東京新聞の望月衣塑子記者の記事【軍学共同 防衛省以外も推進 技術開発へ「研究会」 内閣府、月内にも設置】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201702/CK2017020502000121.html)。
《軍学共同に反対する研究者らからは批判の声が高まっている》。
最高学府の教育破壊。大学人に矜持は無いのか?
本記事で、新潟大赤井純治名誉教授が指摘する通り、《国策の名の下に研究者が軍事研究に加担させられた歴史を繰り返そうとしている。あるべき学問とは何かという視点が完全に抜け落ちている。亡国の施策だ》と。他の方も《おぞましい策謀》と。
一方、以前、望月衣塑子記者にも関連したリテラの記事で、《パレスチナ空爆で罪のない一般市民の犠牲を多数出しているイスラエルとの軍事協力…。もし本当に、イスラエルと共同で無人機の研究開発を進めることになれば、この地区で日本の技術が市民の殺戮に使われる》。オゾマシ過ぎる。
『●「10・23通達」と教育破壊:
「石原都政では、教育行政も歪められた。…愛国心教育を強制」』
『●望月衣塑子東京新聞記者、議論無く
「「欧米列強に倣え、進め」と武器輸出推進の道に歩みを進めている」』
「最高学府が「軍事研究」の片棒を担ぎ、嬉々として研究費を
確保するオゾマシさ。イスラエルと共にニッホン企業が無人殺人機を
開発する…《パレスチナ空爆で罪のない一般市民の犠牲を
多数出しているイスラエルとの軍事協力…。もし本当に、イスラエルと
共同で無人機の研究開発を進めることになれば、この地区で
日本の技術が市民の殺戮に使われる》。想像するだにオゾマし過ぎる」
《まず、日本の最高学府である東大がそれまで禁じていた軍事研究を
解禁したことだ。これが、どれくらい衝撃的なことか。
…そこで、軍からの有無をいわせぬ武器研究と開発を強いられた。
戦後、東大は学問が戦争に利用されたという深い反省から、
次の3原則を表明した。
(1)軍事研究はもちろん、軍事研究として疑われる恐れのあるものも
一切行わない
(2)外国を含めて軍事関係から研究援助は受けない
(3)軍関係との共同研究は行わない、大学の施設を軍関係に貸さない、
軍の施設を借りたりしない、軍の研究指導をしない
2011年に作成された研究ガイドラインでも「一切の例外なく軍事研究を
禁止している」としていたが、先の安倍政権の閣議決定をきっかけに、
2014年12月に情報理工学系研究科の「科学研究ガイドライン」が
改定され、条件付きだが“軍事研究解禁”となった。
翌2015年1月16日付の産経新聞がスクープしたものだ。戦後、
半世紀以上にわたって先人たちが守り続けた「軍事研究禁止」の
大原則が、アッサリ転換させられてしまっていたのだ。恐ろしい話である》
『●「EMを超能力だと教える向山のやり方の本質を
表現するのに多くの言葉はいらない…愚民教育」と一刀両断』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201702/CK2017020502000121.html】
軍学共同 防衛省以外も推進 技術開発へ「研究会」 内閣府、月内にも設置
2017年2月5日 朝刊
(大学などの研究機関が軍事研究とどう向き合うか
を議論した日本学術会議の公開フォーラム
=4日、東京都港区で)
軍事に転用できる大学や民間研究機関などの技術(軍民両用技術)開発を推進するため、内閣府が今月中にも、有識者会合「安全保障と科学技術の研究会」を発足させることが、内閣府への取材で分かった。研究会は防衛省だけでなく、他省庁も巻き込んで軍民両用技術の開発を進める方策を探る予定で、軍学共同に反対する研究者らからは批判の声が高まっている。
政府関係者によると、研究会は、自民党国防族らの要望などを受け設置される。内閣府の政策統括官(科学技術・イノベーション担当)の下で議論し、検討結果は「総合科学技術・イノベーション会議」(議長・安倍晋三首相)に反映される。同会議は国の科学技術政策を担い、関連予算をどう配分するか決めている。
内閣府は、軍民両用技術の推進を唱える政策研究大学院大学の角南(すなみ)篤教授や、大手防衛企業幹部、日本学術会議の大西隆会長などに参加を打診しているという。
研究会では、テロ対策技術や防衛技術の開発に重点が置かれる。軍事転用可能な大学などの研究に助成金を出す防衛省の「安全保障技術研究推進制度」にとどまらず、ほかの省庁が主導して大学や研究機関の研究を防衛技術に転用できる仕組みなどを検討する。
内閣府の担当者は「テロや防災など幅広い分野から議論し、防衛省だけでなく各省庁が安全保障に資する科学技術をいかに発展できるか考えたい」とする。議論を公開するかは未定。軍事研究を巡っては、国内の研究者を代表する機関「日本学術会議」が一九五〇、六七年の二度にわたり「軍事目的の研究をしない」とする声明を掲げているが、昨年から声明の見直しを含めた議論が続いている。
◆「おぞましい策謀」学術会議フォーラムで批判
軍民両用技術開発を推進するための研究会が内閣府に設置されることになった。大学や民間研究機関などの研究の軍事転用を巡っては、日本学術会議を中心にその在り方の議論が進められている。その結論も待たずに、国が軍学共同へと突き進む姿勢に、研究者の批判は高まっている。
日本学術会議の安全保障と学術に関する公開フォーラムが四日、東京都港区で開かれ、防衛省が大学や民間に助成する制度への批判が相次いだ。
東大大学院の須藤靖教授は「安全保障に過度に依存する基礎研究など信じ難い。制度に応募しないと合意すべきだ」と防衛省の制度を批判。臨床研究情報センターの福島雅典センター長は「政府の軍民両用はおぞましい策謀だ。科学者は人類の未来に重い責任があることを忘れてはならない」と主張した。
研究者の間に防衛省の制度を危険視する見方が広がる中、政府与党は逆の動きを強める。自民党のある防衛族議員は「中国は桁違いの金で核開発を進めている。のんきなことは言ってられない。大学や民間の軍事技術への取り込みは必須だ」と研究会の発足を促した理由を説明する。
フォーラムに参加した新潟大の赤井純治名誉教授は、「人類の福祉や平和に貢献できるような科学の在り方を無視した動きだ。国策の名の下に研究者が軍事研究に加担させられた歴史を繰り返そうとしている。あるべき学問とは何かという視点が完全に抜け落ちている。亡国の施策だ」と批判する。
(望月衣塑子)
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