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チラシの裏

霧の彼方へMr.MOTO

2007年09月21日 | ミステリ
多羅尾伴内楽団の「vol.1」と「vol.2」がめでたくCD化されました。以前に出たナイアガラBOXでは一部しかCD化されていなかったので、オリジナルがCD化(しかも2in1)されて、何十年ぶりに聞きとおすことができました。

いい。

もしかしたら「ナイアガラムーン」以降「イーチタイム」までのオリジナルアルバムの中で一番好きかも。とくに「vol.1 哀愁サウンド編」はレコードを何回聴いたことか。

音楽的なネタについては雑誌などで取り巻きの方たちが言い尽くしていますので、小説的なトリビアネタをひとつ。

「vol.1 哀愁サウンド編」の1曲目、「霧の彼方へ」はアメリカのギターインストグループ「ベルエアーズ」が放ったヒットだそうですが、オリジナルタイトルは「Mr.MOTO」といいます。

以下は私的な推測ですが、「Mr.MOTO」は同じくアメリカの作家J・P・マーカンドが戦前に発表したミステリ(冒険小説)の主人公の「ミスター・モト」のことのようです。この小説は戦前に映画化もされて、けっこうヒットしたそうです
おそらくその映画からインスパイアされて作られた曲なのではないでしょうか。
この小説はアメリカ人作家が書いているのに、微妙にねじれた設定なのです。まず主人公の探偵(スパイのほうに近いかも)はミカドの密偵で沈着冷静、小柄な体に秘めているのは明晰な頭脳と格闘技の奥義です。戦う相手はアメリカではなく、なんとソ連(戦前の)です。

反共のアメリカ人作家が、日本に向かって戦う相手はソ連の方だと言っているように思えるのですが。

映画もおそらく日本人のスーパーエージェントとして描かれていたはずですから、作曲家も日本人をイメージしたメロディとして作ったに違いないと思います。
そう思って聞くと、なにやら富士山とか芸者ガールとか目に浮かびませんか?
残念ながらわたしはどうにもモンゴルとかの大陸を連想しちゃうんですがね。
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2 コメント

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Unknown (いのうえ)
2007-09-22 00:15:28
こんばんは。

勉強になりますです。
「霧の彼方へ」は個人的には“ 荒野 ”って感じです。
ひょっとして当時のアメリカの人って、日本をだだっ広い所とか思ってたんでしょうかねえ。
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Unknown (furukawa)
2007-09-22 00:20:25
こんばんは。
こんなところまでお出でいただき恐縮です。

たぶん日本なんて中国大陸のどっかにあるなんて思われていたのかもしれませんね。
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