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●【勤労感謝の日に職員3000人を7時間タダ働きさせようとする大阪府・大阪市のヤバさ これが「維新流」?】…お維万博、もう《中止でいいやん!》

2023年12月12日 00時00分03秒 | Weblog

【↑ 『適菜収 それでもバカとは戦え真相究明と責任追及を“大阪ノーサイド”なんて冗談じゃない』 (2020年11月14日、日刊ゲンダイ)】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/281280


(2023年11月12日[日])
映画『リング』…ドブガネという呪いの螺旋だね。
 日刊ゲンダイの記事【大阪・関西万博は日よけ雨よけに350億円! 大屋根(リング)はいっそ「点線」にすればいい】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/331774)。《しかし、さらなる上振れの可能性を示唆する前に、政府にはコスト削減を図る方法がまだあるのではないか。いま浮上しているのが、350億円もの巨額費用を使って万博会場に建設される大屋根(リング)だ。リングは、海外や民間のパビリオンを取り囲むように設置される予定だ。完成すれば、高さ12メートル(外側20メートル)で内径約615メートル、1周約2キロに及ぶ世界最大級の木造建築物となる。わざわざ屋根の屋上を歩ける凝った仕様だが、万博閉幕後は解体される方針だ》。

 日刊ゲンダイのコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/泉房穂さんの発言、ゲンダイ読者なら誰をあてこすっているかわかるよね?】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/331804)。《『国民が望んでいるのは、“お詫び”ではなく“国民負担を増やさない”ことだ』(泉房穂・兵庫県明石市前市長)》、《『当初予算の範囲内で実施するのが、本来のあるべき姿。「中止や縮小開催」を政治決断すればいいだけのことだ国民が生活に大変な状況で、国民に負担を押し付けるのは、政治家のやる仕事じゃない。』》

 職員や市民の「身を切る改革」、お維議員の「身」を切ることは決して無い。(※ご承知のように、勤労感謝の日に既に、職員の「身を切」っちゃいました。
 宮畑譲記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/勤労感謝の日に職員3000人を7時間タダ働きさせようとする大阪府・大阪市のヤバさ これが「維新流」?】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/288897?rct=tokuhou)。《「勤労感謝の日」の23日、大阪市と神戸市で行われるプロ野球・阪神タイガースとオリックスバファローズの優勝パレード。会場整備要員として大阪府と大阪市が職員にボランティアでの参加を呼びかけたことに対し、労働組合が「業務として指示すべきだ」と批判している。府市を巡っては、関西万博でも労働基準法を軽んじるような動きがあったが、労働者軽視の体質はどこから出てくるのか。(宮畑譲)》。

 お維万博、ショボいお維「祭り」、学園祭・文化祭レベル…、もう《中止でいいやん!》 1日1日と傷が深く、深くなるばかりだ…。AIも「万博中止やって」言ってはりますしね。(政界地獄耳)《地元の日本維新の会の支持層でも不要だとの回答が65・7で、「必要だ」の33・1%を大きく上回った。またそれ以外の政党も自民党54・6%、公明党77・9%、立憲民主党84・0%、共産党77・2%、国民民主党76・8%。無党派層は77・3%もが「不要だ」と回答》。
 お維が《コストは大事にする》かどうかはさておき、《人を大事にしない姿勢がある。一方で、相次ぐ所属議員の不祥事への対応を見れば、他人に厳しく身内に甘いと言える》(吉富有治氏)

   『●《カジノありきだった大阪万博 “カジノ用地不当鑑定疑惑”をめぐり「公
     文書隠蔽」》《大阪市港湾局がサーバーからメールを削除…組織的隠蔽》
   『●お維「ト」知事…《口利きビジネス…ついこの間まで地方自治体の首長を
     務めた人物が、こんなビジネスに手を染めることが許されるはず》もなく
   『●自称「第2自民党」のお維…《「第2自民党」と揶揄された政治勢力は
       あったが、自らそう認めるとすれば異例。自民の補完勢力》宣言
   『●あぁ、お維に投票できる人の気が知れない…《所属議員の不祥事が止む
     ことがなく、最近は「政界のビッグモーター」などと揶揄される始末だ》
   『●この東京新聞の《こちら特報部》の記事を見て最初に頭に浮かんだ問い
         ――― お維のデタラメに対して、在阪メディアは何やってんの?
   『●お維の言う「身を切る改革」とは? 「政界のビッグモーター」・
     自称「第2自民党」のお維自身の「身」は決して切らないデタラメばかり
   『●「昨秋に共有できていれば…」…日本国際博覧会協会副会長(理事)で
      ある吉村洋文大阪「ト」知事が何を仰っているのか理解できない…
   『●「ミャクミャク」が静かに、さらに、最近は「大阪・関西」という冠も
     消えつつある万博…《大阪…「興味ないわ」…「早よやめたらええ」》
   『●【吉村洋文知事の3つの大言壮語/今西憲之】《予算は膨張に膨張》
     《阪神・オリックスの優勝に便乗するも》《空飛ぶクルマもトーンダウン》
   『●ショボいお維「祭り」、今すぐ違約金を払って止めよう! 《大阪府が提供
      する生成AIの会話サービス…「万博は中止やって」と答える》そうだし

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/331804

室井佑月 作家
1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。

室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」
泉房穂さんの発言、ゲンダイ読者なら誰をあてこすっているかわかるよね?
公開日:2023/11/10 06:00 更新日:2023/11/10 06:00

     (兵庫県明石市前市長の泉房穂氏(C)日刊ゲンダイ)

 

国民が望んでいるのは、“お詫び”ではなく“国民負担を増やさない”ことだ』(泉房穂・兵庫県明石市前市長)

 これは11月2日の泉さんのXでの言葉。この後にはこうつづく。

『当初予算の範囲内で実施するのが、本来のあるべき姿。「中止や縮小開催」を政治決断すればいいだけのことだ国民が生活に大変な状況で、国民に負担を押し付けるのは、政治家のやる仕事じゃない。』

 正しい! なぜこれを大手メディアがはっきりいわないのだ。泉房穂LOVE!

 この発言、ゲンダイ読者なら、誰をあてこすっているかわかるよね? 大阪府知事の吉村さん。

 大阪万博を強行しようとしている吉村さんが万博誘致時に1250億円といっていた会場建設費は、1850億円に、そして2350億円に膨らんだことに対し、府庁で会見をし、

「2回目の増額となったことを府民、国民にお詫びする」

 と語った。

 それにすぐ反応したのが、泉さん。『政治家が“お詫び”をするということは、“責任”を取るということだ』『“お詫びをするフリ”だけして、開き直って、“国民に負担を転嫁”するのは、政治家のすることじゃない』とし、冒頭の発言だ。

 一部、利権屋がやっきになっているけど、夢洲に万博もカジノもいらんのだわ。万博はいってるほど儲からなそうだし(前出した数字以外にも警備費などががっぽがっぽと加算されていく)、カジノだってもう古いビジネスモデルといわれている。治安も悪くなりそうだしさ。

 そんなに金があるなら、これからの人の育成や、今、困窮している人たちにまわせよ

 てか、そんなに万博とカジノをやりたいんだったら、維新でクラファンでもしてやったらいい。もちろん、夢洲を貸すんだから、日割りで金を払ってな。それなら文句もないし、人のためになるかもね。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/288897?rct=tokuhou

こちら特報部
勤労感謝の日に職員3000人を7時間タダ働きさせようとする大阪府・大阪市のヤバさ これが「維新流」?
2023年11月9日 12時00分

 「勤労感謝の日」の23日、大阪市と神戸市で行われるプロ野球・阪神タイガースとオリックスバファローズの優勝パレード。会場整備要員として大阪府と大阪市が職員にボランティアでの参加を呼びかけたことに対し、労働組合が「業務として指示すべきだ」と批判している。府市を巡っては、関西万博でも労働基準法を軽んじるような動きがあったが、労働者軽視の体質はどこから出てくるのか。(宮畑譲


◆優勝パレードの「ボランティア」で沿道に立たせる

     (阪神、オリックス優勝パレードのボランティアを募集する文書)

 「本イベントを安全・円滑に実施するために、警備員の配置に加えて、職員の皆さまにはボランティアのご協力をお願いしたいと考えております」

 10月19日に大阪府の各部局長宛てに配布された文書は、こんな言葉で協力を依頼していた。

 パレードは大阪府や兵庫県、関西の経済団体などで構成する実行委員会が主催する。御堂筋で行う大阪府のボランティアは来場者の誘導や迂回(うかい)路の案内などで、活動時間は7時間。食事・交通費の支給はなく、傷害保険は主催者側が負担する。

 大阪府と市でボランティア計3000人を目標に募集。当初は10月末が締め切りだったが、足りなかったため7日まで延期した。府によると、6日の時点で2300人以上の申し込みがあったという。


◆兵庫県・神戸市は休日出勤扱いで1500人動員

 これに対し、三宮で行う兵庫県は対応が異なる。動員する県と神戸市の職員計1500人は休日出勤扱い。別の平日に休日を振り替えて取得するよう促す。担当者は「自治体も実行委の一員なので業務として取り組む。安全性の観点からも本来業務としてやってもらう」と話す。

 この状況を大阪府職員労働組合は問題視。代休の取得や時間外手当の支給、負傷した場合は公務災害として取り扱うことなどを府に申し入れた。小松康則執行委員長は「上司が一人一人に声をかけていた部署もあると聞く。上司から誘われると断りづらいだろう。所属部署で取りまとめろという指示もあった。限りなく業務に近いものだ」と訴える。


◆吉村洋文府知事は「強制ではない」と反論

 だが、府は受け入れる様子はない。吉村洋文知事は6日の記者会見で「あくまでボランティア。強制ではない」と繰り返した。

 労働問題に詳しい松丸正弁護士は「業務か否かは強制があったかどうかが焦点。警備に必要な人数を補おうとし、組織的に余儀なくされたものであれば、ボランティアという名の下業務に近い」と指摘する。

 前出のボランティア依頼文書には、「2025年大阪・関西万博500日前!」とも銘打たれている。万博のPRとプロ野球チームの優勝の関係性は不明で、かねて「スポーツの政治利用」という批判も挙がってきた。その万博では、パビリオン建設でかかった時間外労働を労基法の上限規制の対象外にするよう、日本国際博覧会協会が政府に要請したとも取り沙汰された。


◆根底に「公務員は働かせてナンボ」の精神

 府市トップの所属はいずれも維新。コンプライアンス(法令順守)、人権意識について、大阪在住のジャーナリスト吉富有治氏は「もともと維新は大阪府市を統合する大阪都構想が党是。その中で『税金の無駄遣いをなくす』ことや『コストカット』を言い続けてきた。根本に『公務員は働かせてナンボという考え方がある」と解説する。

 「『民間活力の導入』ともよく言うが、どこの会社ももうけ一辺倒ではない。維新には、コストは大事にするが、人を大事にしない姿勢がある。一方で、相次ぐ所属議員の不祥事への対応を見れば、他人に厳しく身内に甘いと言える」


【関連記事】「大阪万博は国家事業」って維新のご都合主義では? 整備費は倍以上、建設遅れも…責任はどこへ?
【関連記事】阪神・岡田監督の「おーん」、岸田首相「まぁ」…リーダーの口癖には意外な効果が
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●もう一つの裁判《財務省に情報開示を求める裁判》…前川喜平さん《五年かかろうと十年かかろうと真実は明るみに出さなければならない》

2022年06月21日 00時00分32秒 | Weblog

森友学園を巡る経緯 (東京新聞 2019年4月24日)↑]


(2022年06月05日[日])
日刊ゲンダイのコラム【相澤冬樹 森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記/まだ情報開示裁判がある「私は真実が知りたい」…赤木雅子さん反撃へ弁護団を拡充】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/305878)。

 《夫はなぜ死に追い込まれたのか? 財務省の公文書改ざん事件で命を絶った赤木俊夫さんの妻、雅子さんの「真実が知りたい」という願い。そのために裁判で元財務省理財局長・佐川宣寿氏ら5人の証人尋問を申請したが、大阪地裁で退けられたという衝撃。これですべてが終わってしまった……ように思える。だが、実は裁判はもう一つある財務省に情報開示を求める裁判が。》

   『●《近畿財務局元職員の妻が…佐川宣寿氏と国を相手に…大阪地裁に
     提訴》…《前代未聞の改ざんなのに、最高責任者の麻生太郎財務相》は?
    《刮目すべきは、「手記」の中で佐川氏以下、改ざんを主導した財務省
     幹部らの実名を〈刑事罰、懲戒処分を受けるべき者〉として、
     次のように記していることだ。
      〈佐川理財局長、当時の理財局次長、中村総務課長、企画課長、
     田村国有財産審理室長ほか幹部 担当窓口の杉田補佐
     (悪い事をぬけぬけとやることができる役人失格の職員)〉
      佐川氏をはじめ幹部職員らは、国有地を8億円もダンピングして
     売却した背任や公文書を改ざんした虚偽公文書作成の疑いで告発
     されたものの大阪地検は不起訴誰も刑事責任を負っていない

   『●森友公文書改ざんという犯罪を強要…《誰のために何をまげて何を
     守ったか》? 《自分たちはこの件の犠牲者だ…》気取りの犯罪者たち
   『●大阪地裁・中尾彰裁判長は、赤木雅子さんが申請していた「…証人
     尋問はすべて必要ないと判断します」と…どうしたらそんな判断に?

 赤木俊夫さんの《「手記」と題した遺書》には、「元は、すべて、佐川理財局長の指示です」「刑事罰、懲戒処分を受けるべき者 佐川理財局長」と。大阪地裁・中尾彰裁判長は、赤木雅子さんが申請していた「…証人尋問はすべて必要ないと判断します」と…どうしたらそんな判断になったのだろう? 赤木雅子さんの《真実を知りたいという》望みに、裁判所は答える気は毛頭無いらしい。

 前川喜平さん《五年かかろうと十年かかろうと真実は明るみに出さなければならない。僕は最後まで雅子さんに味方する》。
 《捜査は佐川氏をはじめ全員不起訴で刑事責任を問わずに終わったから、提出された資料は返還されたはずだ。赤木雅子さんは、財務省と近畿財務局が検察に任意提出した資料の開示を求めて裁判を起こしている》…まさか廃棄したなんてことはないでしょうね? 国は「存否応答拒否」しており、まさか無かったことにするつもりでは? でも「赤木ファイル」の一部開示の経緯から、《「赤木ファイル」がその後、財務省から雅子さんに開示されたのは、捜査が終わって資料が検察から戻ってきたことを指している財務省は検察に資料を任意提出したし、その資料は返ってきている》。
 雅子さんは《ここから反転攻勢に出る》。

   『●損害賠償費用、佐川さんが払うの? アベ様? 昭恵様? 麻生
     元財務相? いえ、税金です。こんなふざけた話があるでしょうか?
   『●「認諾」という卑劣な手…《岸田政権は、真相を明らかにしたくない
     ために国民の税金である札束で赤木さんの頬を張ったのだ》(リテラ)
   『●卑怯・卑劣な「認諾」―――《「報道機関が声を上げてほしい」》し、
     野党も《批判》してほしい。そして《人々の「許せない」という声》も
   『●《森友学園問題…五年かかろうと十年かかろうと真実は明るみに出さ
     なければならない。僕は最後まで雅子さんに味方する》(前川喜平さん)
   『●【大嘘つきの後始末/狙撃兵】《彼らがかばっているのは、他ならぬ
     お友だちの森友学園に国有地をタダ同然で払い下げようとした…安倍晋三》
   『●《今回の「認諾」は法的にも、また政治的にも、非常に多くの問題を
     孕んでいる…日本の民主主義の根幹に…》(ビデオニュースドットコム)
   『●公開の法廷で、堂々と《認諾》できるのか? ――― 公文書改ざん…
     《大阪地裁の山地修裁判長が告げた。異例の宣言に法廷がどよめいた》
   『●卑劣・卑怯にも札束で頬を張るように国は《認諾》したけれど、
     同裁判は継続中…佐川宣寿氏に、法廷で《最大の武器「証人尋問」》を!
   『●卑劣・卑怯にも札束で頬を張るように国は《認諾》したけれど、
     同裁判は継続中…赤木雅子さん「やっぱり佐川宣寿さんの話が聞きたい」
   『●Netflixドラマ『新聞記者』…《綾野剛演じる官邸官僚が最後は事実を
      明かす内容だ。それは、赤木さんの周辺では起きていないことだ》
   『●《大阪地検特捜部に任意提出した文書を開示するよう求めている。…
     …国は…「存否応答拒否」を行い、それが妥当だと書面で主張した》
   『●《認諾》で終わりではない、佐川宣寿氏への《本人尋問を実施する
     よう大阪地裁に申請…改ざんに関わった同省幹部ら計4人の証人尋問も》
   『●大阪地裁・中尾彰裁判長は、赤木雅子さんが申請していた「…証人
     尋問はすべて必要ないと判断します」と…どうしたらそんな判断に?

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/305878

相澤冬樹 ジャーナリスト・元NHK記者
1962年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。1987年NHKに記者職で入局。東京社会部、大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを歴任。著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)がベストセラーとなった。

森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記
まだ情報開示裁判がある「私は真実が知りたい」…赤木雅子さん反撃へ弁護団を拡充
公開日:2022/05/29 06:00 更新日:2022/05/29 06:00

     (赤木俊夫さんの手帳 2017年6月28日に「任ガサ」
      「18:30特捜部来庁」の文字(撮影)相澤冬樹

 夫はなぜ死に追い込まれたのか? 財務省の公文書改ざん事件で命を絶った赤木俊夫さんの妻、雅子さんの「真実が知りたい」という願い。そのために裁判で元財務省理財局長・佐川宣寿氏ら5人の証人尋問を申請したが、大阪地裁で退けられたという衝撃。これですべてが終わってしまった……ように思える。だが、実は裁判はもう一つある財務省に情報開示を求める裁判が

 ◇  ◇  ◇

 財務省による森友学園への国有地の巨額値引き売却と、取引の経緯を記した公文書の改ざん。これら森友事件の捜査の過程で、大阪地検特捜部は財務省から様々な関連資料の任意提出を受けた。捜査は佐川氏をはじめ全員不起訴で刑事責任を問わずに終わったから、提出された資料は返還されたはずだ。赤木雅子さんは、財務省と近畿財務局が検察に任意提出した資料の開示を求めて裁判を起こしている

 だが国はそもそも、検察に資料を任意提出したかどうかを答えない。答えると捜査に支障を及ぼす恐れがあるとして、そういう資料があるかどうかも答えない。これは法律用語で「存否応答拒否」、あるいはアメリカでの類似事案の名前から「グローマ-拒否」と呼ばれる。だが、それっておかしくないか? 財務省が森友事件の捜査で検察に資料を任意提出したというのは繰り返し報道された事実なのだ。

 この情報開示の裁判をめぐって重要な動きがあった。赤木雅子さんが弁護団を拡充することになったのだ。これまでの松丸正弁護士、生越照幸弁護士に加え、森友事件の真相追及で知られる阪口徳雄弁護士と高須賀彦人弁護士、それに情報公開に詳しい坂本団弁護士が参加することになった。

 5月25日の午後4時、佐川氏相手の裁判で証人尋問の申請が退けられた、まさにその日、メンバー全員による会議が開かれた。坂本弁護士は「情報公開・開示請求実務マニュアル」という著書がある。この日の会議で、ある提案をした。

「本を証拠提出しましょうよ。財務省が任意提出したって書いてあるでしょ」

 ここで言う「本」とは、赤木雅子さんと私の共著「私は真実が知りたい」(文藝春秋)のことだ。その154ページから155ページにかけて、赤木俊夫さんの直属の上司だった近畿財務局の池田靖 統括国有財産管理官(当時)が雅子さんに打ち明けた話が出てくる。

 大阪地検特捜部が近畿財務局に資料の任意提出を受けに訪れた際のこと。池田氏は強制捜査と混同して「ガサ入れに来た」と表現しているが、俊夫さんが池田氏に「これも出していいですか?」と示したのが、後に「赤木ファイル」として知られることになる、改ざんの詳細を記録した書類だった。池田氏は「全部出してください」と答えたという。

     (亡くなった赤木俊夫さん(赤木雅子さん提供))

 池田氏の話から、財務省近畿財務局が大阪地検に資料を任意提出したこと、その中に「赤木ファイル」も含まれていたことは明らかだ。当時の担当者がそう話していて、その録音データまであるのだから事実に間違いない。俊夫さんの手帳にも、2017(平成29)年6月28日に「任ガサ」という文字が残っている。これは「任意のガサ」つまり「任意提出」を指す。「18:30特捜部来庁」の文字もある。

 「赤木ファイル」がその後、財務省から雅子さんに開示されたのは、捜査が終わって資料が検察から戻ってきたことを指している財務省は検察に資料を任意提出したし、その資料は返ってきている。だから、任意提出の経緯を記した本を証拠として裁判に出して、国の主張を覆そうという狙いだ。原告本人の著書を裁判で証拠にしようという奇手と言えよう。真実につながる情報は開示されるだろうか?

 ◇  ◇  ◇

 今までやってきたことを無にされるような証人尋問の却下。何もかも虚しく思えてもしょうがない。でも、無駄なことはないと思いたい。赤木雅子さんは、この情報開示の裁判にかけてみようと考えている。総勢5人になった弁護団で、ここから反転攻勢に出るんだ。そんな気持ちがLINEで届いた。

ここまで叩き落とされ叩き潰されたから、あとはもう上がるしかないと思いますこれからどう生きるかですね
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●赤木雅子さん「麻生大臣、安倍昭恵さん、安倍元首相の名前も出てくる。…再調査される側の立場。再調査しないという立場ではないと…」

2021年06月27日 01時00分10秒 | Weblog

[※ 2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日というトリガー(『報道特集』、2021年06月26日)↑]


 (2021年06月26日[土])
日刊ゲンダイのコラム【相澤冬樹 森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記/赤木ファイル開示「おかえり。夫が私のもとに戻ってきた」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/290963)。
原田晋也・皆川剛両記者による、東京新聞の記事【森友問題「赤木ファイル」黒塗りでも読み解けたこと、残った謎 安倍昭恵氏の削除は初日に指示】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/112153)。
東京新聞の記事【【速報】妻雅子さん、赤木ファイルに涙「再調査で未来の教訓に」 森友改ざん問題】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/112396)。

 《■随所に「重大な新事実」 戻ってきた「夫」によって数々の新事実がわかった。それでも麻生財務大臣は「再調査はしない」と言う。雅子さんは23日、法廷で発言する。夫が肌身離さず持ち歩いていた国家公務員倫理カードに書いてあることを、財務省の人たちはどう思うのか? 「国民の疑惑や不信を招くような行為をしていませんか?」》
 《財務省本省から財務局への指示内容がメールで記されており、当時の安倍晋三首相の妻昭恵氏に関する記述の削除について「できる限り早急に」として、一連の改ざんが始まった初日に行われていたことが判明した。(原田晋也、皆川剛)》。
 《麻生太郎財務相について「麻生財務大臣は部下である夫が死に追い詰められて3年以上経つのに、再調査を提案することもなく、辞任もせず財務大臣を続けている私は麻生大臣のこのような振る舞いをまったく理解できない」と憤りを語った》。

 《財務省…「二重殺人」とさえ言える》(古賀茂明氏)。
 《決定的に重要な証拠》《改ざんの詳細が記されたという“赤木ファイル”》…その存否さえ明らかにしなかった卑劣な国。漸くその存在を認め、漸く公開された。ただし、黒塗りで…。#赤木ファイル の #黒塗りは許されない、という多くの声があったにもかかわらず。
 《赤木雅子氏の裁判の勝敗は、私たち国民が「諦めないこと」「忘れないこと」にかかっている人の心を持つ善良な官僚と裁判官を後押しするために、私たちは、雅子さんとともに声を上げ、闘い続けなければならない》(古賀茂明氏)

 《■随所に「重大な新事実」 戻ってきた「夫」によって数々の新事実がわかった。それでも麻生財務大臣は「再調査はしない」と言う》。
 調査される側の論理のフテブテしさ…戦犯・財務相はなぜあんなに醜悪な態度なのか? 黒塗りされた赤木ファイルを返却し、恥ずかしくないのか?。
 2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日…アベ様のタンカ「私や妻が関係していたということになれば、総理大臣も国会議員も辞める」が改ざんの引き金だ。

 それから、《「森友学園」が、大阪府豊中市の国有地を8億円余りの値引きで購入していたことが2017年2月に発覚》…これまた、お維も絡んでるんですよね?

 相澤冬樹さんのつぶやき:

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https://twitter.com/fuyu3710/status/1407973798993797125

相澤冬樹 角川新書「真実をつかむ」文春文庫「メディアの闇」@fuyu3710

#赤木雅子さん に傍聴席から拍手が沸いた。#改ざん 訴訟で #財務省 の皆さんに「国民の疑惑や不信を招くような行為をこれ以上続けないことを、私は心から願っていますし、夫も同じように願っていると思います」きょう24日発売の #日刊ゲンダイ です。

#赤木ファイル #次は再調査

午後5:08 · 2021年6月24日
―――――――――――


 東京新聞の記事【妻雅子さん「何より麻生大臣も読んで」赤木ファイルに涙<森友問題>】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/112396)によると、《また雅子さんは国に求めたいことを問われると「麻生大臣、安倍昭恵さん、安倍元首相の名前も(ファイルに)出てくる。あの方たちは再調査をしないとおっしゃっているが、再調査される側の立場再調査しないという立場ではないと私は訴えていきたい」と語った》。

 一方、アベ様ときたら…ヒトデナシにも程がある…阿比留瑠比広報員の産経広報紙のコラムを引用しつつ…:

―――――――――――
https://twitter.com/danketsu_rentai/status/1408009461533315073

東京新聞労働組合@danketsu_rentai

本当に「人でなし」ですね。
あなたたち夫妻を守るために
かかわった痕跡を消そうと公文書が改竄され
死者まで出てるのに、よくこんなこと言えるな

--------- --------- ---------
https://twitter.com/AbeShinzo/status/1407989207230935051

安倍晋三@AbeShinzo

赤木氏は明確に記している。
「現場として(森友学園を)厚遇した事実はない」
この証言が所謂「報道しない自由」によって握り潰されています。
《秘書アップ》
………

午後6:09 · 2021年6月24日
--------- --------- ---------

午後7:29 · 2021年6月24日
―――――――――――

 《赤木氏は明確に記している。「現場として(森友学園を)厚遇した事実はない」》…当たり前です。国有地8億円値引きには、赤木さんは関わっていないのですから。アベ様と阿比留瑠比広報員はヒトデナシ過ぎやしませんか?

   『●合同世論調査データ不正問題で中止していたのに―――《フジテレビと
       産経新聞社は…電話による合同世論調査を…再開すると発表》!?


 ところで、たとえアベ様広報紙な産経でも自公政権やお維が廃刊しようとしたら、私は反対しますね…《前夜から新聞スタンドに長蛇の列をつくって購入することはないでしょうが。
 【中国に批判的な香港紙「リンゴ日報」最後の発行は過去最多の100万部 市民ら「言論の自由が失われる」嘆き】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/112453)によると、《【香港共同】中国に批判的な論調で知られた民主派系の香港紙、蘋果(ひんか)日報(リンゴ日報)は24日、最後の新聞として通常の10倍以上に当たる過去最多の100万部を発行し、26年の歴史に幕を閉じた。中国の習近平指導部による締め付けで廃刊に追い込まれた。前夜から新聞スタンドに長蛇の列をつくって購入した市民らは「言論の自由が失われる」と嘆いた。最後の1面トップは、大きな文字で「香港人が雨の中、お別れ 『われわれは蘋果(リンゴ)を支える』」との見出し。23日夜に蘋果日報本社ビルの周囲に集まって「蘋果日報、頑張れ」などとエールを送った市民らの写真を載せた。同社は23日、警察によりさらなる逮捕者が出る危険を避けるため、記者らに本社には戻らないよう通知。最低限の編集者で同日深夜まで作業を行った。蘋果日報は、創業者の黎智英(れいちえい)氏が昨年、香港国家安全維持法(国安法)違反容疑で逮捕され、今年4月に別件で実刑判決を受けて服役中。編集長や主筆らも逮捕された上、資産を凍結されて事業継続を断念した。黎氏は95年に同紙を創刊した》。

 ついでに、〝リンゴ日報〟廃刊の香港政府を非難できるのかね?
 【「表現の不自由展」東京開幕を当面延期 街宣車の抗議で会場移転にめど立たず】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/112475)によると、《愛知県の国際芸術祭で抗議が殺到し2カ月中断した企画展「表現の不自由展・その後」の東京開催を予定していた実行委員会は24日、街宣車の抗議を受け余儀なくされた会場移転にめどが立たないとして、25日の開幕を当面延期すると発表した。10日にいったん内定した新会場がその後、「近隣への迷惑がかかる」として一転、貸し出しを拒否した。7月の名古屋市、大阪市での展示終了後の開催を目指し、新たな会場探しを続けるという。東京都内で記者会見した実行委メンバーの岡本有佳さん(58)は「今回はあくまで延期であり、開催できることを確信している」と話した。同席した弁護士は「開催への妨害行為は脅迫や威力業務妨害の罪に当たると考えており、法的措置を検討している」と述べた。入場予約した約500人のチケットは、希望者には払い戻す。少女像などをテーマに6月25、26日に予定していたオンラインでのイベントは開催するという。東京展は「表現の不自由展・その後 東京EDITION」と題し、内外の作家の作品を展示、7月4日に閉幕予定だった》。
 当然、お維の地元もね。
 毎日新聞の記事【「表現の不自由展」大阪会場の使用許可取り消し 抗議相次ぎ】(https://mainichi.jp/articles/20210625/k00/00m/040/253000c)によると、《大阪市で7月16~18日に開催予定だった企画展「表現の不自由展かんさい」について、会場の指定管理者が施設の使用許可を25日付で取り消したことが判明した。開催が明らかになった6月中旬以降、会場として予定されていたエル・おおさか(大阪府立労働センター)へ抗議が相次ぎ、指定管理者は施設利用者の安全を保証できないと判断した。【石川将来】》。


   『●《決定的に重要な証拠》《改ざんの詳細が記されたという“赤木ファイル”》
            …その存否さえ明らかにしない卑劣な国に「文書提出命令」を
   『●《赤木ファイル…国会では裁判に影響があると言い、裁判では影響がない
         と言う財務省の二枚舌》、そして、麻生太郎財務相の卑劣・冷酷
    《3月7日、3年前に財務省近畿財務局の職員赤木俊夫氏が命を絶った
     日だ。赤木氏は、森友学園への国有地売却決裁文書を改ざん
     させられた。不当な安値売却に安倍晋三総理(当時)の夫人昭恵氏の
     関与が疑われたが、安倍氏は「私や妻が関係していたということに
     なれば、総理大臣も国会議員も辞める」と答弁した。ところが、
     決裁文書には昭恵夫人らの名前があったので、これを消すために
     改ざんが行われたのだ》

   『●赤木俊夫さんが残してくれた証拠・記録「赤木ファイル」を《すべて
     黒塗りにされた「のり弁」状態》にするなど、絶対に絶対に許されない
   『●「赤木ファイル」を《探しもせず、目も通さずに調査を終えたのならば、
       調査の信頼性そのものを疑わざるを得ない》…黒塗りなど許されない
   『●《つまり、赤木雅子氏の裁判の勝敗は、私たち国民が「諦めないこと」
      「忘れないこと」にかかっている…私たちは、雅子さんとともに…》
   『●赤木ファイルと沖縄…《無視された小さな声を拾い集めることでしか、
         この国の正義は取り戻せない。今の政府にできるだろうか。》
   『●《国を動かすのはメディアにもできなかったこと》な赤木ファイルの
      黒塗りは許されない…アベ様ら=「カラスはやっぱり「黒い」です」

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/290963

相澤冬樹 大阪日々新聞・元NHK記者
大阪日日新聞(新日本海新聞社)論説委員・記者。1962年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。1987年NHKに記者職で入局。東京社会部、大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを経て現職。著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)がベストセラーとなった。

森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記
赤木ファイル開示「おかえり。夫が私のもとに戻ってきた」
公開日:2021/06/23 13:40 更新日:2021/06/23 13:40

     (夫の手書きの文字を指さす赤木雅子さん(撮影・相澤冬樹))

「これ、夫の字です。すぐにわかります」

 文書を封筒から取り出して真っ先に、赤木雅子さん(50)は目を奪われた。書き込まれた手書きの文字。独特のくせ字で、自分以外は読めないだろう。3年前に命を絶った夫の文字だ。懐かしさと恋しさでいっぱいになった。

 これが「赤木ファイル」。ついに国から開示された。それだけでニュースとなる注目の「赤木ファイル」とは何か? 森友事件で公文書改ざんを強要され命を絶った財務省近畿財務局の赤木俊夫さんが、その実態を詳細に記した文書だ。夫の死の真相を知りたいと、妻の雅子さんが裁判を起こしてから1年以上にわたり国に開示を求めてきた。

 待望のファイルは518ページに及ぶ。改ざんを指示する財務本省からの相次ぐメール。差出人は黒塗りされているが重大な新事実がわかった。安倍首相(当時)の妻、昭恵さんの名前などを示し「削除した方が良い」と指示している。麻生財務大臣、安倍首相の名も記されていた。

 改ざんを指示する本省からのメールに、俊夫さんが手書きで「修正等の必要なし」と書いている部分もある。改ざんに抵抗した俊夫さんの無念の思いがにじんでいるようで、雅子さんはまたも胸が熱くなった。つらかったろう、悔しかっただろうな。

 俊夫さんは生前、「自分がやった犯罪行為について記録に残しているんだ」と雅子さんに打ち明けていた。俊夫さんの上司だった池田靖さんも雅子さんに「一目見て改ざんのことが詳細にわかる文書を俊夫さんは作っていた」と語っていた。

 夫が必死の思いで残した告発の記録はいったいどういう内容なんだろう? それは雅子さんにとって夫そのものであり、近畿財務局の中にある限り、夫が財務局に閉じ込められているようだった。その赤木ファイルがついに自分のもとに帰ってきた。そう、ファイルが出てきたのではなく、夫が私のもとに戻ってきたんだ。おかえり。そう思うとこれはただの518枚の紙ではなく、いとおしさが募る。


■随所に「重大な新事実」

 戻ってきた「夫」によって数々の新事実がわかった。それでも麻生財務大臣は「再調査はしない」と言う。雅子さんは23日、法廷で発言する。夫が肌身離さず持ち歩いていた国家公務員倫理カードに書いてあることを、財務省の人たちはどう思うのか?

 「国民の疑惑や不信を招くような行為をしていませんか?」
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/112153

森友問題「赤木ファイル」黒塗りでも読み解けたこと、残った謎 安倍昭恵氏の削除は初日に指示
2021年6月23日 06時00分

     (開示された「赤木ファイル」の写し。近畿財務局にあてたメール内で
      示されたマーキング部分には「安倍昭恵総理夫人」の記述がある
      =22日、東京都千代田区で(伊藤遼撮影))

 学校法人「森友学園」の国有地売却を巡る財務省の決裁文書改ざんで、自殺に追い込まれた近畿財務局の元職員赤木俊夫さん=当時(54)=が改ざんの経緯をまとめた「赤木ファイル」が22日、赤木さんの妻雅子さんに開示された。財務省本省から財務局への指示内容がメールで記されており、当時の安倍晋三首相の妻昭恵氏に関する記述の削除についてできる限り早急にとして、一連の改ざんが始まった初日に行われていたことが判明した。(原田晋也、皆川剛)


◆削除の理由は記されず

 ファイルは赤木さんが生前、改ざんの事実を記録するために作成。雅子さんが国などを訴えた裁判で国が遺族側に示した。分量は時系列順の改ざんの経緯や、本省と財務局との間で交わされたメールの写しなど518ページ。財務省は当初、開示を拒んでいたが、大阪地裁が開示を指示した。ただ、最初に財務局に改ざんを求めた国有財産審理室係長の氏名など、本省や財務局の幹部職員以外の名前は黒塗りで隠されていた

 ファイルの写しによると、本省は2017年2月26日、係長のメールで財務局に森友学園関連文書の改ざんを指示。その際、昭恵氏や政治家など複数の記述を削除するよう印を付けていた。だが、削除の理由は記されていなかった。


◆佐川氏「直接指示」とのメールも

 改ざんに対して、赤木さんはメールで「既に意思決定した調書を修正することに疑問が残ると本省に直接抗議していた。メールとともに、赤木さんは、改ざんの日時などをまとめた「備忘記録」を残し、「今回の対応は、本省理財局が全責任を負う」などと説明されたことに納得できず、「備忘として記録しておく」とファイル作成の経緯を記していた。

 改ざん指示については、国会答弁を踏まえた上で、当時の佐川宣寿理財局長が改ざんを直接指示したとする内容のメールも含まれていた。


◆赤木氏の妻側「黒塗り外す要求していく」

 雅子さんの代理人弁護士は22日、大阪市内で会見。松丸正弁護士はファイルを「佐川元局長がどう関与していたのかどうかを明らかにするための第一歩の資料だ」と評価。生越照幸弁護士は「雅子さんは『これでは誰が指示したかわからない』と話していた。管理職以外の黒塗りを外す要求をしていく」と話した。

 赤木ファイルの開示について、麻生太郎財務相はこの日の閣議後会見で「財務省としてできる限りの調査は尽くしている」と述べ、文書改ざんの経緯に関する再調査を改めて否定した。

森友学園問題 小学校の新設を計画していた学校法人「森友学園」が、大阪府豊中市の国有地を8億円余りの値引きで購入していたことが2017年2月に発覚。安倍晋三前首相の妻昭恵氏の影響などで土地の価格が不当に安くなったとの疑惑が浮上した。財務省は、昭恵氏や政治家に関係する記述を削除するなど公文書を改ざん。近畿財務局の元職員赤木俊夫さんは、財務省理財局長だった佐川宣寿氏らの指示で改ざんを強いられたとして自殺した。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/112396

【速報】妻雅子さん、赤木ファイルに涙「再調査で未来の教訓に」 森友改ざん問題
2021年6月24日 12時51分

     (赤木俊夫さん(遺族提供))

 森友学園問題に関する財務省の決裁文書改ざんで、2018年3月に自殺した近畿財務局の元職員赤木俊夫さん=当時(54)=が改ざんの経緯をまとめた「赤木ファイル」が22日に開示されたことを受け、妻雅子さん(50)は24日午前、日本外国特派員協会(東京)で記者会見を行った。

 雅子さんはメッセージを読み上げ「私が今一番望むことは、なぜ夫が死に追い込まれなければならなかったのか原因と経緯を明らかにすることだ」とした上で「国は第三者委員会による再調査を行い、理財局内部のメールも含めて調査をし、事実を細部まで明らかにして未来への教訓にすべきだ」などと訴えた。

 その上で赤木ファイルについて「ファイルを見て、手書きの字が夫の字だとすぐにわかった。夫が苦しい立場に追い込まれながら、赤木ファイルを残してくれたのだと思うと涙が出そうになった。赤木ファイルには私が知らない事実がたくさん記載されていた。夫は、具体的な説明もなしに反対しても一方的に改ざんを指示されて苦しんでいたことが分かった」などと述べた。

 ファイルには財務省理財局長だった佐川宣寿元国税庁長官(63)が改ざんを指示したとする内容があったものの、「赤木ファイルを見ても佐川さんの指示がどのように夫まで伝わったのか具体的な経緯は明らかになっていない」と指摘。「赤木ファイルには一部だが、決裁文書の改ざんの指示に関するメールが含まれていた。しかし改ざんを主導した佐川さんや理財局内部のメールは開示されていない」として第三者委員会による再調査で理財局内部のメールなどを調べるよう求めた。

 安倍晋三前首相の妻昭恵氏とLINE(ライン)で繋がっているといい、遺書を公開した後、昭恵氏が「仏前に手を合わせに行きたい」という内容の連絡があったという。その後、ラインで連絡していることが週刊誌などで報じられると、なかなか返事は来なくなった。

 それでも、安倍前首相の体調が悪くなったときに「お体大丈夫ですか」と連絡すると、「ありがとうございます」というような返事があった。

 赤木ファイルの開示後には、ファイルがあったことを報道する朝日新聞の写真と一緒にラインをした。しかし、「それ以来一切もう既読もつかなくなってしまいました」という。

 また、麻生太郎財務相について「麻生財務大臣は部下である夫が死に追い詰められて3年以上経つのに、再調査を提案することもなく、辞任もせず財務大臣を続けている私は麻生大臣のこのような振る舞いをまったく理解できない」と憤りを語った。
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コメント
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●近畿財務局元職員のご遺族が提訴…《刑事罰どころか出世していた財務省の“改ざん指示”幹部官僚たち》や行政府の長、財務相の冷酷非道

2020年03月22日 00時00分40秒 | Weblog

森友学園を巡る経緯 (東京新聞 2019年4月24日)↑]



リテラの記事【自殺した近畿財務局職員が手記であげた「刑事罰を受けるべき財務省職員」6人の実名! 佐川元理財局長含め彼らはいま……】(https://lite-ra.com/2020/03/post-5318.html)。
東京新聞の記事【麻生氏や太田氏の説明は虚偽答弁 森友問題 赤木さん手記要旨】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202003/CK2020031902000137.html)。
望月衣塑子記者による、東京新聞の記事【どうか真実を 森友文書改ざん 遺族が提訴】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202003/CK2020031902000132.html)。

 《〈元は、すべて、佐川理財局長の指示です。〉〈嘘に嘘を塗り重ねるという、通常ではあり得ない対応を本省(佐川)は引き起こしたのです。〉 森友問題の決裁文書改ざんを強要され、2018年3月7日に自殺した近畿財務局の職員の遺書と手記…》。
 《学校法人「森友学園」を巡る決裁文書改ざん問題は、二年前に自殺した赤木俊夫さん=当時(54)=の手記や遺書が十八日に公開され、新たな局面を迎えた。「佐川さん、どうか改ざんの経緯を、本当のことを話してください」。国と佐川宣寿(のぶひさ)元国税庁長官(62)を提訴した妻の言葉には、真相解明を求める強い思いがにじんだ》。

   『●《改ざんを命じられたときも相当抵抗…。やっているのは犯罪。
               自分の信念や理に反して悔しかっただろう》
   『●《近畿財務局元職員の妻が…佐川宣寿氏と国を相手に…大阪地裁に提訴》
        …《前代未聞の改ざんなのに、最高責任者の麻生太郎財務相》は?

 「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」をキッカケに、《文書に「安倍昭恵首相夫人」》とあったが故に、ウルトラ差別主義者の麻生太郎財務相の下、公文書の改ざんが近畿財務局元職員に強要された。様々な〝種〟を撒きまくる「私人」のアベ昭恵様が〝タマ〟を込め、アベ様の啖呵が〝トリガー〟となり、〝マフィアのボス〟な財務相の下で《刑事罰どころか出世していた財務省の“改ざん指示”幹部官僚たち》が忖度して、無理やり改ざんさせた

 裁判で、どうか真実が明らかになってほしい。責任をとらせてほしい。犯罪者に罰を下してほしい。
 アベ様ご夫妻やウルトラ差別主義者の財務相、財務省幹部は今もヌクヌクと…。

 週刊朝日の記事【森友事件で公文書改ざん、自殺した近財職員の妻が提訴 <パワハラで有名な佐川局長に誰も背けない>】(https://dot.asahi.com/wa/2020031800084.html)によると、《妻の弁護士は記者会見の冒頭で妻のメッセージをこう読み上げた。「夫のように苦しんでいる人を助けるためにも佐川さん、どうか改ざんの経緯を、本当のことを話してください」》と訴えられました。
 また、【森友文書改ざん「本省の指示」 自殺職員の妻、佐川氏と国を提訴】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202003/CK2020031902000161.html)によると、《妻は「元はすべて佐川氏の指示。パワハラで有名な佐川氏の指示には誰も背けない」とする赤木さんの手記や遺書を公表。代理人を通じて「夫が死を決意した本当のことを知りたい」と訴えた。(望月衣塑子、鷲野史彦) 訴状などによると、当時財務省理財局長だった佐川氏は、安倍晋三首相が国会で国有地売却問題について「私や妻が関わっていれば、総理大臣も国会議員も辞める」と答弁した後の二〇一七年二~四月、「野党に資料を示した際、森友学園を厚遇したと取られる疑いがある箇所は全て修正するように」などと財務省幹部に指示。幹部は近畿財務局に改ざんを命じた》。

 東京新聞の【麻生氏や太田氏の説明は虚偽答弁 森友問題 赤木さん手記要旨】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202003/CK2020031902000137.html)の《森友学園問題で自殺した財務省近畿財務局の上席国有財産管理官赤木俊夫さん=当時(54)=の手記の要旨》によると、《最も大切な家内を泣かせ、人生を破壊したのは本省理財局です》との記述がある。


 冷酷非道。不条理。
 東京新聞の記事【森友文書改ざん 財務省、再調査せず 「新事実ない」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/202003/CK2020031902000160.html)によると、《政府は十八日、森友学園問題で決裁文書の改ざんに関わり自殺した財務省近畿財務局職員の手記公表を受け、改ざんの経緯などを改めて調査する考えはないとした。安倍晋三首相は、官邸で記者団から手記に関する受け止めを聞かれ「財務省で事実を徹底的に明らかにした改ざんは二度とあってはならず、今後も適正に対応していくものと考えている」と語った。再調査には触れなかった自らの責任についての質問には、答えずに立ち去った》。

 行政府の長や財務相がデタラメだと省内も…。
 日刊ゲンダイの記事【森友文書改ざん 財務省“死人に口なし”で疑惑再燃潰しの卑】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/270672)によると、《名指しの6人は全員出世 …麻生氏は「お悔やみ申し上げる。公文書改ざんは由々しき問題で遺憾の極み」と原稿を読み上げたが、それくらい自分の言葉で語れないのか。財金委では、手記で「刑事罰、懲戒処分を受けるべき者」と名指しされた佐川理財局長(当時)ら6人の現ポストも明らかになった。国税庁長官、横浜税関長、外務省駐英公使など、ことごとく出世している。ぼくの契約相手は国民が口癖だった実直な公務員が改ざんを苦にして死を選び指示した側は出世するこんな不条理を放置していいのか》。

 志位和夫委員長のツイッター:

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https://twitter.com/shiikazuo/status/1240443350035001344
志位和夫@shiikazuo

佐川局長は国税庁長官
理財局次長は横浜税関長
理財局総務課長は駐英公使
理財局国有財産企画課長は内閣官房内閣参事官
理財局国有財産審理室長は福岡財務支局理財部長

改ざんさせられた職員は自殺に追い込まれているのに、それを指示した側はみな出世こんな不合理をそのままにしてはおけない

午前10:01 2020年3月19日
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 最後に、国会で批判をあびている違法な人事に関連して…。黒川弘務・東京高検検事長の定年延長(再延長・再々延長可)したい理由がよくわかる。リテラによると、《佐川前理財局長ら財務省全員不起訴は最初から決まっていた!“法務省の安倍官邸代理人”黒川事務次官が捜査潰し》だそうです。

   『●アベ様政権は大阪地検特捜部長を函館地検検事正に昇進させ、
                  「森友問題の幕引きを一気に図る魂胆」
    「日刊ゲンダイの記事【安倍政権また忖度に“ご褒美” 森友不起訴の
     特捜部長が栄転】…。《露骨な論功行賞だ――。法務省は25日、
     大阪地検の山本真千子特捜部長(54)の函館地検「検事正」への異動を
     発表した。山本氏は、森友問題で刑事告発されていた
     佐川宣寿前理財局長ら38人を全員不起訴にした責任者。地検トップの
     検事正への異動は栄転だ。森友問題の渦中にあっても国税庁長官に
     昇格させた佐川氏同様、安倍首相を守り抜いたご褒美である》」

   『●「森友、加計、準強姦事件の3つ…
      諸悪の根源である“主犯”は目の前にいるのだ」=アベ様御夫妻
   『●スゲエなぁアベ様、露骨…忖度な太田充理財局長に《論功行賞で、
                         財務省きっての花形ポストがプレゼント》
   『●《安倍政権は、官邸に近い黒川検事長を検察トップである検事総長に
            就け、検察組織を官邸の支配下に置くつもりだ》、あぁ………
    「リテラ…【佐川前理財局長ら財務省全員不起訴は最初から決まっていた!
     “法務省の安倍官邸代理人”黒川事務次官が捜査潰し】…によると、
     《そして、この捜査潰しの首謀者と指摘されているのが、“法務省の
     官邸代理人”こと、黒川弘務・法務省事務次官だ。「黒川氏は
     小泉政権下で法務大臣官房参事官を務めて以降、官房畑を歩み、
     自民党、清和会に非常に太いパイプをもっている。
     …第二次安倍政権ができると、露骨に官邸との距離を縮め、一体化
     と言っていいくらいの関係を築くようになった。とくに菅義偉官房長官
     とは非常に親しく、頻繁に会っているところを目撃されています」
     (ベテラン司法担当記者)》」

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https://lite-ra.com/2020/03/post-5318.html

自殺した近畿財務局職員が手記であげた「刑事罰を受けるべき財務省職員」6人の実名! 佐川元理財局長含め彼らはいま……
2020.03.19 07:25

     (2018年3月国会証人喚問での佐川宣寿氏)

〈元は、すべて、佐川理財局長の指示です。〉
〈嘘に嘘を塗り重ねるという、通常ではあり得ない対応を本省(佐川)は引き起こしたのです。〉

 森友問題の決裁文書改ざんを強要され、2018年3月7日に自殺した近畿財務局の職員の遺書と手記が、昨日発売の「週刊文春」(文藝春秋)に掲載された。

 これまで「近畿財務局管財部上席国有財産管理官」としか報じられてこなかったこの男性の名前は、赤木俊夫さん。赤木さんが遺書を遺していたことは、当初から噂になっていたが、その内容は公開されていなかった。

 しかし、財務省や近畿財務局の対応に不信感を抱くようになったという赤木さんの妻が今回、遺書と手記の公開に踏み切った。手記をスクープしたのは、NHKで森友問題を追及してきた相澤冬樹氏(現・大阪日日新聞記者)だ。

 しかも、その内容は改ざんを指示した理財局長の佐川宣寿氏をはじめとする財務官僚たちを徹底的に追及する、あまりに衝撃的なものだった。まず、遺書には、震える文字でこう綴られていた。

〈森友問題
佐川理財局長(パワハラ官僚)の強硬な国会対応がこれほど社会問題を招き、それにNOを誰れもいわない
これが財務官僚王国
最後は下部がしっぽを切られる。
なんて世の中だ、
手がふるえる、恐い
命 大切な命 終止府〉(原文ママ)

 佐川氏を名指しした上で「NOを誰もいわない」「最後は下部がしっぽを切られる」と訴えているように、赤木さんを死まで追い詰めたのは、佐川氏が主導した公文書改ざんにあったことはあきらかだ。

 だが、さらに重要なのは、今回公開された手記だ。赤木さんは2018年2月から死の直前まで、A4で7枚にわたる手記をパソコンに書き残していた。そしてそこには、財務省のこれまでの説明とはまるで違う、生々しい「改ざんの真実」が記されていたのである。

 まずは、あらためて問題の発端と赤木さんが死を選んだ直前の動きを振り返ろう。

 2017年2月、森友学園に8億円も値引きされて国有地が売却されていたことが発覚し、国会では連日追及がおこなわれたが、安倍首相は同月17日に「私や妻がかかわっていたのであれば私は総理大臣をやめる」と宣言。佐川理財局長も「記録は廃棄した」「すべて適正だった」の一点張りだったが、翌2018年3月2日に流れを大きく変えるスクープが飛び出す。朝日新聞が財務省の決裁文書が改ざんされていたと報じたのだ。

 財務省はこの改ざん報道を否定することはなかったが、「(3月)5日に調査結果を報告する」「6日に調査の説明を発表する」などと言いながら、その期日が来ても「捜査中」を理由に先送りにした。一方、ワイドショーなどでは安倍応援団が「朝日は証拠を出せ」「立証責任は朝日にある」などと騒ぎ立て、与党からは「書き換えがあったとしても決裁が終わる前の文書ではないか」「決裁の途中で上司が部下に修正を指示するのはよくあり、問題にならない」などという主張も出てきていた。

 もしや安倍政権はこのまま疑惑を有耶無耶にする気なのか──そんな懸念が高まっていた、そんな最中の3月7日、赤木さんは自殺する。そして、まさにその死を選んだ直前にも、「手記」に真実をこう綴っていたのだ。

〈本年3月2日の朝日新聞の報道、その後本日(3月7日現在)国会を空転させている決裁文書の調書の差し替えは事実です。〉
〈元は、すべて、佐川理財局長の指示です。
局長の指示の内容は、野党に資料を示した際、学園に厚遇したと取られる疑いの箇所はすべて修正するよう指示があったと聞きました。〉


■改ざんに抵抗する赤木さんをつぶすため財務省理財局が近畿財務局トップに圧力

 つまり、当時、安倍政権がけっして認めようとしなかった事実を、赤木さんはその手記にぶちまけていたのである。

 しかも、その記述はかなり詳細なものだ。赤木さんが公文書の改ざんを指示されたのは、2017年2月26日。本省の指示により近畿財務局で改ざんに着手したことは、財務省が2018年6月4日に公表した調査報告書でも記されているが、赤木さんの手記は、財務省の調査報告書とは印象がまるで違う、生々しい記述が出てくる。

 それは、3月7日ごろに再び修正作業を指示された際のことだ。赤木さんは〈現場として私はこれに相当抵抗しました〉と述べ、こうつづけている。

〈楠(敏志・近畿財務局)管財部長に報告し、当初は応じるなとの指示でしたが、本省理財局中村総務課長をはじめ田村国有財産審理室長などから楠部長に直接電話があり、応じることはやむを得ないとし、美並(義人)近畿財務局長に報告したと承知しています。
美並局長は、本件に関して全責任を負うとの発言があったと楠部長から聞きました。〉

 つまり、赤木さんの抵抗に対し、近畿財務局の楠管財部長も「応じるな」と赤木さんの抵抗を後押ししていたが、その楠管財部長に、財務省の中村稔・総務課長や田村嘉啓・国有財産審理室長から“圧力”がかかり、その結果、近畿財務局のトップである美並義人局長が「全責任を負う」ということで改ざん作業を担わされることになった、というのだ。

 ちなみに、財務省の報告書ではこの圧力についてはまったく触れられておらず、こう書かれているだけだ。

〈理財局の総務課長と近畿財務局の管財部長との間でも相談がなされた。〉
〈総務課長から国有財産審理室長及び近畿財務局の管財部長に対して、最低限、政治家関係者からの照会状況の記載と、それまでの国会答弁との関係が問題となりかねない箇所については書き換えが必要である旨が伝えられた。〉

 「相談」だの「伝えられた」だのと、まるで通常の業務指示のような書き方だが、実際は財務省は改ざんに抵抗する赤木さんをねじ伏せるために、近畿財務局に露骨な圧力をかけていたのである。

 しかも、赤木さんの手記には、財務省の圧力によって改ざんに手を染めた近畿財務局でも、信じられないようなことを口にする幹部もいたことが暴露されている。

〈本省からの出向組の小西次長は、「元の調書が書き過ぎているんだよ。」と調書の修正を悪いこととも思わず、本省杉田補佐の指示に従い、あっけらかんと修正作業を行い、差し替えを行ったのです。〉

 この「小西次長」というのは小西眞・管財部次長で、理財局との調整役となり、全体像を把握して改ざん作業に従事した人物だとされるが、この記述からは、財務省の言いなりになって改ざんを犯罪行為だとも思っていない様子が伺える。


■赤木俊夫さんが手記に「大阪地検特捜部はこの事実関係を全て知っている」

 このほかにも手記には改ざん指示をめぐる生々しい内情が綴られている。なかでも、衝撃的なのは、赤木さんが財務省と近畿財務局の改ざん指示の詳細のあとにつづけて記述した、こんな言葉だった。

〈(大阪地検特捜部この事実関係をすべて知っています)〉

 周知のように、大阪地検特捜部は森友学園の国有地払い下げ問題につづき、この公文書改ざんについても捜査に動いていた。一時は佐川氏の立件も視野に入れていたとされた。だが、捜査は尻すぼみ。フタをあけてみると、佐川氏どころか財務省関係者は全員が不起訴処分となった。

 大阪地検特捜部はこのとき「証拠がない」「立証が難しい」などとさかんにメディアにリークしていたが、実際は、佐川理財局長の号令のもと国家的犯罪である公文書の改ざんがおこなわれた事細かな事実を、すべて掴んでいたのだ。

 にもかかわらず、大阪地検特捜部がこの改ざんを立件できなかったのは、もちろん、官邸から圧力がかっていたためだ。いま、“官邸の番犬”と呼ばれる黒川弘務・東京高検検事長の違法な定年延長が問題になっているが、当時法務省事務次官だったこの黒川氏が官邸の意を受けて捜査ストップに動き山本真千子・大阪地検特捜部長(当時)と裏取引をおこなったという情報も流れていた。

「当時は、官邸と検察上層部の間で、財務省には触わらず、代わりに近畿財務局の職員をあげて、幕引きをはかるというシナリオが進んでいるとささやかれていた」(司法ジャーナリスト)

 ようするに、赤木さんもこうした動きを察知していたのだろう。そして、このままでは、近畿財務局と自分が「改ざんの主犯」として責任と罪を押し付けられると怯えていたのだ。

 「週刊文春」の記事によると、2017年12月末、赤木さんのもとに検事から電話があり、その後、赤木さんは妻に対してこう話していたという。

「検察は恐ろしいとこや。何を言っても思い通りの供述を取る。検察はもう近畿財務局が主導して改ざんしたという絵を描いている。そのストーリーから逃げられない。ぼくが何を言っても無理や。本省の指示なのに最終的には自分のせいにされるぼくは犯罪者や

 実際、安倍政権と財務省はこの少し前から、責任をことごとく近畿財務局に押し付け始めていた

 その際たるものが、近畿財務局の法律相談記録の隠蔽工作だ。2017年4月、実地検査に入った会計検査院から森友学園との土地取引関連の文書を出すよう求められていたが、近畿財務局は法律相談の記録を検査結果が国会報告される前日まで提出しなかった。

 これは、財務省が命じたもので、赤木さんも手記で言及し“法律相談の記録等の内部検討資料が保管されていることは、近畿財務局の文書所管課等の全ての責任者は承知していました”と書き、〈応接記録をはじめ、法律相談の記録等の内部検討資料は一切示さないこと、検査院への説明は「文書として保存していない」と説明するよう事前に本省から指示がありました〉と明かしている。

 ところが、情報開示請求などによってその内容が明らかになり、国会で追及が始まると、安倍政権と財務省は、すべて近畿財務局の責任にしたのだ。麻生財務相は「法律相談の文書は近畿財務局のなかにあったということで、理財局のなかにあったわけではない。まずここははっきりさせておきたい」と言い、「発見できなかったことは甚だ残念」などと答弁(2018年2月14日衆院予算委員会)。当時の太田充理財局長も「気付いていれば出していた」と答弁し、「誰が気づかなかったのか」という質問に「近畿財務局の管財部の統括国有財産管理官というところが主として担当していた」「基本的に彼らが気付かなかったということ」と答えていた(2018年3月5日参院予算委員会)。

 こうした答弁に対し、赤木さんも手記で〈明らかに虚偽答弁〉と指摘しているが、この頃には政権内に「すべて近畿財務局のせいにするという暗黙の了解があることが見てとれた。赤木さんと同じ立場なら、誰でも自分がスケープゴートにされると恐怖するはずだ


■刑事罰どころか出世していた財務省の“改ざん指示”幹部官僚たち

 そして、3月7日、赤木さんは遺書に〈最後は下部がしっぽを切られる〉と綴り、手記にも〈本省がすべて責任を負うべき事案ですが、最後は逃げて、近畿財務局の責任とするのでしょう〉と記し、自殺を遂げた。

 しかし、この自殺は皮肉なことに、近畿財務局にすべてを押し付けるという流れを変えることになった。同年3月9日に「近畿財務局の職員が7日に自殺」と報じられると、その日のうちに、理財局長から国税庁長官に栄転していた佐川氏が辞職し、翌10日には財務省は改ざんを認める方針を固め、12日には改ざん前文書を公開するにいたった。

 「週刊文春」の記事によると、「ぼくの契約相手は国民ですが口癖だったという赤木さんは、涙を流してまで改ざん行為に抵抗したという。

 そういう意味では、赤木さんは自らの死をもって、改ざんの事実を財務省に認めさせたといっていいだろう。そして、赤木さんの妻も、赤木さんの死後、その思いを引き継ぎ、手記と遺書を公開することよって、蓋をされかけていた疑惑に再び光を当て、本当の悪を追及する動きをつくり出そうとしている

 公文書の改ざんという国民への背信行為が許せず、何度も抵抗した赤木さんを、死を選ばなければならないほど追い詰めたのは誰か

 赤木さんは手記のなかで〈刑事罰、懲戒処分を受けるべき者〉として、〈佐川理財局長、当時の理財局次長、中村総務課長、企画課長、田村国有財産審理室長ほか幹部 担当窓口の杉田補佐(悪い事をぬけぬけとやることができる役人失格の職員)〉と具体的に列挙している。

 しかし、こうした面々がその後どうなったかといえば、全員が不起訴に終わっただけではなく、財務省の処分も佐川氏が「停職・3カ月相当」、当時の理財局次長だった中尾睦氏が「戒告」、中村総務課長が「停職・1カ月」、国有財産企画課長だった冨安泰一郎氏が「減給20%・3カ月」、田村国有財産審理室長が(減給20%・2カ月)。杉田補佐は国有財産審理室職員(課長補佐級)のことだと思われるが、「戒告」となっている。佐川氏をはじめ刑事罰に問われても不思議ではなかったのに、こんな軽い処分で終わっているのである。

 いや、それどころか、そもそも佐川氏は改ざんに手を染めたあとの2017年7月に国税庁長官に、中村総務課長は2019年8月に駐イギリス公使に栄転している。これはあからさまな論功行賞であるだけでなく、安倍昭恵夫人付きの秘書だった経産省の谷査恵子氏を在イタリア大使館の1等書記官へと栄転させ口封じしたのと同じ構図だ。

 そういう意味では、彼ら財務官僚以上に追及しなければならないのは、やはり安倍首相だろう。安倍首相が「私や妻が関係していたということになれば、私は間違いなく総理大臣も国会議員も辞める」と国会で宣言したことが引き金となって改ざんがはじまり、決裁文書に記されていた昭恵夫人の関与を示す記述などをことごとく削除する作業を強制された。そしてそれが赤木さんを死に追いやったのだ。

 昨日、赤木さんの妻は、国と佐川氏を相手取り、1億1200万円の損害賠償を求める訴えを大阪地方裁判所に起こした。これは「いったい誰が指示をして改ざんはおこなわれたのかという事実をあきらかにするための裁判とならなければならないが、今回公開された遺書と手記を受けて、これまで安倍政権が拒否しつづけてきた第三者による調査委員会を発足させる必要がある。

 そして、この機会にすべての国民に赤木さんの遺書と手記を読んでほしい。ひとりの良心と正義を、この国の政治はどのように踏みつけにしたのか。そのことを国民は知らなければならない。

(編集部)
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202003/CK2020031902000137.html

麻生氏や太田氏の説明は虚偽答弁 森友問題 赤木さん手記要旨
2020年3月19日 朝刊

 森友学園問題で自殺した財務省近畿財務局の上席国有財産管理官赤木俊夫さん=当時(54)=の手記の要旨は次の通り。


 私は二〇一七年二月から半年間、異例な事案を担当し、強度なストレスが蓄積して一七年七月から病気休暇に至りました。異例な事案とは「森友学園への国有地売却問題」です。事案の長期化・複雑化は、財務省が虚偽の答弁を貫いていることが最大の原因で、心身ともに痛み苦しんでいます。


 【本省主導】

 本件は特異な相手方で前代未聞の事案であり、社会問題化する以前から担当者は本省に応接記録などを提出しています。近畿財務局が本省の了解なしに交渉を進めることはあり得ません。資料(応接記録)を文書管理規則に従って廃棄したとの説明(答弁)は、財務省が判断したことです。財務省が学園に特別の厚遇を図ったと思われることを避けるため、当時の佐川(宣寿)理財局長が判断したと思われます。野党の追及を避けるため、資料はできるだけ開示せず、タイミングも後送りとするよう指示があったと聞いています。

 近畿財務局が会計検査院の特別検査を一七年に二回受けた際には、佐川局長の指示で本省理財局から派遣された幹部職員が、近畿財務局の説明を補足する対応を取りました。本省の対応の基本姿勢として、本省が持参した一部資料の範囲内で説明し、応接記録や法律相談の記録などの内部検討資料は一切示さず「文書として保存していない」と説明するとの指示が本省から事前にありました。

 一八年二月の国会で財務省が新たに開示した行政文書について、麻生(太郎)財務相や太田(充)理財局長による「行政文書の開示請求の中で、改めて近畿財務局で確認したところ、法律相談に関する文書の存在が確認された」との説明は虚偽答弁です。


 【前代未聞の虚偽】

 一八年一月からの通常国会では太田局長が前任の佐川局長の答弁を踏襲することに終始し、詭弁(きべん)を通り越した虚偽答弁が続けられています。違和感を持っていても、誰一人本省に反論しません


 【決裁文書の修正】

 決裁文書の調書の差し替えは事実です。佐川局長の指示です。学園への厚遇と受け取られる箇所は修正するよう指示があったと聞きました。本省理財局幹部らが過剰に修正箇所を決め、近畿財務局で差し替えました。

 修正作業の指示が複数回あり、私は相当抵抗しました。本省からの出向組の次長は「元の調書が書き過ぎているんだよ」と悪いこととも思わず、あっけらかんと差し替えましたこれが財務官僚機構の実態です。修正回数は三、四回程度と認識しています。

 抵抗したとはいえ、関わった者として責任をどう取るか、ずっと考えてきました。最も大切な家内を泣かせ、人生を破壊したのは本省理財局です。みんなに迷惑をお掛けしました。さようなら
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202003/CK2020031902000132.html

どうか真実を 森友文書改ざん 遺族が提訴
2020年3月19日 朝刊

     (赤木さんの妻の代理人が記者会見で示した労務災害に関する文書。
      情報公開請求をしたが、ほとんどが黒塗りだった=18日、大阪市で)

 学校法人「森友学園」を巡る決裁文書改ざん問題は、二年前に自殺した赤木俊夫さん=当時(54)=の手記や遺書が十八日に公開され、新たな局面を迎えた。「佐川さん、どうか改ざんの経緯を、本当のことを話してください」。国と佐川宣寿(のぶひさ)元国税庁長官(62)を提訴した妻の言葉には、真相解明を求める強い思いがにじんだ。 (望月衣塑子

 大阪市内で開かれた記者会見には、四十人以上の報道陣が集まった。赤木さんの妻に代わって二人の代理人弁護士が七枚の手記や直筆の遺書を公開し、妻のメッセージを読み上げた。

 「あの時どうやったら助けることができたのか」「心のつかえが取れないままで、夫が死を決意した本当のところを知りたい」「今でも近畿財務局の中には、話す機会を奪われ苦しんでいる人がいます」。裁判では佐川氏のほか、財務省や近畿財務局幹部らを証人申請する考えを示した。

 代理人らによると、赤木さんは高校卒業後、旧国鉄に入り、一九八七年の分割・民営化後は財務省職員に。仕事に誇りを持ち、「僕の契約相手は国民です」と友人らに話し、後輩の信頼も厚かった。

 近畿財務局での改ざん作業は「若い人にはやらせなかったと一人で抱え込んだ。書道や音楽、落語と多趣味で明るい性格だったが笑わなくなり、二十二年間けんかしなかった妻とも口論が絶えなくなった。

 赤木さんの死後、妻は「自分の半分がもぎとられたような感覚だった」と、後を追うことも考えていた。だが、妻が麻生太郎財務相の墓参りや佐川氏の謝罪と説明を求めても同省は応じず、佐川氏は「読ませていただいた」と回答したのみ。さらに夫の死の経緯を知るために請求した行政文書の大部分が黒塗りで開示され、真相がうやむやになってしまうとの懸念から提訴に踏み切った

 松丸正弁護士は「赤木さんは死に至るまで改ざんの是正を求め、近畿財務局の中にも是正を求める声があった。職員たちが違法行為に抵抗できるコンプライアンス(法令順守)につながる裁判にしたい」と話した。妻はコメントで「今でも夫のように苦しんでいる人を助けるためにも、本当のことを話してください」と佐川氏に求めた。


◆天の声、生々しく 赤木さん手記

 赤木俊夫さんの手記は、“天の声”に屈して決裁文書を改ざんした様子を生々しくつづっている。

 最初の改ざんは二〇一七年二月二十六日。財務省が一八年にまとめた調査報告書は、当時理財局長の佐川宣寿氏は「(政治家からの照会状況を記した部分の開示は)最低限の記載とすべきだ」などと示唆したが、直接的指示はなかったとの内容だった。しかし手記では、佐川氏とじかに接する本省担当者のただならぬ様子を目の当たりにし、財務局職員たちが同氏の指示と認識していたと伝える。

 一七年三月七日ごろの改ざんでは、本省から大幅な書き換えを求められた。手記によると、佐川氏の指示を受けた理財局幹部らが改ざんの範囲を次々に拡大。本省の補佐は書き換えの文面も示した。本省からの出向組の管財部次長は「元の調書が書き過ぎているんだよ」と言い放ったという。本省と地方の力関係で異論や反論は許されなかった


■弁護士が代読した妻のメッセージ全文は次の通り

 夫が亡くなって二年たちました。あの時どうやったら助けることができたのか。いくら考えても私には助ける方法がまだ見つかりません。

 心のつかえが取れないままで、夫が死を決意した本当のところを知りたいと思っています。夫が死を選ぶ原因となった改ざんは誰が何のためにやったのか改ざんをする原因となった土地の売り払いはどうやって行われたか真実を知りたいです

 今でも近畿財務局の中には、話す機会を奪われ苦しんでいる人がいます。本当のことを話せる環境を財務省と近畿財務局にはつくっていただき、この裁判で全てを明らかにしてほしいです。

 そのためには、まず佐川さんが話さなければならないと思います。今でも夫のように苦しんでいる人を助けるためにも、佐川さん、どうか改ざんの経緯を、本当のことを話してください。よろしくお願いします。
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コメント (1)
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