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チラシの裏

我楽多書房で「夜は千の目を持つ」

2015年03月02日 | others
いささか旧聞に属しますが、
岐阜市にあった「我楽多書房」という古書店が2014年12月21日に店を閉じました。
知り合いから聞かされたのが、閉店した後だったので、
別れの一冊を買うことができず残念なことでした。

思いかえせば、横溝正史とディクスン・カー全作品踏破を目指していた中高校生のころ、
よく通わせてもらいました。

じつは通ったばかりであまり本を買わなかったのは、
店のたたずまいが付近の古本屋の中では随一のサブカル臭をただよわせていたからで、
シラケ世代と言われた自分には、
前世代のトンデモさ(すみません)を実体験できる場所だったからかもしれません。

旧店舗は2階にあって閉店したプラモ屋(おもちゃ屋?)横の狭い階段をのぼることになります。
途中、天井から下がる鎖に驚いちゃいけません。
転ばぬさきの鎖、という店主のイキなはからいですから。
階段には「狭く険しいインテリへの階段」など、
その頃でも焼き鳥屋ぐらいでしか聞けないようなオッサンギャグが麗々しく書いてあったりします。

店内はわりと黒い本が主だったようで、
柔らかい本が目当てのこちらには縁遠い店ではあったのですが、
「なにかあるような気がする」というフェロモンが漂ってきて、
買わない(買えない)にしろひととおり店内を眺めていたものでした。

たぶんアイリッシュの世界推理小説全集版「夜は千の目を持つ」を買ったのが一番の思い出かも。
去年に、福永武彦全集版の加田伶太郎全集を買ったのが最後でした。
新潮文庫でもっていますが、元版も買っておこうかな、と。

※「夜は千の目を持つ」を見たら、当時は多治見市にも我楽多書房の支店があったようです。


ポップスファンには「The Night Has A Thousand Eyes 」といえばボビー・ヴィーですが、
アイリッシュの「夜は千の目を持つ」が映画化されたときの音楽は
ジョン・コルトレーンの演奏(作曲Jerry Brainin)の 「The Night Has A Thousand Eyes」だったそうです。
いま初めて知りました。

The Night Has A Thousand Eyes John Coltrane


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