『代替医療のトリック』という本を読んでみました。
この本の内容は代替医療をEBMの考えに沿って検証しているもので
「第Ⅱ章 鍼の真実」では鍼治療について検証がなされています。
まあ何というか、あのような検証方法ならば結果としては
「そんなものなんだろうなあ」というのが率直な意見です。
一口に鍼治療と言っても、治療方法だったり流派だったり考え方だったり様々だし
また、鍼治療は鍼灸師個人の技量が大きく治療結果に影響を与えるので
あの検証方法だけで「鍼治療はプラセボ効果だ」と言われても
「ん・・・・」って感じです。
確かにその時は思わなくてもあとで思い返してみると
「あれはプラセボ効果?だったのかなあ」と思えるような場合もあるので
全面的に否定!ということではありませんが
日々治療をしているとプラセボ効果だけでは片付けられないことばかりなので
わたくしと著者との意見の完全一致はみられないようです。
医療に「EBM」
とても大事なことだと思います。
ただ今の段階では鍼灸とEBMとは折り合わないところが多い。
個人的には鍼灸においては
あまりEBMを求めなくても良いのではないかと日頃から思ってはいるのですが
一方では将来的にはしっかりとした根拠に基づいた鍼灸を
確立していかなければいけない部分もあるのかなあとも思っています。
鍼灸についてそれぞれの関わり方や立場によって異なる意見があるのは当たり前のことで
研究者でも科学者でも鍼灸のことについて研究、検証しどんな結果がもたらされようとも
鍼灸のことを語ってくれることは鍼灸の発展に大いに役に立つのではないかと思います。
灸やマッサージ、指圧等鍼治療と同じもののように述べられていたり色々とつっこみ所は満載ですが
『代替医療のトリック』興味のある方は一読を。
そして、鍼灸に興味があるという方は是非、鍼灸院を訪ねてみてください。
では今回はこの辺で・・