Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●『創(2010年11月号)』読了

2010年11月28日 00時26分33秒 | Weblog

『創』(2010年11月号)、11月に読了。

 
カラーグラビア「今年も行われた太地町のイルカ漁/映画「ザ・コーヴ」騒動は何を残したか」(p.22-23)。

 
中島岳志さん「被告人が語った動機の背景にあるもの/秋葉原事件・加藤被告の〝脱神話化〟の重要性」(pp.36-49)。最早忘れ去られている事件に・・・。かなり考えさせられる論文。当初バカ騒ぎしたものの、「派遣問題に還元するのは無理がある」。「つなぎ事件の直後に聞いたロックの歌詞」はかなりショック。「・・・バンプオブチキンの「ギルド」という曲の歌詞を書き込みしているのです。/それは「美しくなんかなくて、優しくもできなくて、それでも呼吸が続くことは許されるだろうか」「その場しのぎで笑って、鏡の前で泣いて、当たり前だろ 隠してるから気づかれないんだよ」という歌詞だった」。いや~、始終聞いているだけに・・・。「歌の始まりは、自分が相応の給料というものをはたしてもらっているんだろうかというような歌詞で、まさに労働と疎外の問題をテーマとして歌ったものですが、この歌の歌詞が、最後のところで、彼にメッセージが届きそうになったのです」。「「シングルイシュー」に原因を還元するのはやはり避けるべきですし、「あってほしい犯人像」を加藤に押しつけることは問題だと思います」。

 
篠田博之編集長「一体何故・・・再び〝地獄〟へ舞い戻ってしまうのか/田代まさしさん再び薬物逮捕の驚愕」(pp.50-56)。

 
佐高信さん「ニッポン文化低国を撃つ!/筆刀両断!/節操のない政治家 蓮舫」(pp.72-73)。石原慎太郎との共通点は、小沢一郎に批判的なことと外国人地方参政権に反対なこと。節操のなさは田原総一朗氏譲りらしい。「蓮舫が支持する菅は郵政民営化に賛成だった。それで私は菅を〝愛嬌のない小泉純一郎〟と名づけれいるのだが、いわゆる新自由主義の小泉・竹中(平蔵)「改革」のチョーチン持ちをしていたのが田原だった」。

 
香山リカさん「「こころの時代」解体新書/取調べ可視化でも虚偽自体は防げない」(pp.78-81)。村木厚子さん無罪判決。認知症患者のつめ切り出血でっち上げ事件について、福岡高裁は逆転無罪の控訴審判決。

 
森達也さん「極私的メディア論/第55回 上書きされた刑場公開」(pp.82-85)。二人の死刑執行を命じた千葉景子法務大臣が刑場を開示。しかしながら、「・・・きわめて多くの制約や限定の上・・・」。「そもそも法務省はつい十数年前まで、執行したことすら公開しなった。死刑の存在理由を犯罪抑止にするのなら、あきれるほどの論理矛盾だ」。「・・・処刑した死刑囚の名前を明かすように・・・。これも鳩山邦夫法相(当時)の(唯一の)英断だった)」。「情報を公開してもらうのではない。公開することが当たり前なのだ」。

 
「アフガン拘束事件の常岡さんと語る/ハイリスク・ローリターンの戦場取材になぜ挑むのか/座談会 常岡浩介・原田浩司・綿井健陽」(pp.90-101)。

 
今西憲之氏「検察内部腐敗の実態/証拠改ざん! 暴かれた検察庁の内部腐敗」(pp.102-111)。村木事件は、「宣告前から「無罪」が決まりきった、検察史上、類を見ないような判決公判。・・・いかにインチキでとんでもないものだったのか・・・」。全員が破棄した「取り調べメモ」。三井環口封じ逮捕と大阪検察。

 
佐藤潤一氏・鈴木徹氏「「グリンピース裁判」が提起したものは何か/「クジラ肉裁判」敗訴 地裁判決の問題点」

 「永六輔[放送タレント]×矢崎泰久[元『話の特集』編集長]のぢぢ放談/第16回 リーダーなんて知らない!」(pp.130-137)。
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●『創(2010年2月号)』読了(2/3)

2010年03月28日 07時44分02秒 | Weblog

『創』(2010年2月号)】

 香山リカさん「「こころの時代」解体新書/09年カツマー論争を振り返る」(pp.100-103)。「これは、市場原理主義と呼ばれる考え方が、経済の領域を超えて社会の津々浦々にまで行きわたったここ10年、15年のあいだ、ずっと抱いていた違和感にも通じる感覚だ」。「・・・「またいつもの新自由主義批判かよ」と揶揄されそうだが、確かに私は、この市場原理主義に基づく資本主義経済体制にどうしてもなじむことができないのだった。/そんなわけで、私としては小さな声で「〈勝間和代〉を目指さない」という章をおり込んだ新書を出した」。「・・・勝間氏もその流れの中から出てきた新自由主義的なシステムや価値観全体なので、・・・。・・・/・・・「人生をムダにすごしたっていいじゃない」「成功しなくてけっこう」という主義主張・・・」。

 森達也さん「極私的メディア論/第49回 適切な対応・適正な予算」(pp.104-107)。「・・・こういうことをしているから、テレビはダメなのだ」。「東京都議会一般質問で、東京都が電通に制作を依頼した約10分間のPR映像の製作費が、約5億円であることが明らかになった。・・・/・・・オリンピックを、東京都に招致するためのプロモーションビデオだ。・・・/・・・石原慎太郎都知事は・・・「言われてみれば高い。どうして高くなったのかただしたい」と述べている」。全く白々しいもんだ。「5億円の製作費は、招致活動費150億円(都税100億円、民間資金50億円)から支払われる。・・・/・・・総額150億円の招致活動費について石原都知事は、「東京の財政は痛くもかゆくもない」と発言した。このときは朝日新聞の投書欄に、「痛いのはこっちだ」との都民からの投書が掲載されて、その正しい日本語感覚と論理に深く共鳴した」。心ある都民の方々、決してこんな候補者には投票しなかったであろう都民の皆さんには、同情する。「10分間の映像で5億円は、まずはバカバカしくなるくらいに破格で論外でありえない金額である・・・。・・・今どきちょっとありえない。どこの世界の話なのだろうかという感覚だ」。「・・・もしも僕や・・・安岡卓治に・・・依頼してきたら、5億ではなくて500万円で製作できる。高価なCGや海外ロケは必要ない。創意工夫で制作する。満足してもらえる自信もある」。「・・・事業仕分けに反発する科学者の主な声明が・・・。/でもやっぱり「ある程度」だ。科学者からこれほどに臆面もなく、国家や国益などと発言されると、何となく萎えてしまう。/・・・だから日本の科学者たちの本音は、別にあると思いたい。内心は、「国家や国益、国境などどうでもいい。私はただ、万物の真理を知りたいだけだ」と思っていてほしい」。

 篠田博之編集長「「死刑になりたい」被告に出された死刑判決/土浦無差別殺傷事件 金川真大被告からの手紙」(pp.120-127)。「・・・周囲とのコミュニケーションをとる学習が十分でなかったこと。・・・家族全体の関係が希薄だったこと。・・・ほとんどの人間関係は遮断されたまま・・・」。
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●『創(2009年12月号)』読了(1/2)

2009年12月08日 07時48分49秒 | Weblog

』(2009年12月号)、12月に読了。

 篠田博之編集長「実名本出版差し止めをめぐる論争 光市事件実名本をめぐり問われたことはなにか」(pp.26-27)。
 
増田美智子氏・寺澤有さん「実名本出版差し止めをめぐる論争 元少年の実像を描くため実名を揚げた本を出した」(pp.28-34)。尊敬する寺澤さんだったのに、この件に関してはやはり失望だし、ショック。理解に苦しむ。
 
浅野健一さん「実名本出版差し止めをめぐる論争 少年を顕名にして何になる――光市事件実名本出版の陥穽」(pp.36-41)。匿名報道の第一人者であり、本件についてもやはり寺澤さんよりも説得力を感じる。
 綿井健陽さん「実名本出版差し止めをめぐる論争 取材者と取材対象者との関係性とは?」(pp.42-47)。この事件に深くかかわる綿井さんだからこそ、やはり説得力を感じるし、寺澤さんの行動をますます理解できなくなる。非常に残念。「報道やジャーナリズムに携わる者が、言論・報道の自由という言葉を抵抗手段として公に訴える場合は、それは対国家、対公権力に向けて使うべきだと私は考えている。/たとえばNHKの「ETV番組改編問題」のときの安倍晋三や故・中川昭一ら国会議員(当時)の対応、古くは毎日新聞西山太吉記者(当時)の沖縄返還密約記事での逮捕・有罪、最近では映画『靖国』上映中止問題のときに国会議員らが試写要求と文化庁に口出しや取材対象者に接触する行為など、これらは「言論・報道の自由」の問題として、それこそ良い意味での〝メディア・スクラム〟でもって対応すべき出来事だった。/それらと比べれば、今回の本が・・・」。

 鈴木邦男さんの「明治精神と全共闘」(pp.72-75)。「・・・引き受け手のない公安事件や冤罪事件に取り組む弁護士は皆、全共闘世代だ。・・・また安田好弘弁護士オウム、光市事件など、人のやらない弁護を引き受けている」。

 香山リカさんの「「こころの時代」解体新書/加藤和彦氏と「激越型うつ病」」(pp.76-79)。ザ・フォーク・クルセイダース、サディスティック・ミカバンド。

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●『創(2009年11月号)』読了

2009年12月06日 14時07分28秒 | Weblog

『創』(2009年11月号)、11月に読了。

 対談「蓮池透×鈴木邦男 拉致問題をタブーのままにしていいのか!」(pp.40-49)。

 佐高さんの「筆頭両断!/「公明党を支配するドン」池田大作」(pp.60-61)。

 
鈴木邦男さんの「言論の覚悟」(pp.62-65)。大杉栄、竹中労。

 
香山リカさんの「「こころの時代」解体新書/なぜ〈右傾化〉は回避されたのか」(pp.66-69)。「つまり、すべてはこの3年以内に起きたことだ。安倍氏の登場、国民投票法案の成立、そして田母神旋風が巻き起こる中、誰が「来年にはすべてがひっくり返っているだろう」などと予測しえただろうか」。

 
森達也さん「極私的メディア論 第47回/目玉オヤジの叫び」(pp.70-73)。「ならば言う。当たり前だ。僕は非当事者だ」。
 「この事件の真相については、主任弁護人である安田好弘からも、以前に聞いたことがある。大谷と安田の情報は同じではない。でもカレー鍋にヒ素を入れた犯人が林真須美さんではないということは共通している」。「・・・無罪推定原則は、まずは検察側の犯罪立証を要求している。被告人の犯罪事実を検察側が明確に立証できないならばその段階で・・・被告人は無罪と推定されなければならないのだ。/でも今のこの国の刑事司法には、そんな精神はもう残滓すらない」。「世界的なこの厳罰化の流れに逆行する国の代表が北欧だ。・・・現在はとても良好な治安を実現している」。「8月中旬にはNHK-BSの番組「未来への提言」のロケで、ノルウエーにしばらく滞在した」。

 
清水潔氏(日本テレビ社会部記者)「もうひとつの足利事件報道/「追跡・足利事件」――2年に及んだ調査報道」(pp.102-112)。「被害者の母親からの菅家さん釈放の情報」。被害者のお母さんは「・・・もし菅家さんが無罪であるなら、早く軌道修正をして欲しい。捜査が間違っていたんであれば、ちゃんと謝るべきです。(捜査は)だれが考えたっておかしいでしょう。ごめんなさいが言えなくてどうするの・・・」。

 
対談「安田好弘×青木理 民主党政権下で死刑問題はどうなるのか!?」(pp.112-125)。青木さんの新刊『絞首刑』(講談社)。
 
「飯塚事件で死刑執行した法務省の劣化」について、「1992年に福岡で起きた飯塚事件のケースもそうです。2人の女児を殺害したとされた久間三千年(くまみちとし)死刑囚は」無罪を主張し続けたが、足利事件と全く同じDNA型鑑定による極めて杜撰な鑑定にも関わらず、昨年、死刑が執行。「もし冤罪だったとするなら、無辜の人間を処刑してしまったことになる。恐るべきことですが、その可能性は十分にある」。

 
永六輔[放送タレント]×矢崎泰久[元『話の特集』編集長]ぢぢ放談/第6回 民主党なんていらない」(p.126-133)。政治家は「言葉を学ぶ」が重要なテーマ。政治家向け「ごんべん漢字・熟語」。

 
雨宮処凛さん「ドキュメント雨宮革命/第23回 私の会った「大臣」たち」(pp.138-141)。亀井静香氏、福島みずほ氏。
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●『創(2009年6月号)』(1/2)

2009年07月21日 07時33分04秒 | Weblog

『創』(2009年6月号)、6月に読了。

 マッド・アマノさん「風刺天国 No.30」。〝完全無所属〟で見事当選した森田健作千葉県知事について、「元気モリモリタ 偽装無所属 自民党支部代表とは無関係?」(p.1)。

 魚住昭さん、「問題山積! されど大事な雑誌ジャーナリズム」(pp.46-51)。リード部は、「『月刊現代』休刊、『週刊新潮虚報など様々な問題が噴出する雑誌ジャーナリズムだが、検察批判などで新聞にはない役割を果たしてもいる。雑誌ジャーナリズムの意義を改めて考えてみたい」。「赤報隊虚報、『僕パパ』・・・編集者は基本的な作法を」。「編集部は、そういうのをおかしいと思わないのでしょうか。・・・基本的な裏取りが出来ていませんね。・・・/さらに驚いたのは、「こうして騙された」という検証記事の見出しです。「騙されたはないだろうと思うけれど。騙されることのすごく多い世界なんだから、引っかからないようにするのがプロの仕事。それをあたかも新潮社が被害者であるかのように書いている。/そしてまた驚いたのは、「疑惑の段階でも報道するのが週刊誌の役割だ」なんていうね。あれは・・・週刊誌文化の誤りだと思います。/僭越な言い方ですが、ものを書くときには、必ず書かれる側の人がいる。書かれた人は、誤った報道をされたら人生がメチャクチャになる恐れが十分にあるのです。疑惑の段階で報道するのが出版社の役割だ、なんてことは言ってはいけない。・・・やはり負けが多すぎます。少なくとも引き分けぐらいまで持っていけるような、あるいは負けるにしても完敗はしないような取材をして書くべきだろうと思います」。『僕パパ』事件ついても、「著者の草薙厚子さんはほとんど素人だから、・・・少なくとも編集者は、あんなに大量に調書を引用したら犯人探しが始まる、犯人探しが始まったらすぐ特定されるということに気付くべきですよ。・・・『週刊新潮』の場合も『僕パパ』の場合も、編集者の基本的な作法の欠落を見せつけられましたよね」。「小沢一郎秘書逮捕は検察の暴走」。「・・・それほど今度の捜査はひどかったということ・・・」。「検察が流す情報に従って記事を書いていくという、このシステムは変わるわけがありません。三井環さんの事件のときなど、本当にひどかったですよ。あんなに明々白々な口封じ逮捕を、きちんと批判できなかった」。

 元木昌彦さん、「『週刊新潮』虚報事件と週刊誌の弱体化」(pp.52-55)。「・・・編集部としては前代未聞のみっともないこと・・・」。「・・・という見出しではなく「島村と共謀してこうして読者を騙した」にしなくてはいけない」。いつものこの会社の体質だが、「取材が浅いなどという程度の問題ではなく、初めに「何が何でもこの記事をやる」というのがあったように思う」。「・・・この件に関しては何を言われてもしょうがない。この場合、あまりにも杜撰過ぎる・・・。/・・・部数を落としているところに、信頼性まで落とすような大きなミスを犯してしまった」。信頼性がそもそもこの雑誌にあったのであれば。だから、権力につけ込まれる。一連の相撲の八百長疑惑についての『週刊現代』の記事について、「私から言わせれば、あれはずさんな取材ではない。記者は相当取材している。・・・/・・・あまりにも一方的に、『週刊現代』に対してあのような判決を出すのは、いくらなんでもおかしいと思う。/・・・裁判員制度をにらんで雑誌に対して厳罰を課すという流れがあるような気がする。・・・/裁判員制度に批判的な論陣を張る雑誌ジャーナリズムに、司法の集中的攻撃がなされているような状態だ」。だから、言わんこちゃない!

 江川昭子さん、「保守系『諸君!』にも及んだ雑誌休刊ラッシュ」(pp.56-60)。「編集部員の数を減らせば、雑誌の質を落とすことにもなる」って、そもそも「質が高い」という前提? 「若い書き手や新進の学者」? 誰のことを指してんだろう? 「・・・その手の主張で充ち満ちている」のに、「・・・斎藤貴男さんも、しばしば同誌に寄稿した時期があった」からといって、免罪されるのかな? 「・・・冤罪事件を取り上げ、警察の無理な取り調べや、自白を安易に採用する裁判所の実態なども、具体的に報告してきた」そうだけれども、それが巻頭を飾り、この雑誌の主題的扱いで、主張となっていたのでしょうかね? あくまでも刺身のつま的、ごく僅かに残された良心的な編集者の罪滅ぼし的なもの?? 「ノンフィクションの若き書き手を発掘して育てる場として活用してきた」って、誰のことだろう? 「〝愛国的〟もの言いがやたらと受けるご時世では、『諸君!』のように、「まっとうな」保守系論檀誌・・・」、思わず噴き出す。まっとうには、一応、「 」がついてはいるが。「・・・秦郁彦氏と、田母神氏を擁護する評論家の西尾幹二氏の討論を掲載した。/・・・編集部が工夫した形跡が見て取れる」ね~、人選がすごく悪いと思いますが。両氏こそ、ネット世界と変わらず、「理屈や事実抜きで感情むき出しのナショナリスティックな発言」が多いのではないでしょうか?

 編集部、「『僕パパ』事件でついに判決! 奈良少年調書流出事件/判決と鑑定の証言」(pp.72-77)。「・・・内部資料の写真がカバーに使われていた・・・」のを見た時、医師は真っ青になったことでしょう。「講談社に対してジャーナリストとして主体的な立場を貫けなかった草薙さんの問題で、そういう人に渡したのが間違いだったということですね」。「ところが、できあがった本は、広汎性発達障害についての記述はほんの一部で、全体としては、調書をそのまま掲載したセンセーショナルな本になっていた。しかもそういう手法をとったために情報源が容易に特定されることになった」。

 香山リカさん、「「こころの時代」解体新書/「うつ病ビジネス」にご用心」(pp.88-91)。サプリメントによる詐欺的なビジネス。「「セロトニン不足がうつ病の原因」という部分は間違いではないだけに、完全なニセ科学と断定することは難しい。しかし現実的には、葉酸やアミノ酸をちょっと口から摂っただけで、それが脳内のセロトニンやその代謝経路に直接、何らかの影響を与え、うつ症状を改善されることはほぼ期待できない」。GABAが含まれたチョコレートについても、「いくら口から有効成分を摂ったとしても、そのほとんどは脳には送られずに排泄されてしまう」。
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●『創(2009年4月号)』(1/2)

2009年07月15日 07時25分57秒 | Weblog

『創』(2009年4月号)、6月に読了。

 巻頭カラー頁「最高裁判決間近! 和歌山カレー事件の寒々とした風景」(篠田博之編集長、pp.18-19)。バカ騒ぎ・張り込み・覗き見を煽るマスコミ、壁に落書きし続ける不届き者、2階まで落書きがびっしりとされた家・・・。自宅は、その後、放火。結局、安田好弘弁護士の主張に耳を貸すことなしに、最高裁は死刑判決を支持するという誤判。証拠や自白無し、伝聞・噂のみによる死刑判決。動機無き被告にも関わらず。
 news eye、今西憲之さん「この3月に定年退職はするけれど/愛媛県警「裏金告発」仙波敏郎氏の闘いは続く」(pp.28-29)。

 佐高さんの「筆頭両断!/「三百代言」「三百面(づら)竹中平蔵」(pp.82-83)。「・・・竹中が「日本のリーダーとして、最も信頼している」小泉純一郎の庇護の下、郵政民営化ならぬ会社化は強行され、いま、「かんぽの宿」の売却疑惑が暴露されて、私物化が明らかになっている」。耳障り良い『民営化』は、所詮、『私企業化』・『私物化』である。「・・・竹中の行くところ、疑惑が渦巻くのである」。

 香山リカさんの「「こころの時代」解体新書/中川財務相は「心の病」なのか」(pp.84-87)。「・・・「辞任の理由は体調不良」の線で切り抜けようとした。政策がブレることで知られる麻生首相としては、目を見張るほどの一貫性である」。「・・・ひとえに、自分でアルコール摂取をコントロールできないことに、その原因がある。・・・摂取量は増える一方で、・・・いわゆる病的酩酊のレベルに達していたにもかかわらず、飲酒を続けるというのは、これはどう考えてもアルコール依存症と言わざるをえない」。「・・・〝病気の人を責めるな〟式の意見も目につく。/2004年にイラクで人質になった若者たちが、その壮絶な体験がトラウマとなりPTSDに苦しんでいると報じられたときは、自己責任大合唱であったのに、それから5年のうちに日本社会も体調不良や心の病気にずいぶん寛大になったものだ。/ただ、その〝寛大さ〟は今のところ、なぜか権力の担い手やセレブにばかり向けられているようである」とシニカルに。

 鈴木邦男さん「言論の覚悟/報隊の悪夢」(pp.88-89)。『週刊新潮』による、トンデモナイ大誤報・ガセネタによる赤っ恥。阪神支局記者の遺族への侮辱的行為。映画『ポチの告白』についても。
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●『信じぬ者は救われる』読了(1/3)

2008年04月07日 08時06分30秒 | Weblog

3月に読了。『信じ者は救われる』香山リカ×菊池誠。かもがわ出版、20083月刊。タイトルは『信じ者は救われる』。基本的には対談本は買わない主義ですが、これは例外。

「・・・・・・『水からの伝言』。これを使って ・・・・・・ 授業をしましたっていうホームページを 発見したんですね。・・・・・・ ちょっとこれはまずいなと思ったんです。・・・・・・ 永久機関みたいな話をとくとくと教えている理科の先生とか」(pp.24-25)。「永久機関」の話が某誌にも出てて、ギョッとしました。『水伝(みずでん)
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●『信じぬ者は救われる』読了(2/3)

2008年04月07日 08時05分12秒 | Weblog


香山リカ×菊池誠、『信じ者は救われる』

「「私は信じるぞ」って誓った人に対しては、説得力のあるロジックじゃない」
(p.83)

「・・・・・・ EM菌でNPO法人をつくってしまいましたとか。そういう善意のユーザー ・・・・・・」(p.102)

「・・・・・・ 科学だけの問題じゃなくて、もっと広く、二分法的な思考の単純化という世間の風潮 ・・・・・・」(p.117)。「(香山) スピリッチュアルにはまっている人は、自分はそれでいいんだろうけど、そういうことが回り回って、今の社会状況をつくっている。(菊池) 思考が単純化した社会を」(p.137)。歴史観や政治観もそうですよね。

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●『信じぬ者は救われる』読了(3/3)

2008年04月07日 07時58分49秒 | Weblog


香山リカ×菊池誠、『信じ者は救われる』
「・・・・・・
いまのスピリッチュアルだのなんだの、みんなずばり言ってほしい人たちがいて、ずばり言う社会になっていること自体が僕にはすごい迷惑なので」(p.141)。「・・・・・・ 郵政民営化に浮かれて、「イエスだ」と言って投票した人たちのおかげで当選した人たちが、いま、年金教育を審議 ・・・・・・」(p.143)

「フィトンチッド」(p.146)!! こんなところでこの言葉に出会うとは思いませんでした。

「・・・・・・ 女性が ・・・・・・ 九・一一同時多発テロはアメリカ政府の自作自演だと主張する ・・・・・・ 録画したものらしい。・・・・・・ いわゆる陰謀論というやつだ。そのようなものを手にしているというそのギャップに僕はちょっと驚いた」(p.155)

結論には到達できていませんし、堂々巡りな側面も。ずばり言うわけでもありません。でも、とても示唆に富む本でした。

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●『テレビ霊能者を斬る ~メディアとスピリッチュアルの蜜月~』読了(1/3)

2008年03月05日 08時18分04秒 | Weblog

2月に読了。小池靖。ソフトバンク新書、200712月刊。

フォックス姉妹事件・・・私も同じことができます!!

香山リカさん「すべてを疑うのは野暮、という価値観の広まり」
(p.29)
「江原に対して最も正面から批判している一人はコラムニストの小田嶋隆」
(p.51)

WP「超常現象の謎解き」(p.91) はとても面白い。

「松田道弘によれば、ユリのトリックは・・・「じれったくなるほど稚拙」・・・しかし、ユリが失敗しても、擁護的なファンは・・・」
(p.104) 好意的にしか解釈せず、信じることが目的の人たちには何を言っても・・・? 
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