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探偵術マニュアル

2011年12月14日 | ミステリ
表紙や紹介文から想像されるほど幻想小説風ではないですね。
幻想+ハードボイルド風味のミステリ。

一見バラバラな事件が、いちおう最後に辻褄が合ってくるところが快感ですが、
そのあたりのカタルシスの弱さが惜しい。
読後感のさわやかさでカバーしているかな。

本格ミステリ的な論理性、というより
プロット的にジグソーパズルのコマがはまり合う、という感じです。
出来は標準作よりちょいとポイント高いし、
標準作より少し上の作品を書き続けるのが難しいとは思うのですが、
著者はぜひ書き続けてほしいです。

出版社の売り方として、幻想小説寄りのスタンスより、
本格ミステリ寄りのほうがいいのでは?
こんな惹句はどうでしょうか。

カリガリサーカスと探偵社の戦いが再びはじまる!
雨の降り続くどこともしれぬ都市で、
催眠術を駆使する魔人カリガリと、探偵社の敏腕探偵シヴァートが
戦いの火花を散らす。
しかし頼みのシヴァートは行方不明に。
かれの行方を追う小心者の記録担当者アンウィンにも魔の手がせまる。
眠り病の助手を従えたアンウィンはシヴァートを見つけられるのか。
カリガリサーカスとの戦いの行方は?
本格幻想ミステリの新鋭!



■探偵術マニュアル ジェデダイア・ベリー 創元推理文庫

読んでいるあいだに連想した曲

John Lennon #9 Dream



Cheap Trick Dream Police



Frank Zappa Who Are The Brain Police


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