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●虚しきカンバン倒れのカンバン下ろし…「一億総活躍推進室」「働き方改革実現推進室」「人生百年時代構想推進室」「統計改革推進室」…

2021年12月04日 00時00分12秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]


(20211123[])
日刊ゲンダイの記事【注目の人 直撃インタビュー 浜矩子(同志社大教授)/岸田政権の経済政策を「アホダノミクス」と命名 「アホノミクスのパクリで新鮮味なし」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/297284)。
中山岳・古川雅和記者による、東京新聞の記事【「一億総活躍」「働き方改革」安倍政権の看板、推進室がひっそりと幕 組織乱立は岸田政権でも】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/142930)。

 《「新しい資本主義」とは結局、何なのか――。岸田首相の衆院選での訴えを聞いても、政府の会議の提言を見ても、いまひとつよく分からない。安倍政権と菅政権の経済政策を「アホノミクス」「スカノミクス」と命名して断罪してきた闘うエコノミストは、岸田政権の経済政策に何を見るのか、何と呼ぶのか。》
 《「一億総活躍」「働き方改革」―。安倍政権の看板政策を推進した内閣官房の4分室が、衆院選後にひっそりと廃止された。繰り返されたキャッチフレーズが耳に残っている人も多いだろうが、果たして成果はどの程度あったのか。「やってる感」の演出とも言われた組織の乱立は、岸田政権でも始まりつつある》。

   『●経産省内閣復権でいいの? …デモクラシータイムス【総選挙の争点③
      どうするエネルギー EVと原発(古賀茂明×飯田哲也×山田厚史)】
   『●《右も左も関係ない。シンプルに考えればいい。政治を私物化し、国の
      かたちを歪めてきた異常極まりない勢力は退場させなければならない》
   『●カマトト産経系広報紙《岸田文雄首相が掲げる「新しい資本主義」の
     意味がよく分からない》➙新自由主義、小さな政府、市場原理主義経済

 どんな成果を上げ、成果が無ければ責任の所在は? それ無しに錆びついた看板を掛け直すのか? 虚しきカンバン倒れのカンバン下ろし…「一億総活躍推進室」「働き方改革実現推進室」「人生百年時代構想推進室」「統計改革推進室」。一方で、新たに《混乱が避けられそうにない組織を次々と立ち上げる手法は、まるで安倍政権のよう》。クダラナイことだけは《継承》。《屋上屋を架し、人と金を浪費する結果にならないか》…そうなるに決まっている。

 中島岳志さん「今回の選挙の総括をまちがえてはいけない野党共闘が否定されたのではない野党共闘が徹底できなかったことが問題なのだ」…そうでないと思うのならば自公お維コミに移籍してはどうか?
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/立憲民主党 目先の政治に飛びつくだけの野党でいいのか】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202111160000067.html)によると、《★立憲民主党代表選挙の攻防が本格化してきた。党内は共産党との野党共闘の評価が焦点となりそうで、共闘に一定の評価を与え、野党共闘なくして自民党に対抗できないとする勢力と、共産党と組むことで、本来の立憲支持層が逃げたのではないかとする野党共闘再考派が対立する。しかし、枝野執行部は得票も増やし、責任論を問われる戦績とは言えない。いわば党内では枝野政治自体が国民に受け入れられなかった点が多くの批判を浴びている。 ★つまり党内で路線闘争に明け暮れても自公政権を凌駕(りょうが)することはできない。保守基盤の政党にするか、野党共闘リベラル政党にするかが問われているのではない。政権がこう出たから対抗策で戦うという手法に国民は期待を持っていないのではないか。目先の政策というより政治に飛びつくだけの野党ではいつまでたっても政権を超えられないことを念頭に置くべきだ。 ★社会構造が変化する直前の社会はうまく変革の波に乗れない人たちや、様子を見たいという思考停止型の人たちであふれる。その多くの国民にソフトランディングのチャンスと仕組みを与える国家像や社会構造の変化に耐えうる価値観を作り出さない限り、行けるところまで行こうとする霞が関の硬直化した思考と、その場しのぎのごまかしで国民を不安に陥れる政府を先んじることはできない。その間に世界的社会構造の変化で、日本が売り物にしていた自動車産業は壊滅的打撃を受けるだろう。雇用は激減、場合によっては自動車は部品工場だけでなくメーカー自体が家電メーカーの作る自動車の台頭で不要になるかもしれない。自動運転になれば自動車免許や車検制度自体も将来どうなるかわからない。いつの間にか中国からはスキルのあるなしにかかわらず、大陸での雇用の募集や、中国企業の日本国内工場の募集があるだろう。給料は今の倍や3倍出すといわれる。連合も立憲の主導権争いをしている場合だろうか。政治にコミットするよりそれぞれの産業構造を見直す時期ではないのか。》
 AERAの記事【「野党共闘をやめる選択肢はもうない」山口二郎・法政大学教授インタビュー】(https://dot.asahi.com/aera/2021111500065.html)によると、《「野党共闘をやめる」という選択肢はもうない、と思います。立憲の代表選に意欲を示しているとされる4人=小川淳也(50)、大串博志(56)、泉健太(47)、西村智奈美(54)の各氏=の顔ぶれを見ても、いずれも「野党共闘」で当選した人たちです。共産党らとの共闘の力を身に染みて感じています。…連合内部では、民間労組と官公労との間に考え方や路線の違いがありますが、新会長の芳野さんは、民間4産別(UAゼンセン、自動車総連、電機連合、電力総連)の支持で就任した方です。路線論争を続けるのは不毛だと思うので、連合は今後、ナショナルセンターであることをやめ、政治活動は「地域ごと産別ごと」に自由に行うという方針を出すべきだと考えています。連合は結成以来、「非自民、非共産」でやってきましたが、2019年の参院選では、自治労、日教組とは別に、民間労組の独自の動きもあったので、産別や地域別に政党支持を打ち出すことは可能だと思います。今の連合指導部が「自民党政権を倒す」という政治的目標をどれだけ持っているのか、疑問はありますが。》

 コドモか! ガキか!!
 日刊ゲンダイの記事【安倍元首相に何が…派閥会長就任後、初の総会にいきなり“無断欠席”で周囲大困惑】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/297716)によると、《どうやら会長就任が思ったほど歓迎されなかったことにブンむくれて、ヘソを曲げてしまったようなのです》。

 最後に。校費は削りに削られ、光熱水道費にさえアップアップ…。
 長周新聞の記事【日本の学術の地位 急激に低下 大学法人化後の惨憺たる崩壊 借金地獄で研究者育たず】(https://www.chosyu-journal.jp/kyoikubunka/22133)によると、《2004年の小泉純一郎政権のもとでの国立大学法人化以降、声高に「大学改革」なるものが叫ばれ、「社会に開かれた大学」などという耳に心地良いフレーズとともに各大学で文字通り「改革」が断行されてきた。そして17年が経過した今、国公立大学では東大でも京大でも法人化を契機として国による財政的支配が強まり、学長選考や大学運営を巡るすべてにおいて教授会の意志(学内民主主義)が否定されたり、「私物化」ともつながったトップダウン型の支配が強まっていることが問題になっている。政治及び大企業・資本による権力・金力をともなった学問領域への介入によって、大学は新自由主義路線のお先棒を担ぐ道具のように扱われ、一方では理系偏重はじめ軍事研究へと誘っていくようなやり方があらわとなっている。こうした国家機構や巨大な資本に奉仕させる「大学改革」の結果として、日本の学術は発展したのか? である。近年の趨勢や大学教員及び研究者をはじめとした現場の人々への取材や明らかになっている統計から、記者たちで議論してみた》


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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/297284

注目の人 直撃インタビュー
岸田政権の経済政策を「アホダノミクス」と命名 「アホノミクスのパクリで新鮮味なし」
公開日:2021/11/15 06:00 更新日:2021/11/15 12:15

浜矩子(同志社大教授)

     (同志社大教授・浜矩子氏(C)日刊ゲンダイ)

 「新しい資本主義」とは結局、何なのか――。岸田首相の衆院選での訴えを聞いても、政府の会議の提言を見ても、いまひとつよく分からない。安倍政権と菅政権の経済政策を「アホノミクス」「スカノミクス」と命名して断罪してきた闘うエコノミストは、岸田政権の経済政策に何を見るのか、何と呼ぶのか。

 ◇  ◇  ◇

 ――岸田政権については何かネーミングされましたか?

 「アホダノミクス」にしました。「アホノミクス」のパクリであるという意味と、「困ったときのアホ頼み」の2つを掛け合わせて。どうしてもアホノミクスの大将が背後霊のように見えてしまう。所信表明演説のひとつの軸になっていた「成長と分配の好循環」は、2016年からアホノミクスの大将が使い始めた言葉です。それ以前は「成長による富の創出」という言い方をして、「分配ばかりだった民主党政権の下では、経済が縮小均衡で全然ダメだったじゃないか」と批判していたのですが、あまりにも分配に冷たいので評判が悪いと察知したと見えて、選挙向けに「成長と分配の好循環」という言葉を使い始めたんですね。アホダノミクス男はそれをそのままパクっているわけで、新鮮味は全くないですし、基本的にアホノミクスと同じ路線だということです。

 ――岸田さんは当初、「分配」に重きを置いているように見えましたが。

 「成長なくして分配なし」「分配なくして成長なし」。いずれにしても、そういう言い方はやはり、成長することが基本的な狙いです。一見路線を変えているように見せながら、実は何も変わっていない。もうひとつ、パクリといえば「分厚い中間層の復活」もそうです。あれは民主党政権で野田首相が盛んに使っていた言葉。本当にパクリ男だなあと思いました。

 ――独自性も新しさもなく、安倍路線の踏襲に過ぎないと。

 アホノミクスの大将のように21世紀版の大日本帝国を構築するというような野望はなさそうですが、憲法改正はやるんだと言っている。ただ、それも引っ込め気味。そういう意味では、構えがよく分からない面もある。まあ、スカノミクス親父もあまり分からなかったけれど、アホダノミクス男は基本的に弱虫なんですかね。だから決然として自分がやるべきことを貫くという感じがない。いろいろ言われると、すぐ既定路線に戻ってしまう。


■「丁寧な説明」を多用するワケ

 ――覚悟の問題ですか?

 「丁寧な説明」ということを所信表明で繰り返し言っていました。これもアホノミクス以来使われる言葉ですけれど、岸田さんは宏池会ですよね。それで、大平正芳さん(元首相・宏池会第3代会長)の所信表明演説とちょっと読み比べてみたんです。格調も何もまるで違うのですが、「ああ、なるほど」と思ったのは、大平さんは「国民に率直に真実を語って参ります」と言っているんですね。一方、岸田演説には「率直」も「真実」も、どこにも出てこない。あまりにも不都合な真実が多すぎるから、率直には語れないのでしょう。「丁寧な説明」をあれほど多用するのは、率直に語れば済むことなのに不都合で語れないから、ああでもないこうでもないと言って、説明でごまかす。大平演説を読んで非常によく分かりました。

 ――大平元首相との比較は興味深いですね。

 「ロッキード問題」などがあった時代ですからね。自分がどんなに泥をかぶっても、やらなきゃいけないことがある。国民の政治に対する不信感に強い危機意識を持ち、経済運営のあり方も変えなくちゃいけない、もはや今まで通りではいかない、と言っていました。そういう危機意識がアホダノミクス男からは全然伝わってこない。だから、今の日本の資本主義体制の回り方ではダメだという強い思いを持って「新しい資本主義」というものを打ち出しているとは到底思えません。ただ、体裁を整えているだけで、コミットメントの浅さというか、軽さというか。


「新しい資本主義」は定義矛盾です

     (「体裁整え方男」(C)日刊ゲンダイ)

 ――その「新しい資本主義」ですが、いったい何なんでしょう? 資本主義が限界に来ているという議論はありますが。

 新しい資本主義実現会議」というのが発足したけれど、メンバーに新しい人ってあまりいない気がします。この人たちで新しい資本主義の形が考えられるとは到底思われないような、安倍政権時代の「未来投資会議」とか、今までと同じような方向性を持った人々がそこにいる。「新しい資本主義」という言い方自体が、定義矛盾というか、資本主義は資本主義なので、それを新しくするって、たぶんできないんだと思うんですね。

 ――定義矛盾ですか?

 そもそも資本主義という言葉で何を言い表そうとしているのかさえ定かではありません。資本主義的生産体制のことなのか。そうであるはずですけれど、資本主義的生産体制というものを岸田さんが分かっているのかも非常に疑問です。「なんとか資本主義」のような言葉が盛んに使われていますが、資本主義は資本主義なので、そういう尾ひれをくっつければ、また資本主義を生き永らえさせることができる、活性化することができる、と考えること自体、ちょっと的外れかなと思います。資本主義が限界に来ているということであれば、そうでないものを持ってこないといけない。資本主義の延命にしがみついていることが、「新しい資本主義」という言葉を生み出しているのではないかと思います。

 ――問題は、資本主義を新しくすることではないと?

 資本主義が資本の力を封じ込めることができなくなっているところに、問題があるんじゃないかと思うんですよね。経済がグローバル化し、金融化し、フィンテック化し、IT化している中では、資本主義の仕組みに資本を封じ込めることができなくなっていて、資本が縦横無尽に国境を超えて増殖し、凶暴性を発揮しているわけです。この資本の凶暴性をどうコントロールするのか、というような議論をする場をつくるのであれば意味がありますが、資本をコントロールできなくなった資本主義の延命のために、新しい飾りつけをしようと考えているのでは、非常にまずいと思います。


■フワフワした「体裁整え方男」

 ――「分配」政策として、保育士や介護士などの給料を引き上げるとか、賃上げした企業には税制優遇するなどについては、どうお考えですか?

 エッセンシャルワーカーの待遇改善も、非正規雇用者やフリーランスに対する保護を手厚くするのも、当然ながらやらなくてはいけない。問題は、どう政策が関わっていくのかです。まず、賃上げした企業に減税するのはおかしい内部留保のある企業に、さらに減税という形で余り金を与えるのは、いかにも安直な人気取りで筋が通りません。こういう場面でこそ必要なのが、アホダノミクス男が得意だという「聞く力」ですよ。どのような政策対応や環境整備を政策にすれば賃金を上げられるのか、待遇を改善できるのか。「やりたいけれどできないんです。この障害を取り除いていただければできます」というのをきちんと聞き取って、「さあ、おっしゃる通りにしましたから、もう賃上げできないとは言わせませんよ」というところまで詰めていく。こうした姿勢や構えこそが、本当に「聞く」「耳を傾ける」ことだと思うんです。ご用聞きを全国一斉に派遣するようなことを言ってもらえば、少しは成果に期待する感じになりますよね。

 ――最後に、岸田首相の一番の懸念材料は?

 「体裁整え方男」だという感じがするのが非常に心配です。アホノミクスもスカノミクスもおぞましかったけれど、アホダノミクスは、腰がなく、押されたら押された方向に流れて行ってしまうフワフワ感がある。吹けば飛ぶような存在の軽さ、中身のなさが、わずか1カ月で露呈してしまったことが懸念材料ですね。

(聞き手=小塚かおる/日刊ゲンダイ)


浜矩子(はま・のりこ) 1952年、東京生まれ。一橋大経済学部卒業後、三菱総合研究所に入社し英国駐在員事務所長、主席研究員を経て、2002年から現職。「EUメルトダウン」「さらばアホノミクス 危機の真相」など著書多数。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/142930

「一億総活躍」「働き方改革」安倍政権の看板、推進室がひっそりと幕 組織乱立は岸田政権でも
2021年11月16日 06時00分

 「一億総活躍」「働き方改革」―。安倍政権の看板政策を推進した内閣官房の4分室が、衆院選後にひっそりと廃止された。繰り返されたキャッチフレーズが耳に残っている人も多いだろうが、果たして成果はどの程度あったのか。「やってる感」の演出とも言われた組織の乱立は、岸田政権でも始まりつつある。(中山岳、古川雅和)

【関連記事】岸田首相、「聞く力」は看板倒れ? 特別国会は3日で閉幕、本格論戦は遅くなる雲行き


4つの「推進室」成果を見ると...

 「すでに基本的な方針を策定して期間が経過し、各府省で具体的な施策を実施している」

 松野博一官房長官は12日の記者会見で、4つの分室を廃止した理由を淡々と説明した。政策の転換ではないと否定しているが、実際どうなのか見てみよう。

     (看板を掛ける安倍晋三首相(左)(当時)と加藤勝信
      1億総活躍相(同)=2015年、内閣府で)

 まずは「一億総活躍推進室」だ。あらゆる人が活躍できる社会を目指し、2016年に「ニッポン一億総活躍プラン」を策定。安倍政権の経済政策「アベノミクス」の推進や非正規雇用の待遇改善をうたった。

 だが、安倍政権以降、働く人に占める非正規雇用の割合は約4割に高止まり。全労連の黒沢幸一事務局長は「非正規雇用の女性や高齢者らからは、コロナ禍で仕事をなくし生活が立ち行かないといった相談も多い。低賃金や長時間労働の問題は全く解決されていない」と強調する。アベノミクスで格差が拡大し、困窮する人は活躍したくてもできない現実があるという。

 次に、一億総活躍プランの働き方改革を担当した「働き方改革実現推進室」。同室が主導し18年に成立した働き方改革関連法は、罰則付きの残業時間規制を導入した。一方、一部の専門職を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」創設を盛り込んだ。政府や経済界は高プロを「労働時間に縛られない働き方」と説明。しかし、法政大の上西充子教授(労働問題)は「働く人を守る労働法の枠外での働き方を広げ、過労死ラインを越える長時間労働につながりかねない」と指摘する。

 上西さんは、兼業や副業を「雇用によらない働き方」と推奨する安倍政権以降の方向性にも疑問を呈する。「働き方改革を議論した会議のメンバーはビジネス界の関係者が多く、労働者側は連合会長が参加した程度。官邸が経済界の意向が強い政策をトップダウンで決めるなど、物事の進め方がよくなかった」。


◆スローガン先行「『やってる感』が今や露呈」

 同じく廃止された「人生百年時代構想推進室」は、幼児教育無償化に加え、働く人向けの教育訓練の充実や高齢者雇用の促進を掲げていた。ただ、黒沢さんは「多くの高齢者は年金だけで暮らせず、働かないと食べていけない。社会人の学び直しも、実践できる企業や労働者は限られる。まず成果主義や自己責任が前提の社会を変えることが必要だ」と訴える。

 4つめは「統計改革推進室」。18年に発覚した統計不正問題を受け、各府省で統計を点検する「分析的審査担当」を約30人配置していた。ただ、千葉大の小林正弥教授(政治学)は「配置しただけで、効果の検証や改善策について何ら説明もない。多くの統計で失われた信用は回復できていない。コロナ禍でも感染者数や死者数の集計に時間がかかった。政府は、統計作成やデータ収集の体制を根本的に見直した方がいい」と唱える。

 その上で、「一億総活躍」「働き方改革」といったスローガン先行の政策に苦言を呈する。「まさに『やってる感』で中身が不十分だったことが、今や露呈した」


◆看板政策で議論混乱の恐れ

 岸田政権は安倍政権時代の組織を廃止する一方、新たな有識者会議を次々につくっている。目立つのが、「デジタル臨時行政調査会(臨調)」「デジタル田園都市国家構想実現会議」といったデジタル関連だ。

 デジタル社会の実現に向けて規制や制度の見直しを進めるのがデジタル臨調。民間から十倉雅和経団連会長、IT大手ディー・エヌ・エー(DeNA)の南場智子会長らが名を連ねた。

 もうひとつの田園都市国家構想実現会議は、デジタル技術で地方の活性化を進め、都市との格差を解消することを目指す。ここには小泉政権で構造改革を進め、安倍・菅両政権でも重用された竹中平蔵慶応大名誉教授が入っている

 政権発足から時間を置かず立ち上げられた2つの会議。ニッセイ基礎研究所総合政策研究部の坂田紘野研究員は「デジタルが岸田政権の看板政策だという強い思いが見える」と話す。

 だが、政府にはすでに同じような「デジタル社会推進会議」がある。施策の推進や関係行政機関の調整を行う組織だ。既存の「規制改革推進会議」「行政改革推進会議」も議題が重なる部分が多く、何ともややこしい。

 坂田さんは「それぞれの議論が別の議論を活性化する相乗効果に期待しているのかもしれない」とみる一方、「混乱が生じないよう、各会議の役割を整理することが求められる」と話す。


◆経済政策でも「いびつな構図」

 このほか、少子化時代の社会保障制度改革を議論する「全世代型社会保障構築会議」が設置され、安倍・菅両政権の「全世代型社会保障検討会議」を継承した。長い名前だが、よく見ると「検討」の2文字が「構築」に変わっている。

 一連の組織から報告を受けるのが、内閣官房の「新しい資本主義実現会議」だ。「成長戦略会議」の役割を引き継ぐ司令塔で、山際大志郎・新しい資本主義担当相が所管する。

 ところが、政府には従来の「経済財政諮問会議」もある。新政権最初の9日の会合で、岸田首相は「コロナで傷んだ経済を立て直すとともに、成長と分配の好循環のために議論を進めていきたい」と語り、廃止は毛頭考えていない。

 その結果、経済政策は「新しい―」が司令塔になり、予算編成と骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)は諮問会議が担当する、いびつな構図が生まれた。

     (任命式と認証式を終え、記念写真に納まる岸田文雄首相
      (前列中央)と閣僚ら=10日夜、宮殿・北車寄)


◆「会議が非常に軽い扱いになっている」

 政策研究大学院大学の飯尾潤教授(現代日本政治論)は「安倍政権以降、政府は会議を立ち上げすぎてしまった。会議が非常に軽い扱いになっている」と懸念する。「新しい―」が10月26日に第1回会合を開き、2回目の今月8日に早くも緊急提言を出したことにも苦言を呈す。「具体的な政策を出すには時間がかかる。成果を出すために、じっくり議論できるようにすべきだ」

 混乱が避けられそうにない組織を次々と立ち上げる手法は、まるで安倍政権のよう。政治ジャーナリストの鈴木哲夫さんは「どの政権も“売り”の政策があれば、その会議をつくる。担当大臣に予算も権限もない、屋上屋をつくることになるのだが、外から見て仕事をやっている感が出せるからだ」と説明する。

 ただ、岸田政権でも、こうしたやり方が通用するかは分からないと、鈴木さんはみている。安倍・菅政権は内閣人事局を押さえて官僚を動かしていたが、岸田氏が官僚を牛耳っている様子はうかがえないというのだ。「省庁に権限や予算を温存したまま、結果的に実務を行う官僚を守るやり方になっている。会議の乱立で官僚主導色が濃くなるのでは」と厳しい目を向けている。


◆デスクメモ 人と金の浪費にならないか

 首相の著書によれば「デジタル田園都市構想」は高速大容量インターネットやスマートフォンの普及、デジタル支援員配置が鍵になる。既に民間がやっていることに、乗っかるような印象がぬぐえない。屋上屋を架し、人と金を浪費する結果にならないか。しっかり見極めなければ。(本)
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コメント
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●《内閣情報調査室の一室、男たちがパソコンに向かい、政権を告発した人物への攻撃を一斉に投稿している一──。…映画『新聞記者』》

2021年10月21日 00時00分20秒 | Weblog

[●『新聞記者』(望月衣塑子著)…《ひとつずつ真実を認めさせて、さらに裏を取っていくこと―――》↑]


(20211016[])
中沢佳子古川雅和両記者による、東京新聞の記事【野党攻撃ツイッター「Dappi」が自民党と取引⁉ 正体はIT企業 ネット工作まん延か】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/136538)。
東京新聞の記事【「Dappi」情報工作巡り立民・森裕子氏「卑劣な行為、やらせるな」 参院代表質問 首相は原則論答弁】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/136555)。

 《ツイッター上で、野党議員や、政権に批判的なマスコミに対し、誹謗中傷めいた批判を展開してきたアカウント「Dappi」。匿名のため正体はまったく不明だったが、その攻撃を受けた立憲民主党の小西洋之参院議員が起こした発信者情報開示訴訟により、このアカウントが都内のIT関連企業の法人のもので、同社の主要取引先が自民党だったことが分かった。この不気味な構図から見えてくるものはいったい何か。(中沢佳子古川雅和)》
 《13日午後の参院本会議で行われた各党代表質問で、政治や選挙を巡るネット上での情報工作がテーマに取り上げられた。立憲民主党の森裕子副代表は、フェイクニュースで野党攻撃を繰り返したツイッターアカウント「Dappi」問題を踏まえ、次期衆院選で自民党が不当な工作を行わないよう岸田文雄首相に求めた。首相は、自民党関係者が工作に関与していたかどうかなどの事実関係には触れず、政治活動は公職選挙法などのルールに従って行われるべきだとの原則論を答えるにとどめた》。

 《ネットを使った世論操作はまるで自民党の“常套手段”》《ビジネスの一環で安倍氏礼賛、野党攻撃を繰り返したのか。》(日刊ゲンダイ)、《フェイクニュースで野党攻撃を繰り返した》(東京新聞)。
 津田大介さん「現職の国会議員が選挙で情報工作をしていたということは、ネットでのネガティブキャンペーンが当たり前になっていたということ。(情報工作は)自民党内でも常態化しているのだろう」「ネットでプロパガンダのように発信したり、Dappiが情報をゆがめていたことは間違いない。これは健全な民主主義を阻害する大問題だ」。

 《ヘイトまがいの政権批判者叩きを展開する自民党ネットサポーターズクラブ》なんてのもあるしね、しかも、《元締め的役割》はアノ平井卓也氏だったものねぇ。アノ菅原一秀元経産相も絡んでたし。

   『●主犯A…『A Few Good Men』のように
     ネイサン・R・ジェセップ大佐を証人台に座らせろ!
   『●《人材の宝庫》…《安倍政権史上、過去最高の“お友だち=
     極右”内閣…背筋が凍るような極右議員が勢揃い》(リテラ)
   『●「フィクション」「伊藤さんと関係ない」は通用せず。一方、アベ様を
     《サポート》するための《Truth》無き《Team》《Club》は一体何を?

 町山智浩さん「政党が企業に金銭を払い政敵を攻撃させる違法性は問われるべきだ政策よりも資金力で選挙に勝つことになるだけでなく、資金源は政党助成金、つまり国民の血税に依存しているからだ」。あの《ヤミ金》の注入も疑われるよね、質が悪いよなぁ。

   『●《官房機密費…3つからなり、このうち「調査情報対策費」「活動
     関係費」は領収書が必要となる。問題は「政策推進費」》…〝ヤミ金〟
   『●しんぶん赤旗スクープ…《官房機密費(内閣官房報償費)は
     95億4200万円超…菅氏が自身に支出したのは86億8000万円超にものぼる》
   『●カースーオジサン内閣の12ヶ月…《官房機密費…およそ13億3000万円
          …領収書のいらない「政策推進費」はおよそ11億6000万円》

 リテラの記事【野党をフェイク攻撃してきた有名ネトウヨ「Dappi」の正体は自民党が主要取引先のウェブ制作会社だった!】(https://lite-ra.com/2021/10/post-6045.html)によると、《内閣情報調査室の一室、男たちがパソコンに向かい、政権を告発した人物への攻撃を一斉に投稿している一──。望月衣塑子原作の映画『新聞記者』にこんなシーンが出てきて話題になったが、これはけっして妄想などではない官邸や自民党によるネット、SNSを使った政治謀略は、日常的に行われている。最近もそのことを物語るような問題が浮上した。ツイッターで野党やマスコミ叩きをしている有名ネトウヨ匿名アカウント「Dappi」が、自民党に金で雇われた業者の運営だった疑惑が出てきているのだ。Dappiに攻撃を仕掛けられた立憲民主党・小西洋之参院議員らが発信者開示請求訴訟を起こしたところ、発信元がウェブや広告の制作会社であることが判明。しかも、その会社の取引先には「自民党」の名前があったのだという》。

 日刊ゲンダイの記事【野党攻撃のツイッター匿名アカ「Dappi」は法人運営 独自取材で見えてきた自民党の“影とカネ”】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/295862)によると、《調べていくと、同法人には自民党の影が垣間見える。都内に本店を構える同法人の登記簿には、会社設立の目的として〈ウェブサイトに関する企画及び制作業務〉などと記されている。会社情報検索サイト「ユニゾナス」によると、主要販売先として「自由民主党」の記載がある。…政治資金の流れをチェックすると、より深い自民党との関係性が浮かび上がる。…ネットを使った世論操作はまるで自民党の“常套手段”。今回のDappiもビジネスの一環で安倍氏礼賛、野党攻撃を繰り返したのか。》

 リテラの記事【ネトウヨDappiと自民党の関係が国会で追及されるも岸田首相はゴマカシ…一方、河井案里裁判でも業者がネット工作を証言】(https://lite-ra.com/2021/10/post-6047.html)によると、《立憲民主党の森ゆうこ参院議員…「国会質疑の動画を編集して、本来の意図とはまったく違う内容のフェイクニュースをつくり上げ拡散し、野党を攻撃してきたTwitterアカウントの運営者が法人であることがわかりました。しかも、BuzzFeedニュースの調査によれば、その法人は、自民党の議員や自民党の支部との取引があることもわかりました。まもなく解散総選挙がおこなわれます。総理! 今回の選挙ではお金を使ってネット工作をおこない、選挙の結果を不当に歪めるような卑劣な行為を自民党の議員におこなわせないと、この場でお約束いただけませんか」…ネット工作が根も葉もないデマならば即座に否定したはずだが、岸田首相は否定も肯定もせず、一般論でごまかしたのだ》。

 リテラの記事【ネトウヨDappi運営との取引を報じられた自民党ダミー法人の実名! 岸田首相、甘利幹事長が代表、いまも自民党から年間4000万円】(https://lite-ra.com/2021/10/post-6049.html)によると、《というのも、Dappiを運営していたと見られる広告・ウェブ制作会社が、岸田文雄首相や甘利明幹事長が代表取締役を務めたある会社とも取引があったと、本日、日刊ゲンダイが報じたからだ。まさか、総理大臣と幹事長に就任したばかりの岸田首相と甘利幹事長が要職に就いていた会社と、野党などを攻撃対象にしてフェイクニュースをTwitter上で喧伝してきた有力ネトウヨアカウントの発信元である会社に取引があったとは──。ネット上が騒然となるのも当然だろう。しかも、この会社は一応、民間企業の体裁をとってはいるが、その実態は「自民党のダミー会社」なのだ。日刊ゲンダイではこの問題の会社は「A社」と匿名になっているが、社名は「株式会社システム収納センター」という。所在地は自民党本部から徒歩で10分もかからない平河町のビルにあり、このビルには石原伸晃が会長を務める派閥「近未来政治研究所」(石原派)の事務所や、自民党の党友組織である「自由社会を守る国民会議」(自由国民会議)の事務局なども入居している。そして、この「システム収納センター」には自民党の錚々たる有力議員が代表取締役に就任。岸田首相は2001年2月〜5月と2003年12月〜2005年11月に、甘利幹事長は岸田首相と同じ2001年2月〜5月に代表取締役に。このほかにも福田康夫・元首相や細田博之・元幹事長らが代表取締役に就いてきた。さらに、同社には、「自民党の金庫番」と呼ばれてきた自民党の幹部職員である元宿仁事務総長が深く関わっているとの情報もある。元宿氏は安倍晋三・元首相との結びつきが非常に深く、河井夫妻による選挙買収事件でも資金提供のキーマンとされている人物だ》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/136538

野党攻撃ツイッター「Dappi」が自民党と取引⁉ 正体はIT企業 ネット工作まん延か
2021年10月13日 12時54分

 ツイッター上で、野党議員や、政権に批判的なマスコミに対し、誹謗中傷めいた批判を展開してきたアカウント「Dappi」。匿名のため正体はまったく不明だったが、その攻撃を受けた立憲民主党の小西洋之参院議員が起こした発信者情報開示訴訟により、このアカウントが都内のIT関連企業の法人のもので、同社の主要取引先が自民党だったことが分かった。この不気味な構図から見えてくるものはいったい何か。(中沢佳子古川雅和


◆国会質疑の趣旨改変し攻撃材料に

 「私の国会質疑の趣旨をまったく別のものに仕立て上げて改変し、やりとりの断片を切り取ってツイッターに投稿していた。そんなことが何度か繰り返され、信用や人格を傷つけられた」。立憲民主党の参院議員、小西洋之氏が「Dappi」について苦々しげに振り返る。

     (ツイッター上の「Dappi」アカウント。
      「日本が大好きです」などと自己紹介している)

 小西氏は同じ党の議員と2人で、攻撃的な内容の投稿で名誉毀損されたとして、「Dappi」を運営しているとみられる企業などを相手取り、2人分の損害賠償計880万円と投稿の削除、謝罪広告の掲載を求めて6日に、東京地裁に提訴した。

 「私だけじゃない。多くの野党議員が国会質疑の内容が違う趣旨にされるなど、同じことをされてきた。民主主義のもとで政治家が有権者の批判や監視を受けることは必要だ。言論の自由もある。しかし、投稿はその範囲を逸脱している」と小西氏は提訴に踏み切った理由を語る。


◆主要な販売先に「自民党」

 「Dappi」は2019年6月に開設されたアカウントで、現在のフォロワーは16万超。自己紹介には「日本が大好きです。偏向報道をするマスコミは嫌いです。国会中継を見てます」とつづってあり、投稿内容は野党議員やマスコミへの厳しい批判、そして、自民党議員への賛辞や支持表明が多い。ネットニュース番組や会見などの動画、新聞記事、出演者や議員たちの発言をふんだんに引用しているのも特徴だ。

 小西氏は提訴に向け、まずDappiの発信者情報を調べた。込み入った手続きの末、情報を開示してもらったところ、都内に本店を構える、ある企業が浮上した。

 この企業のホームページや登記簿、民間信用調査会社によると、設立は01年11月。主にウェブサイトや広告宣伝の企画や制作、コンサルティング、イベントの企画運営などを手掛けており、従業員は十数人。そして、主要な販売先のひとつに「自由民主党」とあった

 本紙「こちら特報部」は訴訟の件や自民党との関係を取材しようと、この企業に電話をした。だが、何度かけても留守番電話。そこで、直接訪ねてみた。都心部から電車で約20分の私鉄の駅から、歩いて5分ほどのオフィスビル。オートロックの玄関で、2階の事務所の部屋番号を入力して呼び出したが、応答はなかった。


◆「サーバー代」など毎年数十万円

 この企業は自民党とどんなつながりがあるのか。まず、東京都選挙管理委員会が公表している「自民党東京都支部連合会」の政治資金収支報告書で調べた。ホームページで公表している17~19年のいずれも、「ホームページ関係費」で「サーバー代」として約10万円を支出。それだけではない。将来の議員候補や議員秘書の発掘、政治分野のリーダー育成に向けて自民党東京都連が運営する政治講座「TOKYO自民党政経塾」の項目で、「テープ起こし」などとして毎年数十万円払っている。


◆国会議員の収支報告書にも記載

 他にもある。閣僚経験もある自民党の女性国会議員。資金管理団体の収支報告書には、19年にホームページメンテナンスやウェブサイト制作費として約110万円、18年もメンテナンスに約25万円を支出していた。

 小西氏は「自民党とどう関わりがあるのか知らないが」と前置きし、こう語る。「動画を組み入れるなどの手間を考えると、個人ではなく組織的な体制でなければ、難しいだろうと考えていた。組織を動かすにはお金が必要。その資金がどこから出ているのか。中傷被害者として、『加害者』の実態に関心がある」


◆河井氏夫妻そろってネガティブキャンペーン

 ただ、今回のケースに限らず、自民党によるネットでの情報工作の可能性は、以前から指摘されていた。

 その一つが明かされたのが、19年7月の参院選広島選挙区で公選法違反罪に問われた河井案里氏の裁判だ。20年10月19日の公判で検察が読み上げたインターネット業者の供述調書では、案里氏と夫の克行元法相もネット工作をしていたことが暴かれた。

 地元の中国新聞によると、この業者は克行氏に批判的な書き込みを検索で表示しにくくし、17年の衆院選では同氏の依頼で対立候補のネガティブな記事を出す工作もしていた。案里氏の選挙でも業者が架空の人物を名乗り、対立候補のイメージを損なう記事を投稿していた。

 ジャーナリストの津田大介さんは「現職の国会議員が選挙で情報工作をしていたということは、ネットでのネガティブキャンペーンが当たり前になっていたということ。(情報工作は)自民党内でも常態化しているのだろう」と話す。

     (19年の参院選前に自民党が議員に配布した冊子)


◆「荒唐無稽」ニュースで冊子まで

 19年の参院選をめぐっては、選挙戦前に発信者不明なニュースサイトの内容をまとめた「フェイク情報が蝕むニッポン トンデモ野党とメディアの非常識」と題する冊子が党本部から同党国会議員に「参考資料」として配られた。野党党首らを貶めるイラストのほか、政権批判のマスコミ報道をフェイクニュースと断定するなど、当の同党議員さえ「荒唐無稽」と評するものだった。

     (冊子に掲載された野党党首のイラスト)

 一方、ニュースサイト「政治知新」は、共産党国会議員の不倫疑惑や、沖縄県知事の大麻吸引など、ありもしない記事を何度も掲載。運営者の兄は神奈川県議で、今年7月に自民党を離党した。「こちら特報部」の取材に、この県議は「弟とは疎遠になっている。このサイトと自分は関係ない」と話し、自民党とサイトの関係も否定した。


◆海外では関与疑いの首相が辞任

 海外でも与党による情報工作は起きている。オーストリアでは16~18年、クルツ首相に有利になるように操作された世論調査が掲載され、財務省がメディアに資金を提供した疑惑が浮上。関与が疑われたクルツ氏は辞任した

 米国でもトランプ氏が勝った16年の大統領選挙で、ロシアが一般人を装いネット世論を操っていたことが判明し、大問題になった。カリフォルニア州在住の映画評論家の町山智浩さんは「政党が企業に金銭を払い政敵を攻撃させる違法性は問われるべきだ政策よりも資金力で選挙に勝つことになるだけでなく、資金源は政党助成金、つまり国民の血税に依存しているからだ」と訴えている。


◆自民党関与は「クロ」?

 果たして自民党はDappiに関与していたのか。ネット上の言説に詳しい評論家の古谷経衡さんは「個人的な感触としては、クロだと思う」と話した。Dappiが投稿した時間がほとんど限定されているためだ。「ネトウヨ業界は、お金以上に自民党への愛がある。本当に好きだったら四六時中、つぶやくはずだ」

 前出の津田さんはこう語る。「ネットでプロパガンダのように発信したり、Dappiが情報をゆがめていたことは間違いない。これは健全な民主主義を阻害する大問題だ

     ◇     ◇

◆デスクメモ 現代の「紙爆弾」だ

 ひと昔前は選挙となると怪文書が飛び交った。出所不明の紙爆弾を何度も見たことがある。もちろん印刷代、配布料がタダなわけがない。現代の怪文書は印刷代も配布料もいらない「ネット爆弾」。だがそれゆえに平時からまめな発信が必要だったか。確かにそれはカネがかかりそう。(歩)
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/136555

「Dappi」情報工作巡り立民・森裕子氏「卑劣な行為、やらせるな」 参院代表質問 首相は原則論答弁
2021年10月13日 17時10分

     (答弁する岸田首相=12日、国会で)

 13日午後の参院本会議で行われた各党代表質問で、政治や選挙を巡るネット上での情報工作がテーマに取り上げられた。立憲民主党の森裕子副代表は、フェイクニュースで野党攻撃を繰り返したツイッターアカウント「Dappi」問題を踏まえ、次期衆院選で自民党が不当な工作を行わないよう岸田文雄首相に求めた。首相は、自民党関係者が工作に関与していたかどうかなどの事実関係には触れず、政治活動は公職選挙法などのルールに従って行われるべきだとの原則論を答えるにとどめた。

 森氏は、2019年参院選広島選挙区を巡る買収事件の裁判を通じ、河井克行元法相が業者を使って対立候補のイメージ悪化を狙った架空のブログ記事を投稿をさせたことが明らかになったと指摘。「選挙に勝つためにお金を使い業者を雇ってネット工作を行っているという事実は、陰謀論の類いと思っていたが本当だったのかと人々を驚かせた。しかも自民党の法相だこれは民主主義の危機ではないか」と問題を提起し、党本部から河井陣営に渡った1億5000万円の資金が工作に使われたかどうかを尋ねた。

 さらに、「Dappi」問題を念頭に、自民党の支部や議員と取引関係にある法人が野党を攻撃する内容のフェイクニュースを発信したツイッターアカウントを運営していたとした上で「(次期衆院選では)お金を使ってネット工作を行い、選挙の結果を不当に歪めるような卑劣な行為を自民党の議員に行わせないとお約束いただけないか」と迫った。

 これに対し首相は「選挙運動や政治活動は公職選挙法などに定めがある。わが党の議員に限らず、ルールに従って発信をし、選挙運動を行い、政治活動を行うべきであることは当然のことだと考える」と述べた。

 「Dappi」を巡っては、運営者が都内のIT企業で、その主要取引先のひとつが自民党だったことが明らかになっている。(デジタル編集部)


【関連記事】野党攻撃ツイッター「Dappi」が自民党と取引⁉ 正体はIT企業 ネット工作まん延か
【関連記事】Dappiの運営について否定も肯定もせず 東京都内のIT関連企業から回答
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コメント
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●《国会も開かず党の選挙が優先》な自民党…違憲にも国会を開きもしない自公お維の暴政を許してはいけない [#投票倍増委員会 会員]

2021年09月11日 00時00分30秒 | Weblog

[※《自助》大好きオジサン・元最低の官房長官と学商 (日刊ゲンダイ 2020年9月7日 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/278353)↑]

カースーオジサンは総裁選に出馬しないそうです。
 東京新聞の記事【菅首相が辞意固める 「コロナ対策に専念したい、総裁選に出馬しない」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/128670)によると、2021年09月03日(金)、《菅義偉首相は3日、辞任する意向を固めた。自民党臨時役員会で「新型コロナウイルス対策に専念したいので総裁選に出馬しない。任期は全うする」と述べた。関係者が明らかにした。(共同)》…そうだ。アベ様に続き、政権放り投げ。どこまでも無責任。
 一方、東京新聞の記事【消費税減税、原発ゼロを追求 4野党、衆院選へ共通政策合意】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/129603?rct=politics)によると、《立憲民主、共産、社民、れいわ新選組の4野党党首は8日、安全保障関連法廃止を求めるグループ「市民連合」と国会内で会合を開き、消費税減税や、原発のない脱炭素社会の追求などを盛り込んだ次期衆院選に向けた事実上の共通政策に合意した。合意後、立民の枝野幸男代表は「次期衆院選で共通の政策を掲げ戦えば、必ず政権交代できる。国民の命と暮らしを守る政権をつくる」と語った。共産党の志位和夫委員長も「共通の旗印が立った。選挙に勝利し、政策を実行する政権をつくりたい」と強調した。立民、共産両党は、これを契機に衆院選小選挙区の候補者一本化に向けた調整を加速させる構えだ》そうだ。
 テレビや新聞は、自民党内のあれこればかりを流し続ける。バッカじゃなかろうか。アベ様・カースージさんの8年8カ月に及ぶ《メディアコントロール》の故か、あまりに情けない。自民党の広報機関になり下がる。憲法53条に反し、違憲にも、国会を開こうとしないことをなぜに追求しないのか? なぜに野党4党について、同程度に報じないのか?
 自民党総裁? 誰でも同じ ――― 野党による政権交代を! 数多のアベ様案件の解明、公文書の開示だけでも、十分に政権交代の意義はある



(2021年08月29日[日])
日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/国会も開かず党の選挙が優先か】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202108140000106.html)。

 《しかし、国民は国会も開かず党の選挙が優先か、自分たちの身分を守るための選挙は民主主義を守るために言い換えられるのか。》

   『●自民党総裁? 誰でも同じ ――― 野党による政権交代を! 数多の
     アベ様案件の解明、公文書の開示だけでも、十分に政権交代の意義はある
   『●総合科学技術・イノベーション会議(菅義偉議長)…《「稼げる大学」へ
         外部の知恵導入 意思決定機関設置、来年法改正》(時事通信)
   『●COVID19対策に「せんにん」するため粛々と政権を無責任に放り
     出してアベ様を《継承》し、一体どこが「国民のために働く。」政権か?

 選挙に行きましょう。《首相隠し》のために、違憲にも国会を開きもしない自公お維の暴政を許してはいけない。GoTo選挙。

 アベ様は、野党議員が憲法53条に基づいて要求した臨時国会を召集しませんでしたし、カースーオジサンも違憲にも国会を開きません。
 《とにかく選挙に行くこと、もちろん、その前に「忘れないこと」。それが今国民に求められている一番大事なことだ》(古賀茂明さん)。何度でも、何度でも、何度でも、#投票倍増委員会 会員として強く訴えます、自公お維トファに投票してはいけない。主権を取り戻しましょう。主権者として、必ず選挙に行きましょう。

   『●すぐさま公選法違反な河井克行元法相夫妻を逮捕…《憲法53条は
     「いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は…」》
   『●司法までもが壮大なカルト状態…《九十八日間もの臨時会の先延ばし》
      国会召集訴訟、《東京地裁は憲法論に立ち入らず形式的に請求》却下

 どうせデマかな? 《息子への代替わり》《選挙地盤継承》による選挙の私物化なんて許されないでしょ、せめて、選挙区を変えろ! 山口4区とか福岡8区とか、皆さん、出番ですよ。
 日刊ゲンダイの記事【“自民党のドン”二階幹事長に「政界引退説」! 三男に選挙地盤継承か】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/293383)にゆと、《大島理森衆議院議長(74)、伊吹文明元衆議院議長(83)、竹下亘元総務会長(74)……と、自民党大物議員の政界引退表明が相次いでいる。衆院議員の任期は10月21日まで。残りあと2カ月だ。解散総選挙の時期が絞られ、このタイミングなら意中の後継者にスムーズにバトンタッチできるという事情があるという。なんと、二階俊博幹事長(82)の政界引退説も飛びかっている。理由は息子への代替わりだ》。

   『●「闇社会」との関係まで疑われるとは!? アベ様、ダークすぎます
   『●《近畿財務局元職員の妻が…佐川宣寿氏と国を相手に…大阪地裁に
     提訴》…《前代未聞の改ざんなのに、最高責任者の麻生太郎財務相》は?
   『●まだまだ続くのか、ウルトラ差別主義者の失言・暴言
         …福岡8区の皆さん、いい加減に落選させてください
   『●《この人にそういう羞恥心はない。…山口4区の有権者に聞きたい。
     「投票用紙にまた安倍晋三と書くのですか」と。》(前川喜平さん)

 高市早苗氏や下村博文氏…スッゲェなぁ、自民党。行くところまで行ってしまった感じ。
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/何も語らない出馬決意など響かない】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202108200000206.html)によると、《★まずは元総務相・高市早苗。月刊誌に総裁選への意欲を語っていたが、19日には、幹事長・二階俊博と党本部で会談し、総裁選への立候補の決意を伝えた。同日には党政調会長・下村博文も党本部で二階に会い「チャンスと可能性があればチャレンジしたいとの思いは持っている」と出馬の決意を伝えている》。

 山口4区福岡8区ども、宜しくお願いします。
 日刊ゲンダイの記事【菅首相「現職総理で史上初の落選」危機! 横浜市長選で地元有権者もソッポ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/293702)によると、《自民党総裁選で「無投票再選」を目指し、無理ならば9月12日に緊急事態宣言を解除して衆院解散に打って出る――。そんな菅首相の「生き残り」への妄想が泡と消えた。横浜市長選の“惨敗”で地元有権者が突きつけたのは、来る総選挙では菅首相本人の当選すら危ういという現実である》。

 「タイオウデキナーイ」「デタラメバカ―リ」。
 東京新聞のコラム【筆洗/「オストアンデル」を知っている人はもはや少なかろう。おまん…】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/126172?rct=hissen)によると、《おまんじゅうのことである。押すと餡(あん)が出るので「オストアンデル」。一種の言葉遊びで、ものの名を外国語のように日本語で表現する▼昭和初期に流行し、たくさんの外国語もどきが使われたそうだ。「アリヨール」は砂糖。「サイテヤーク」はウナギ。昭和ヒトケタ生まれの母親が水道をふざけて「ヒネルトジャー」と言っていたのを思い出す▼水栓をひねるとジャーと水が出るから「ヒネルトジャー」。あたりまえのことをもっともらしく外国語みたいに言うから、笑えたのだろう。銀行はなんと呼ぶべきか。「オカネヒキダセール」か。残念ながら、あたりまえのことができない銀行もある。みずほ銀行。全国の店舗窓口で入出金や振り込みなどの取引が一時、できなくなった▼半年ほど前、現金自動預払機(ATM)が使えなくなる大騒ぎもあったが、これで今年五回目のシステム障害だそうだ。こうたびたびだと、システム障害が起こる方があたりまえに思え、「トキドキコワレール」とでも呼びたくもなる▼銀行では入出金も送金も円滑にできる。そのあたりまえができないのはひねっても水道が出ないのと同じで生活や商いに大きな支障となる▼生活者に二度と不便をかけぬ取り組みを。「オワビバカーリ」「タイオウオソーイ」の名を一日も早く返上したい》。

 お維絡みもお忘れなく。自公お維トファに投票する意味を考えた方が良い。
 古川雅和・榊原崇仁両記者による、東京新聞の記事【金メダルかじりの河村たかし名古屋市長だけじゃない! 簡易サウナやシャワー室…首長はなぜ暴走するのか】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/125656)によると、《金メダルをかじった名古屋市の河村たかし市長(72)に批判が集中している。女性の容姿に言及したり、「ええ旦那をもらって」と言ったり、今の時代にあり得ない発言も連発した。ただ、河村氏に限らず首長を選ぶのは有権者。1度当選すると任期は4年続き、辞めさせるのは簡単ではない。聞こえの良い公約や見た目、経歴などに惑わされず、本質を見抜く力が求められる》。

 最後に、記者もだらしないなぁ。ぶら下がり取材の記者の皆さん、広島での私怨贈賄公職選挙法違反やモリカケサクラ事件、前夜祭問題など数多のアベ様案件について突っ込んでくださいよ、まったくもう…。
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/総裁候補の人たちの靖国参拝】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202108170000083.html)/《★安倍は参拝後「終戦の日にあたり参拝した。…」と記者団に語った。だが、安倍は首相時代の13年12月26日、第2次内閣発足から満1年となる日に靖国神社を参拝。》

 神保哲生さんのつぶやき:

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https://twitter.com/tjimbo/status/1427486465336958977

神保哲生@tjimbo

官邸より今日の総理会見の抽選に外れとの連絡あり。(T-T)前回は参加も当ててもらえず。毎回確実に質問できる内閣記者会の記者たちの責任は重いぞ。相手は国民の命を預かる内閣総理大臣なんだ。事前に提出した質問に官邸官僚が作文した答えを棒読みする「記者会見ごっこ」はやめて核心に迫る質問を!

午後1:24 2021年8月17日
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 冒頭のカースーオジサンの朗読と政治部記者との台本劇《記者会見ごっこ》は必要か? 内閣府のWPにでも会見直前にアップしてもらえれば十分。(きちんと朗読できるかどうかも怪しいので)原稿や台本があるんですから。時間の節約にもなる。会見冒頭から、更問い可のあらゆる記者やフリーのジャーナリストとの質疑のみを行ってください。

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202108140000106.html

コラム
政界地獄耳
2021年8月14日8時29分
国会も開かず党の選挙が優先か

★コロナ禍の全国へのまん延と重症者の増加、加えて医療機関の逼迫(ひっぱく)などワクチンの効果を凌駕(りょうが)する状況だが、与党は国会開会をかたくなに否定する。11日、立憲民主党国対委員長・安住淳は首相・菅義偉欠席の閉会中審査にとどまらず臨時国会の召集を自民党国対委員長・森山裕に求めたが反応はない。「理由は首相隠しだよ。かみ合わない答弁を繰り返してワクチン接種計画のめどを繰り返すだけでは野党のみならず国民の怒りを買うだけだ」(自民党閣僚経験者)。

★今、首相のおひざ元では横浜市長選をやっているが、神奈川県も感染者が激増。緊急事態宣言の対象県だ。県内の感染者は連日2000人を超え、そのうちの半分は横浜市の数字だ。不要不急の外出を禁じながら緊急事態宣言下の選挙は問題ないという説明もそろそろ通用しなくなる。有権者を相手にする選挙に安心安全な選挙などないはずで、今後全国に緊急事態宣言を拡大させた場合、総選挙は予定通り行うと言い切れるだろうか。選挙が少しでも遅れるということになれば首相が考える総裁選挙前の解散・総選挙は実現しない。

★自民党総裁選挙管理委員会は日程を9月17日告示29日投開票と示し、今月26日の同委員会で決定する。首相は26日までに解散を決めるか否かを決断することになろう。しかし、国民は国会も開かず党の選挙が優先か、自分たちの身分を守るための選挙は民主主義を守るために言い換えられるのか。今選挙が必要だと言い切る政治家に国民はどんな反応を見せるのか。政府与党は30兆円規模の補正予算を選挙の目玉に据えようとするが、国民に生きたカネが行き渡らない限り、効果は見定められないだろう。国民が納得する知恵を示さない限り日程だけ決めても意味はない。(K)※敬称略
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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202108170000083.html

コラム
政界地獄耳
2021年8月17日8時14分
総裁候補の人たちの靖国参拝

★靖国参拝の話。13日に経済再生相・西村康稔と防衛相・岸信夫が参拝、終戦の日の15日には環境相・小泉進次郎、文科相・萩生田光一、科技相・井上信治と閣僚の参拝が相次いだ。ほかにも自民党政調会長・下村博文、前総務相・高市早苗、前首相・安倍晋三をはじめ自民党保守系議員が続々と参拝に訪れた。韓国外務省アジア太平洋局長・李相烈(イ・サンリョル)は在韓国日本大使館総括公使・熊谷直樹を呼んで抗議、中国外務省も「日本の侵略の歴史に対する誤った態度を反映している」「歴史的な正義への冒涜(ぼうとく)であり、中国を含むアジアの被害国人民の感情を深刻に傷つける」と抗議している。

★安倍は参拝後「終戦の日にあたり参拝した。先の大戦において祖国のために母や父、友や子、愛する人を残し、祖国の行く末を案じながら散華(さんげ)され、尊い命を犠牲にされたご英霊に尊崇の念を表し、御霊(みたま)安かれとお祈りした」と記者団に語った。だが、安倍は首相時代の13年12月26日、第2次内閣発足から満1年となる日に靖国神社を参拝。中韓などアジア諸国の強い反発のみならず、オバマ政権は在日米大使館を通じ「米政府は(安倍の靖国参拝について)失望した(disappointed)」とし「米政府は日本と隣国が建設的な形で過去の問題を解決することを望んだが、日本政府が周辺国との関係を悪化させる行動をした」「安倍首相が表した過去の歴史に対する懸念と平和に対する決心を見守る」と強い懸念を表明した。今回の参拝はこの時以来となる。

★自民党総裁選挙候補や衆院選挙を控えた保守系議員たちは保守層の取り込みのために参拝したのか。中韓などアジア諸国の抗議には無視を決め込むが、米国から言われたら態度を変えるのか。保守を自任する総裁候補の人たちの考えは決して明確ではない。(K)※敬称略
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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202108200000206.html

コラム
政界地獄耳
2021年8月20日9時45分
何も語らない出馬決意など響かない

★メディアは首相・菅義偉は前首相・安倍晋三が体調を崩して任期途中で退任した自民党総裁の任期が満了する9月30日前の衆院解散を見送る方針を固めたと報じている。1年前、安倍が唐突に辞任、菅自身が出馬表明すらしていない段階で、自民党の5大派閥の領袖(りょうしゅう)たちがこぞって菅支持を打ち出した。これほど党内の強い支持で菅政権は発足した。ところがコロナ禍は拡大、「自助・共助・公助そして絆」という菅のスローガンは自らがいとも簡単に壊してしまった。

★政権の高い支持率は強引なGotoトラベルなどの今思えば謎のアクセルとブレーキを踏む政策を推し進めたことで下がり始め、年末には与党の飲食やり放題騒動が立て続けに起き、政権の信用は下がっていく。年が明けてからは菅の長男の接待疑惑が世間を騒がし、幾度かあった解散のチャンスは自民党と菅自身でつぶれていった。それならば、自民党はあれほど大した議論もないまま、菅を党の総裁、首相に推したのだから少しは守ったらどうかとも思うが、その総裁選挙に出たいと言い出す幹部が後を絶たない。

★まずは元総務相・高市早苗。月刊誌に総裁選への意欲を語っていたが、19日には、幹事長・二階俊博と党本部で会談し、総裁選への立候補の決意を伝えた。同日には党政調会長・下村博文も党本部で二階に会い「チャンスと可能性があればチャレンジしたいとの思いは持っている」と出馬の決意を伝えている。しかし国民には分かりにくい。菅ではだめだとこの党幹部2人は言っているのか、菅を支える気がなくなったのか。では菅批判はしないのか。自分の政策だけ言えばいいのか。加えて次の選挙の顔になる覚悟は政策だけではない。党の総裁選挙では国民に向けた思いを語る必要より、幹事長にあいさつすることなのか。何やら狭い世界だけの戦いだと思うと、何も語らない出馬の決意など自民党内ニュースでしかなく、国民には響かない。(K)※敬称略
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/125656

金メダルかじりの河村たかし名古屋市長だけじゃない! 簡易サウナやシャワー室…首長はなぜ暴走するのか
2021年8月20日 14時07分

 金メダルをかじった名古屋市の河村たかし市長(72)に批判が集中している。女性の容姿に言及したり、「ええ旦那をもらって」と言ったり、今の時代にあり得ない発言も連発した。ただ、河村氏に限らず首長を選ぶのは有権者。1度当選すると任期は4年続き、辞めさせるのは簡単ではない。聞こえの良い公約や見た目、経歴などに惑わされず、本質を見抜く力が求められる。 (古川雅和、榊原崇仁


◆女性に「マスクしているから、べっぴんに見える」

 「普段から非常識な発言が多くて、うさんくさい感じがあった。市長としての品性に欠けるでいかんわ」。同市のパート女性(67)は河村氏を厳しく批判した。

     (金メダルをかんだことに対し謝罪する河村たかし市長
      =5日、名古屋市役所で)

 問題が起きたのは4日。東京五輪を制したソフトボール日本代表の後藤希友選手(20)が市庁舎に表敬訪問に訪れると、いきなり「でかいな」と話し掛け、「あんた」と呼び続けた。金メダルをかじった後も「かわいいお嬢さんだからびっくりしました」「旦那はええかね。恋愛禁止かね」といった発言を繰り返した。

 河村氏は、笑顔を繕う後藤選手を気にする様子もなく「人間悪いやつおるで、気を付けてな。ろくでもないのもおるで」と忠告。周りの職員は一緒に笑うだけだった。電話とメールで市に寄せられた苦情、抗議は18日までに約1万5000件に上る。市のイベントで司会の女性に「マスクをしているから、どえりゃーべっぴんに見える」との発言をしたとの苦情も、6月に5件あったという。


◆トップ当選が大半の河村氏 選挙に強い理由は

     (名古屋市長選で初当選し、支持者から水をかけられ
      祝福される河村たかし氏=2009年4月)

 河村氏は大学卒業後、家業の古紙回収会社で働き、後に政治家を志した。愛知県議選と衆院選で落選した後、日本新党ブームが起きた1993年7月の衆院選で同党公認候補として初当選。「総理を狙う男」を公言し、5期務めた。2009年4月の市長選に「庶民革命」を掲げて当選し現在、4期目になる。

 選挙はトップ当選や大差の勝利が大半。選挙に強い理由について、同市の服部将也議長(民主)は「気さくに市民に接する市長というイメージを確立している」と分析し、江上博之市議(共産)は「既成の政治の批判者、庶民の代表という姿を見せているからで、決して実績ではない」と解説した。

 大勝続きなのを背景に、強引な手法も目立つ。市長1期目、減税のための条例案が否決されると議会を解散。出直し選後に市民税の恒久減税を実現させた。

 20年8月には「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の展示内容を巡り、以前から対立していた実行委員会会長の大村秀章・県知事のリコール(解職請求)署名を積極的に支援。署名の偽造が発覚して関係者が逮捕されると河村氏も窮地に陥った。「想像の外にあることで本当に驚いた」と自身の責任を認めず、4月の市長選は得票率が51・6%にとどまる接戦になった。

 市の中堅職員からは「やりたいことは冗舌に語るのに、それ以外は関心がない。議会や会見で細かいことは職員に答えさせるから、ぼろは絶対に出ない」との声が上がる。江上氏は「庶民派を名乗る河村氏を議員が批判すると市民からいじめと受け止められた」としつつ「今回の問題で実態が分かったはず」と話した。


◆首長の暴走、温床はいくつも

 暴走する首長は河村氏だけではない。大阪府池田市の冨田裕樹市長は、簡易サウナやトレーニング器具などを市庁舎に持ち込んで使っていた。公私混同との非難が相次いだのを受けて辞職しながら、22日告示の出直し選に出馬するという。

    (市長室に設置されたシャワー=千葉県市川市提供)

 千葉県市川市の村越祐民市長も昨秋、約360万円かけて市長室のトイレにシャワーを設置。2019年に米電気自動車大手テスラの高級スポーツ用多目的車を公用車として使っていたことと共に、無駄遣いとの批判を受けた。

 通常では考えられない事態が頻発する裏には、首長が持つ権限の大きさがある。典型例が予算の編成権。公益財団法人「地方自治総合研究所」の今井照主任研究員は「議員が支持者の要望を首長に伝えて予算を付けてもらう形が常態化し、議会が押し返すのはまれ。『首長に頭を下げる議員』という関係ができ、チェック機能が甘くなっている」と説明する。

 首長に与えられている職員の人事権も暴走の温床になる。「厳しい意見を言う職員を遠ざけ、お気に入りで脇を固めるといったことが起こり得る」(今井氏)。残るのはイエスマンばかり、となりかねない。

 元神奈川県逗子市長の富野暉一郎・龍谷大名誉教授(地方自治)は「複数が当選する議員と違い、首長は1人しか通らない。住民の代表として期待を背負う形になる。その重みがあるから、職員は意向を軽々しく否定できない。首長が『民意を背負っている』『何が悪い』と開き直るケースもあり、これに該当するのが河村氏ではないか」と唱える。


◆問題があっても…辞めさせるには高いハードル

 首長に問題があったとしても、辞めさせるには高いハードルがある。不信任決議案の可決には議員数の3分の2以上が出席し、かつ4分の3以上の賛成が必要。可決されても、首長は議会を解散すれば即時には失職しない。このため議会もやすやすとは不信任決議案提出には踏み切れない。

 もう1つの方法としてリコールがある。ただ、こちらも簡単ではなく、有権者数が40万人以下なら3分の1以上の署名を集めた後、住民投票で過半数の賛成が必要になる。

 10年にリコールが成立した例もある。鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(当時)はブログで「辞めてもらいたい議員は?」とのアンケートをして不評を買ったほか、自身に批判的なマスコミが傍聴席にいるとの理由で市議会の出席を拒否。その一方、市職員の賞与半減や副市長の選任などは、議会の議決を経ない専決処分で決めていた。


◆限られた選挙期間…どう選べば?

 首長選の選挙期間は町村長が5日間、一般市長は7日間、政令市長でも14日間とそれほど長くはない。限られた時間で有権者はどう判断を下せばいいのか

 首長のタイプは、以前と変わってきていると言われる。富野氏は「若い人、歯切れよく話す人が目立つ。高学歴、海外の企業で活躍した経験があるなど、経歴が華やかな人も増えた」との見方を示す。とはいえ、そうした情報だけでは材料が少なく、「コロナ対策で全市民に5万円給付」との公約を打ち出して当選しながら、実現に至っていないケースもある。

 千葉大の新藤宗幸名誉教授(地方自治)は「失政のあおりを食うのは有権者生活を大きく左右するのが政治や選挙と捉えるべきだ。今はSNS(会員制交流サイト)を使う政治家も多く、それを見て判断するのも1つ。疑問があるなら問い合わせたり、考えを聞く場を設けてほしいと打診したりすればいい。その反応も踏まえ、自分の生活を委ねるなら誰がいいか考える必要がある」と提言した。


◆デスクメモ

 自宅がある横浜市は市長選のまっただ中。現職と新人計8人が立候補している。テレビでよく見た人、ちょっと怖そうな雰囲気の人、真面目に思える人などさまざま。最大の争点であるカジノ建設の是非以外にも課題は多い。本当に地元のために動いてくれる人なのか見極めなければ。 (千)

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