Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●戦争法案・壊憲法案では核兵器も「弾薬」と解釈、つまり、何でもできる「積極的平和主義」

2015年08月18日 00時00分22秒 | Weblog


東京新聞の記事【核兵器も「弾薬」と解釈 安保法案「輸送排除せず」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015080602000114.html)。

 「中谷元・防衛相は・・「核兵器の運搬も法文上は排除していない」」・・・・・・。
 武器輸送・弾薬輸送はOK。武器の提供はNG、でも、弾薬の提供もOK。アベ様達の脳内回路を見てみたい、「正気でなく狂気」・・・・・・出来ないことを探す方が困難という無茶苦茶ブリ=つまり何でもできる「積極的平和主義」だってさ。それを愛し、戦争法案壊憲法案を熱烈に支持する公明党の醜さ。自公議員は本当に何も疑問を感じないのだろうか? 「核兵器の運搬」ですよ?


   『●壊憲:「国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を
          破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶ」

   『●宮崎駿監督は「憲法解釈を変えた偉大な男として
      歴史に名前を残したいのだと思うが、愚劣なことだ」と批判

   『●形だけの議会制民主主義が、
      戦争法案・壊憲法案でアベ様によりさらに形骸化

   『●砂川事件元被告、戦争法案・壊憲法案を
      「まったくでたらめな解釈」「立憲主義への冒涜」と指摘

   『●アベ様の「誇りある国へ」=
      戦争で「殺す側になる」「人殺しに加担する」、でいいのか?

   『●壊憲:「国民を置き去りにした状態で
      法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶ」

   『●アベ様のやっていることは「改憲」ではない!、「壊憲」!!
   『●「期限付き独裁」を許容?: 壊憲法案への狼煙、
        「声なき声」、またしても「国民は忘れる」・・・のか?

   『●高校生による壊憲法案反対デモ:
     赤紙を受け取る側の論理、人殺しに加担させられる側の論理

   『●自民党の武藤貴也衆院議員: 赤紙を送る側の(非)論理、
                      人殺しに加担させる側の(非)論理

   『●「「死にたくない」だけでは足りない、
      「人を殺したくない」という気持ちこそが、戦争の抑止力となる」

   『●「次なる選挙で自民党(+公明党)にだけは
       投票しないようにすること」・・・「ワスレイデカ」!

   『●山岡俊介さん「軍産複合体国家の米国の
       商売としての戦争にわが国が引きずり込まれる・・・」

   『●戦争法案・壊憲法案に「対案」? 
       答えは「No!」、対案なんてクソくらえだ!

 asahi.comの記事【「防衛相の非核三原則答弁、説得力ない」民主・枝野氏】(http://www.asahi.com/articles/ASH8566YXH85UTFK00Z.html?iref=comtop_list_pol_n04)によると、「法律案で、何ができるのか、できないのかが問題だ。弾薬は武器ではない、その武器ではないもののなかに、ミサイルも入る(と言う)。それに核弾頭が載っていてもそれが(輸送可能な弾薬の範囲に)入るという。安倍内閣は、武器輸出三原則などを大胆に緩和をしていて、非核三原則があります、(だから輸送しない)と言っても、ほとんど説得力をもたない」。

 関連して、「人殺しに加担させる側の(非)論理」に加担するマスコミ。
 『LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の記事【中谷防衛相が「安保法制で核兵器輸送も可能」と発言も、NHKと読売が「核輸送否定」と真逆報道! 御用ぶりに唖然】(http://lite-ra.com/2015/08/post-1361.html)によると、「広島に原爆が投下された8月6日を前に、安保法制のとんでもない正体が露わになった。参院特別委員会で、中谷元防衛相が“自衛隊による核兵器の輸送も法文上排除していない”と明言したのである。また、後方支援活動として核兵器を搭載した戦闘機や原子力潜水艦への給油活動ができることも認めた・・・・・・まさに、安倍政権と安保法制の恐ろしさに言葉が出ないが、もうひとつ愕然としたのがマスコミの報道姿勢だ」。続きは原文をどうぞ。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015080602000114.html

核兵器も「弾薬」と解釈 安保法案「輸送排除せず」
2015年8月6日 朝刊

 中谷元・防衛相は五日の安全保障関連法案に関する参院特別委員会で、戦闘中の他国軍に対する支援で行う弾薬の輸送について「核兵器の運搬も法文上は排除していない」との見解を示した。日本周辺事態を想定した現行周辺事態法による米軍支援では弾薬輸送を可能としているが、海外での自衛隊活動を広げる安保法案の審議で、輸送できる弾薬に大量破壊兵器も条文上は含まれると解釈を広げた

 弾薬の輸送は、国際貢献を目的に掲げた旧テロ対策特別措置法、旧イラク特措法に基づく米軍支援では支援内容から排除。周辺事態法での米軍支援では可能としているが、政府は「弾薬」を「武器とともに用いられる火薬類を使用した消耗品」と定義。核兵器は想定されていなかった。

 中谷氏もこれまでの特別委審議で、ミサイルや手りゅう弾、クラスター(集束)弾、劣化ウラン弾も弾薬にあたり、輸送を「法律上排除しない」と説明してきたが、五日の特別委では核兵器も加えた化学兵器の輸送も条文上は排除されないとし、核兵器を搭載した戦闘機への給油も「法律上は可能」と述べた。

 同時に、中谷氏は他国の核兵器を輸送する可能性については「全く想定していない。あり得ない」とも強調した。日本が核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」とする非核三原則を堅持し、核拡散防止条約(NPT)にも加盟していることを根拠に挙げた。

 主な支援対象国となる米国が、核兵器や化学兵器を使用する可能性は低い。だが、クラスター弾や劣化ウラン弾はイラク戦争で実際に使用。自衛隊による弾薬輸送を種類に応じて禁止する「歯止め」が法案に規定されていない以上、「非人道的」と批判される兵器をいつの間にか運んでいたということにもなりかねない。

 民主党の枝野幸男幹事長は記者会見で「法的にできるが、(安倍政権は)やる気はないという話はまったく意味がない」と述べ、将来の政権が実施する余地を残す法案を批判した。
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●2014年7月1日「7・1クーデター」の第二幕・・・違憲な手法で壊憲するアベ様ら自公政権の暴走

2015年07月28日 00時00分12秒 | Weblog


東京新聞のコラム【【私説・論説室から】「7・1クーデター」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015072202000140.html)。

   『●他人を「非戦闘地域」や戦場に行かせるのならば・・・、
               平和憲法を放棄し、壊憲するのならば・・・

   『●彼・彼女らに投票した人達は何も感じないのだろうか?
   『●戦争屋による憲法違反の「集団的自衛権」閣議決定
           ・・・「やめろと言わないのは“許した”のと同意」


 2014年7月1日・・・・・・「何かが壊れた-。昨年七月一日に集団的自衛権の行使を認める閣議決定がなされたとき、そう感じた人も多いのではないか。私は当時、ある言論誌に「政治的なクーデター」と書いた。歴代内閣が憲法九条のもとではできないと約束してきたのに、「解釈改憲」により、それを破ったのだから…」。

   『●壊憲:「国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を
         破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶ」


 既に1年前に「クーデター」は起きていたわけです。「国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶ」、それが2014年7月1日に起き、1年後の2015年7月15日に衆院で強行採決して「クーデター」の第二幕が下りたということです。
 「良識の府」参議院で押し止められるか? 壊憲反対の狼煙を上げ、平和憲法を守るための「声なき声」をアベ様の脳内にコダマさせる必要がある。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015072202000140.html

【私説・論説室から】
7・1クーデター
2015年7月22日

 何かが壊れた-。昨年七月一日に集団的自衛権の行使を認める閣議決定がなされたとき、そう感じた人も多いのではないか。私は当時、ある言論誌に「政治的なクーデターだ」と書いた。歴代内閣が憲法九条のもとではできないと約束してきたのに、「解釈改憲」により、それを破ったのだから…。

 ほぼ一年たって、憲法学者の石川健治東大教授と話をしたとき、それに及んだ。石川教授も「法学的にはクーデターだったと思っています」と語った。石川教授によれば、国民もしくは大本の規範は動かないまま、政府レベルで法秩序の連続性の破壊が起こった場合を、法学的にはクーデターという。

 「政府が国民なり外国に対して約束したことを破るためには、より上位の規範に則(のっと)った、ふさわしい手続きによるのでなければなりません。国民投票や、それに相当する手続きが必要だったはずです。それを普通の閣議決定で決めてしまいました法学的には『法の破壊』がなされたといいます。クーデターとは『法の破壊』の一種なのです」

 自分が契約したのだから、自分が勝手に契約を破っていい-。そんな無法が契約社会で通用するはずがない。「合意は拘束する」というルールが破られたのだ。

 何かが壊れたと感じた、あの出来事は「7・1クーデター」と呼んでいいのではないだろうか。 (桐山桂一
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●アベ様の「誇りある国へ」=戦争で「殺す側になる」「人殺しに加担する」、でいいのか?

2015年07月26日 00時00分21秒 | Weblog


東京新聞の記事【自衛隊員の妻と母苦悩 夫の戦死も人殺しもイヤ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015072402000116.html)と、
コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015072502000148.html)。

 「「夫に出会った時、集団的自衛権を行使するような自衛隊だったら、結婚しなかったかもしれません」・・・・・・「夫が戦死するのも、人殺しに加担するのも嫌ですから」」。
 「「殺される側ではなく、殺す側になるかもしれぬ」という恐怖・・・・・・自ら「殺す側」に身を置いたからこそ、「人を殺すのは悪い」とどんな恐怖にも屈せず言えるようにならなくてはならないのだと▼それが、哲学を唱えるのではなく、哲学を生きた人・鶴見俊輔さんが、戦後七十年の日本に言いのこしたことだろう」。
 「人殺しに加担」・・・・・・アベ様、麻生氏、石橋氏ら、そして、その親族がまずは「非戦闘地域」へ行って下さい。

   ●壊憲派に、フリーハンドを渡してはならない

 アベ様らは「美しい国」「誇りある国へ」と唱えるが、その現実は、戦争で「殺す側になる」「人殺しに加担する」ことです。

   『●壊憲:「国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を
          破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶ」

   『●宮崎駿監督は「憲法解釈を変えた偉大な男として
      歴史に名前を残したいのだと思うが、愚劣なことだ」と批判

   『●形だけの議会制民主主義が、
      戦争法案・壊憲法案でアベ様によりさらに形骸化

   『●砂川事件元被告、戦争法案・壊憲法案を
      「まったくでたらめな解釈」「立憲主義への冒涜」と指摘


 経済的徴兵も含めて、「赤紙」の来る時代にしてはいけない。

   『●いろんな意味で疲れます・・・住民基本台帳活用と
          アイドルによる「番宣」で「果てしない夢」へGO!

   『●東京新聞・半田滋さん「「銃後の国民」も
     無関係ではいられない。たいへんな思いをするのは・・・」

   『●血税と赤紙と・・・「主権者である天皇に徴兵制に基づき血を納めた」。
                    そして、いま、アベ国王へ血税が

   『●子供たちと赤紙: 「学校保護宣言」に調印しない戦争好き、
                侵略戦争マニアな国々はどこ??

   『●「18歳選挙権」にさえ無関心?: 
     血税と赤紙と、そして、(経済的)徴兵制への第一歩か?

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015072402000116.html

自衛隊員の妻と母苦悩 夫の戦死も人殺しもイヤ
2015年7月24日 朝刊

      (航空自衛隊員の妻が記したメール)

 安全保障関連法案の審議が来週から参院で始まる見通しとなり、他国を武力で守る集団的自衛権行使に基づく自衛隊派遣が現実味を帯びてきた。海外の現場で、隊員の安全は確保されるのか。国民の疑問が解消されない中、本紙に寄せられた自衛隊員の妻のメールなどから、苦悩する家族の姿が浮かぶ。 (中山高志


 「夫に出会った時、集団的自衛権を行使するような自衛隊だったら、結婚しなかったかもしれません」。夫が航空自衛隊員の関東地方の四十代の主婦は、メールに割り切れない思いを記した。「夫が戦死するのも、人殺しに加担するのも嫌ですから」

 衆院特別委員会で法案が可決された十五日。夫の職場では「とうとう戦死者が出るな」との声も上がった。帰宅後にそう打ち明けた夫は「今までやってきた訓練が生かされる」と冷静を装った。しかし、皮肉っぽい言い方からは、本音だとは思えなかった。

 その前日夜には家族で法案について話し合った。「まずはソマリアに行かされるだろうな…」。淡々と語る夫に、子どもたちは「行かされそうになったら、足の骨を折っても行かないようにして」と懇願した。

 東京電力福島第一原発事故の直後、夫に事故現場への出動が持ち上がった。「なんであなたが」と泣きながら反対したが、夫は「命令には従わないといけない」と冷静だった。結局、出動命令は出なかったが、連れ添う伴侶の覚悟の重さをあらためて感じた。

 海外への出動命令が下れば、夫は四年前と同様に粛々と従うと思う。でも「人を殺す爆弾を運ぶために入隊したわけじゃない。本当は行きたくないはずだ」と心中を思いやる。

 「本心から法案に賛成の方は、お子さんたちと新しい軍隊をつくり、戦地に行ってほしい」。主婦はメールをこう締めくくった。「戦地に行くことがどんなことなのか。いま一度、わが身に置き換えてよくよく判断してもらいたい」

     ◇

 今春、長男(18)が陸上自衛隊に入ったばかりという中部地方の女性保育士(49)は、本紙の取材に「息子のような底辺の隊員は、上層部の言うがままに海外に駆り出されてしまうのでは」と電話口で不安を語った。

 昨年夏、高校生だった長男が就職活動をしていたころ、安倍政権が集団的自衛権の行使容認を閣議決定した。「自衛隊が今までより海外に行くようになるのでは」と漠然と感じた。

 だから当初は入隊に反対した。「集団的自衛権って知ってる?」。長男に聞くと「騒がれているのは知っている」とピンときている様子はない。それでも、工業高校で学んだ物づくりの知識を自衛隊で生かしたいとの意志が固いことを知り、最後は「自分で決めているのなら頑張って」と背中を押した。

 集団生活で教育を受ける長男からの連絡はあまりない。「いずれは海外で、武器を持って戦うようになってしまうのではないか。そうならないでほしい」
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015072502000148.html

【コラム】
筆洗
2015年7月25日

 十五歳で渡米して、名門ハーバード大学を十九歳で飛び級で卒業した鶴見俊輔さんは日米開戦を受け、帰国の途に就いた。日本の敗戦を確信していたが、「負けるときに、負ける側にいたい」と考えてのことだったという▼米国に残るという選択肢もあった。そうすれば少なくとも自分の手を汚さずに済むだろうし、反戦の立場を保つこともできる。しかし、あえて帰国の道を選んだ▼鶴見さんは、海軍の軍属として南方の戦地に送られた。そこで彼をさいなんだのは、「殺される側ではなく、殺す側になるかもしれぬ」という恐怖だった。実際、同僚の軍属は拿捕(だほ)した民間人の毒殺を命じられて、実行していたのだ▼殺人を命じられたら服毒自殺しようと心に決めていたが、本当にそうできたのか。あのとき自分に「敵を殺せ」という命令が下ったなら、恐怖のあまり命令に従っていたのではないか▼そういう問いを戦後も手放すことなく抱え続けた鶴見さんが最後に目指した理想とは、「私は人を殺した。人を殺すのは悪いと、一気に言い切れるようになることだったという。自ら「殺す側」に身を置いたからこそ、「人を殺すのは悪いとどんな恐怖にも屈せず言えるようにならなくてはならないのだと▼それが、哲学を唱えるのではなく、哲学を生きた人・鶴見俊輔さんが、戦後七十年の日本に言いのこしたことだろう。
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●壊憲:「国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶ」

2015年07月22日 00時00分48秒 | Weblog


videonews.comの記事【あれは安倍政権によるクーデターだった】(http://www.videonews.com/marugeki-talk/745/)。

 「国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶのだと、石川氏は言う・・・・・・石川氏は今回日本が失ったものの中で、最も大きかったものは「理屈が突破されたこと」だったという」。

 日本の法秩序が破壊・・・「国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶ」。傲慢にも首相の権力を私物化したアベ様、それを可能にさせた自公投票者眠り猫の皆さん。 

   『●自公議員投票者・支持者の大罪:
     「傲慢」・・・それがアベ様の自公政権の本質であることは明白だった

   『●狂気・・・アベ様は「確固たる信念があれば」戦争も辞さず:
              壊憲・戦争法案、衆院特別委員会で強行採決

   『●自公議員投票者・支持者の大罪:
     壊憲法案・戦争法案を目の当たりにして罪の意識も無し

   『●「異常さが際立つ」戦争法案・壊憲法案・・・
      「デモ活動を「テロ行為」と同一視」の石破茂氏さえ異議

   『●国会周辺、全国に広がる狼煙、「声なき声」・・・
      聴く耳をもたないアベ様の脳内にコダマする「声」は?


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http://www.videonews.com/marugeki-talk/745/

あれは安倍政権によるクーデターだった
石川健治氏(東京大学法学部教授)
マル激トーク・オン・ディマンド 第745回(2015年7月18日)

 あの日、日本でクーデターが起きていた。そんなことを言われても、ほとんどの人が「何をバカな」と取り合わないかもしれない。しかし、残念ながら紛れもなくあれはクーデターだった。そして、それは現在も進行中である。

 安倍政権は7月15日の衆院の委員会で安全保障関連法案の採決を強行し、翌16日には本会議を通過させた。国会の会期が9月27日まで延長されていることから、仮に参院が法案を議決しなくても、衆院通過から60日後には衆院の3分の2の賛成で法案は可決する。衆院では自民、公明を合わせると3分の2以上の議席を得ていることから、16日の衆院の通過を持って、事実上法案の成立は確実になった。

 これは一見、民主主義の正当な手続きを踏んでいるように見えるが、決してそうではない。今回日本の政治に起きたことは、後世にまで禍根を残すことになるだろうと東京大学法学部教授で憲法学者の石川健治氏は言う。

 その理由として石川氏は今回、安倍政権が、憲法を改正しないまま、長年にわたり憲法によって禁じていると解されてきた集団的自衛権を容認する法解釈と法整備を強行したことによって、「法秩序の連続性が切断された」と考えられるからだと説明する。

 元々安倍政権は憲法9条を改正して、日本も軍隊を持ち戦争のできる「普通の国」にしたいという野望を抱き、それを公言して憚らなかった。しかし、それを実現するために必要な国民の支持がないことがわかると、今度は憲法改正を困難にしている憲法96条を改正し、現行の3分の2から国会の2分の1の賛成で憲法改正を発議できるようにしたいと言い出した

 憲法の条文を改正する手続きを定める憲法96条は、憲法の中では他のすべての条文よりも高い位置にあるそれを壊す行為は憲法そのものを転覆させる行為であり、これを法学的には「革命」と呼ぶが、「革命」が成功するためには国民の支持が必要だ。しかし、日本国民は憲法96条の改正を支持しなかったため、「革命」は失敗に終わった

 ところが安倍政権は今度は、国民を置き去りにしたまま、政府レベルで法秩序の連続性の破壊を図った。内閣法制局長官を集団的自衛権容認論者にすげ替え、集団的自衛権の行使容認を閣議決定し、政権与党のみで法案を国会を通してしまった。国民から支持を受ける「革命」に対し、国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶのだと、石川氏は言う。

 石川氏は今回日本が失ったものの中で、最も大きかったものは「理屈が突破されたこと」だったという。参考人として呼ばれた3人の憲法学者にことごとく違憲の烙印を押され、憲法学者はもとより世のほとんど学者も、歴代の内閣法制局長官も、こぞってこの集団的自衛権を認めるこの法案は違憲であると主張していた。こうした主張に対する政府・与党側の反論は、集団的自衛権とは何の関係もない砂川事件の最高裁判決で集団的自衛権は禁止されていないという、およそ屁理屈にもならないようなお粗末なものだった。また、今回の法整備によって日本の抑止力が高まるという政府の主張も、根本的な部分に誤謬があることも明らかになった。

 理屈の上では安保法制をめぐる安倍政権の主張は完全に敗北していた。しかし、にもかかわらず論理的に破綻している法案が閣議決定され、7月16日の衆院通過で事実上の成立が決まってしまった。

 理が通らない政策が数の論理によって押し切られてしまったことで、日本が「法秩序」を失ったことの影響は大きい。今後、この法案がもたらすであろう個別の問題を考えただけでも目眩がしそうだが、より高次元で日本の法秩序が破砕されたことの影響は恐らく安全保障分野だけにとどまらないだろう。われわれの多くが、日本という国の政治の頂点で、「理」が「無理」によって押し切られるところを目撃してしまった。これによって戦後われわれが大切に育て、守ってきた「公共」空間が壊されてしまった。

 ここに至るまで安倍政権は、解釈改憲を実現するために内閣法制局長官をすげ替えたほか、アベノミクス実現のための日銀総裁人事にも介入した。また、メディアへの圧力を強める一方で、NHK会長人事にも介入してきた。こうした行為もまた、憲法96条改正の通底するところがある。最終的に法秩序を破壊するような行為を行う上で、まず邪魔になる障害を取り除くために首相の権限をフルに活用する。法律で委ねられた権限を行使しているだけとの見方もあろうが、そもそもそうした権限が内閣に委ねられているのは、そうした個々の機関の暴走を防ぐためであり、首相の権力を私物化するためではないそれを自身の権力や権限の拡大のために利用する行為は、権力の目的外利用であり、権力の濫用に他ならない

 今回の安保法制の事実上の成立で日本が失ったものとは何なのか。今後その影響はどこで表面化してくるのか。われわれはそれにどう対抗していけばいいのか。知性主義立憲主義も否定したまま自身の目的達成に向けて突っ走る安倍政権と、われわれはいかに向き合っていけばいいかを、ゲストの石川健治氏とともにジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。

PROFILE
石川健治 いしかわ けんじ
東京大学法学部教授

1962年福島県生まれ。85年東京大学法学部卒業。東京都立大学法学部助教授、同教授などを経て2003年より現職。著書に『自由と特権の距離・カール・シュミット「制度体保障」論・再考』、共編著に『学問/政治/憲法・連環と緊張』など。
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