日本のフォーク・ロック史の中で、70年代をつづれ織った「山平和彦」という縦糸を抜き出してみた、という1冊。
ご本人が亡くなっているので、関係者の証言だけで構成するというのは、
犯人は分かったけれど動機不明で終る探偵小説のようなもの、
と言うとこれだけ楽しめたのに著者には申し訳ない気もする。
山平和彦の評価としては、
「時代が違えば、画家にもなってしたかもしれない真性のアーティスト」
という意見もあれば、
「中途半端、ピュアにも計算ずくにも突き抜けられなかった」
という意見もあり、絶対的な評価が定まっていない。
著者本人も「音楽的な興味はない」と言う立場から、
サブカルチャー史の補填的作業に徹するかと思えば、
最後のほうには山平和彦側に立って話をすすめている。
しかし、それは山平和彦の音楽的立地を再確立させようということではなく、
山平和彦を知ってしまった中学生の頃の「わだかまり」をここで総括することが
著者の目的だったからだろう。
なので、この本は山平和彦を知らない人たちへの啓蒙書ではなく、
かつて山平和彦を知っていた人たちへの報告書、と思ったほうが胸におちる。
■放送禁止歌手 山平和彦の生涯 和久井光司著 河出書房新社
ご本人が亡くなっているので、関係者の証言だけで構成するというのは、
犯人は分かったけれど動機不明で終る探偵小説のようなもの、
と言うとこれだけ楽しめたのに著者には申し訳ない気もする。
山平和彦の評価としては、
「時代が違えば、画家にもなってしたかもしれない真性のアーティスト」
という意見もあれば、
「中途半端、ピュアにも計算ずくにも突き抜けられなかった」
という意見もあり、絶対的な評価が定まっていない。
著者本人も「音楽的な興味はない」と言う立場から、
サブカルチャー史の補填的作業に徹するかと思えば、
最後のほうには山平和彦側に立って話をすすめている。
しかし、それは山平和彦の音楽的立地を再確立させようということではなく、
山平和彦を知ってしまった中学生の頃の「わだかまり」をここで総括することが
著者の目的だったからだろう。
なので、この本は山平和彦を知らない人たちへの啓蒙書ではなく、
かつて山平和彦を知っていた人たちへの報告書、と思ったほうが胸におちる。
■放送禁止歌手 山平和彦の生涯 和久井光司著 河出書房新社
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます