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黒死館殺人事件

2017年10月02日 | ミステリ
「黒死館殺人事件」を初めて読んだのは、河出書房の探偵小説名作全集7巻「小栗虫太郎集」で。
探偵小説を読み始めたころ、母親の本棚から見つけだしてきたもの。
文学少女だった母親は探偵小説も好きだったらしく、
「獄門島」「八つ墓村」「青蛙堂鬼談」もそこから探して読みました。
だから、なにも知らないままに読みはじめたのですが、なんのことやらさっぱり理解できず、
それでも犯人知りたさに最後まで読み通したことを思い出します。

いま思えば、「Yの悲劇」が斯界に与えた影響の大きさを感じます。
横溝正史なんて「Yの悲劇」のヴァリエーションを何作も書いている、と思えるほどです。
クイーンが当時の優生学を取り込んで書いたのが「Yの悲劇」と見るならば、
小栗虫太郎はさらに発展させ(フィクションとはいえ)人間を実験体として
「殺人衝動」の解明を探偵小説として書いた、というようにも思えます。
「人殺し」は氏か育ちか、という疑問。
小栗の答は犯人の正体にあります。
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