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シャーロック・ホームズの栄冠

2007年09月23日 | ミステリ
埋もれたホームズパロディ、パスティーシュを並べてみた、といったところですか。ホームズマニアの面目躍如ですが、埋もれてしまうには埋もれるだけの理由があると思うのです。
中でどれかを推すとしたら「ホームズ対007」(ドナルド・スタンリー)「小惑星の力学」(ロバート・ブロック)あたり。
「ホームズ対007」はボンドの上司Mが実はモリアーティ、ワトスンが実はブロフェルド(ではないか?というボンドのあてずっぽう)という話が笑えます。また、上司を失ったボンドは途方に暮れるだけのボンクラというのもいいですね。
「小惑星の力学」はライヘンバッハの滝から落ちても生き延びたモリアーティがドイツとアメリカのロケット科学に人知れずに貢献したという設定で、100歳の長寿を得て改心したと言いつつ、臨終にはホームズへの罵詈雑言を言いたくる教授のダークサイドが胸をうちまうす(笑)。ブロックはうまい。
【シャーロック・ホームズの栄冠 北原尚彦編訳 論創社】
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