こんにちは!
(株)あいすくむりの加勢です。
「農家さんからB品の農産物を買ってジェラートを作りたい」
「頑張る農家さんのためになるし、フードロスの解決にもつながるはず」
――そんな素晴らしい理念を掲げて、ジェラート店を始める方がたくさんいます。
実際、それはとても意義のあるチャレンジです。
ですが現実には、うまくいかないケースも少なくありません。
もちろん、成功している方もいますが、多くの場合、思い描いた通りには進んでいないというのが実情です。
なぜか?
主な理由は2つあります。
1つは、「B品の農産物とはいえ、実は意外と安くない」ということ。
もう1つは、「農家さんとの密な関係づくりには時間と労力が必要で、製造や店舗運営と両立するのが難しい」ということです。
実は私自身も、この理念を掲げてジェラート店を立ち上げ、そして失敗した経験があります…(´-ω-`)
順を追ってご説明します。
まず、B品野菜が“安くない”理由。それは 移動コスト です。
まとまった量が手に入るときもありますが、タイミングによっては少量しかないときもあり、そのたびに農家さんのもとへ足を運ばなくてはなりません。
時間もガソリンも使い、非常に効率が悪い。
これが「B品でも高くつく」と言われるゆえんです。
次にコミュニケーションの問題。
人と話すのが好きな方にとっては、農家さんとの交流はやりがいにもなりますが、最近ではSNSやメール中心の時代。
「対面でのやり取りが苦手」という職人さんや農家さんも増えてきている印象です。
しかも、農家さん側からしても「悪くはないけど、正直ちょっと面倒…」と思っている人が多いのも事実です。
仕入れる側はまだしも、提供する側が「面倒だな」と感じてしまえば、継続的な関係は築けません。
ここで大事なのが、「B品は安く買える」という思い込みを捨てること。
むしろ「少量でも、ちゃんとお金を払って買わせていただく」くらいの意識が必要です。
今の時代、農業経営で運営できている農家さんは経営者としても非常に優秀です。
B品といえど、すでに“加工用”として他企業と取引していることも多く、本当に捨てるレベルの農産物は、品質的にジェラートには使えないケースがほとんどです。
つまり、「少量しか買わないのに、値下げ交渉してくる上から目線の人」に提供する必要は、農家さんにはないのです。
ここで重要になってくるのが 人間関係 。
でも、製造・接客・農家との交渉を、すべてオーナー一人でやるのは、どう考えても無理があります。
だからこそ、チーム で取り組むことが必要なのです。
とはいえ、最初からチームを組んでスタートするには、当然ながら 予算 の問題が出てきます。
もし、「農家さんからB品を買ってジェラートを作りたい」という思いが強いなら、まずは家賃のかからない場所で、営業日数や営業時間を絞ってお店をスタートするのがおすすめです。
「まずは小さく始めて、理想に近づけていく」
この順番を間違えなければ、きっとあなたの想いも形になっていくはずです。