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三本の緑の小壜

2011年12月26日 | ミステリ
今回はミスディレクションがちょっと弱め。
著者の筆は13歳の女の子たちを描くほうに力が入っているせいか、
初盤にプロットが割れてしまうところが難でしょうか。
でも、キャラクター造形に不自然さが少ないので、
人間ドラマとしてすすむストーリーが飽きさせないです。
プロットは、クイーンの有名作品や横溝正史の有名作品を思い出させます。

この作品は1972年の作品なんですね。ほー、意外に新しい。
1972年に13歳というと、まるっきり私たちです。
1972年というとビートルズはすでに解散してポップカルチャー、サブカルチャーが当たり前の時代でしょうが、
この作品にはそのあたりの影はまったく見られません。
だから今でも読めるのでしょうね。

ちなみに小峰元の代表作「アルキメデスは手を汚さない」が1973年で、
ディヴァインと小峰元はほぼ同世代。
日英の両国で50代のオジサン作家が10代の子どもたちを描くことに挑戦したということになります。

■三本の緑の小壜 D・M・ディヴァイン 創元推理文庫
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