定食 などのメニューを揃える店舗になっています。

そんな中、僕は2017年4月に地元で「もつ煮込み」と「もつ煮込み定食」しか販売しないお店を開業しました。

 

 

 

地元産の良質な豚モツを使用し、隠し味に「ガンジー牛乳」を加えました。

ちなみに「ガンジー牛乳」は、日本で約200頭ほどしか飼育されていない乳用種「ガンジー牛」から搾った牛乳で、濃厚でありながらさっぱりとした味と、高い栄養価が特徴の牛乳になります。

製造方法にもこだわり、しょうがを入れてしっかりと茹でこぼしをすることで、モツの独特の臭みと脂を落とし、モツが苦手な人でも食べれるようにしました。

また、茹でこぼしした際に逃げてしまう旨味を、ガンジー牛乳で補う・・・という製法を用いており、食に精通する多くの玄人の方々からもご好評を頂いておりましたし、

「もつ煮込みしか売らない」

ということで、ご注文を頂いてからすぐにご提供出来る上に、席をカウンターのみにしたので1人オペレーションで対応が可能になりました。

少ない経費で運営できる仕組みを作り上げた結果、特盛のもつ煮込み定食を頼んでも 800円台 という破格の値段で食べれるお店をつくりました。

しかし、こんなに個性の強い商品を売る店舗ですが、残念ながら2018年9月に閉店をさせて頂きました。

1年半での撤退。

お恥ずかしながら、完全に失敗してしまったのです。

なぜ失敗したのか?

様々な要因がありますが、ぎゅぎゅぎゅーっとまとめると、全ては

「お客様のニーズを読み間違えてしまったこと」

にあると思っています。

 

まず、痛切に感じたことは

人口の絶対数が少ない地域で飲食店を行う場合は、子供からおじいちゃん おばあちゃんまで、どの年代の人でも足を運べる店舗にしなければ、来客数が伸びず、収支のバランスが保てない・・・

というものです。

僕が失敗してしまったお店ではカウンター席しかないので、お子さんを連れたお客様は入ってきませんし、仮に入ってきたとしても、小上がりが無いことを確認すると、注文はせずすぐに去っていきます。

そして「もつ煮込み」しか売っていないので、もつ煮込みが嫌いな方はまずお店には入ってきませんし、グループでいた場合でも、その中に一人でも「もつ煮込み」が嫌いな人がいたら来店はしてはくれません。

もともと地元にあった周囲のお店も「もつ煮込み」をメニューの1つとしてご提供している店舗があり、「もつ煮」を食べたいのであれば、その他のメニューも揃えている既存のお店に行ってしまうのです。

ちなみに、僕が失敗をしてしまったこのお店の主たるお客様は「働く男性」になり、だいたい1人~4人程度のグループでご来店される方が多かったように感じますが、カウンター10席のみの店舗だったので、4人連れのお客様が2組来るだけでお店はパンパン。

当然、若い女性は入りにくくなりますし、団体のお客様も入れません。

もっぱら「働く男性」のお客様しかいない店舗になってしまったのですが、残念ながらお店をオープンした場所は人口密度の少ない田舎です。

多くの働く男性は、日中働く場所がある街中や工業団地に行っています。 

そのため、メインとなるお客様がほとんど周囲にいない地域でお店の運営をすることになってしまい、残念ながらオープン早々撤退という、とても恥ずかしい結果になってしまったのです。

 

このような経験から、個性は出せば良いというものでなく、出店する場所で生活をする「お客様のニーズ」を読み取り、そのニーズに合わせて柔軟に「個性」を変えていくか、自身の持つ個性を求めるお客様が多くいる地域に出店をしなければいけない・・・

という教訓を得たのでした。

 

ただ、一応申し上げておくと

 

お店の運営には失敗しましたが、こだわりのもつ煮込みをパウチにした商品は、近所の直売所や道の駅で販売をしており、一応、突っ込んだ資金の回収はきちんとできていますので、そこらへんは抜け目なくやっております('◇')ゞ

 

 何かの参考にしていただければ幸いです。

 

(株)あいすくむり → http://aisukumuri.com/

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