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趣味としての殺人 日本推理評論集・実技編

2014年08月18日 | ミステリ
日本推理評論集・実技編、という副題が。
こんな本が出ていたんですね、知りませんでした(版元は蝸牛社)。
初版が1980年なので、内容については古びてしまっているのは仕方が無いですが、
坂口安吾の「刺青殺人事件を評す」は、いま読んでも楽しいですね(青空文庫で読めます)。
「カーを読んでいったい、江戸川君は、
なんだって、こんなツジツマの合わない非論理的な頭脳をほめるのか、呆れたものだ」
「『古墳殺人事件』、こんなものを人に読ませるなんて、罪悪、犯罪ですよ」
(「刺青殺人事件を評す」より)
安吾先生、面白すぎです。
青空文庫で安吾先生のミステリ論がけっこう読めますので、ご興味のあるかたはどうぞ。
「佐野洋・都筑道夫論争」も収録されていますが、
最後に編者の権田萬治による「名探偵はどこに行ったか?」で
「二人の推理小説の好みの違い」と総括されてしまっているので、
「論争」と言われているにしては尻すぼみでした。
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