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●「北海道出身者として恥ずかしい」

2011年09月15日 00時00分22秒 | Weblog


THE JOURNALに出ていた金平茂紀さんの論考(http://www.the-journal.jp/contents/kanehira2010/2011/08/post_10.html)。

 北海道民ではないですが、お気持ちよく分かります。ト知事選の際の都民、玄海原発再開問題の頃の佐賀県民、心ある少なからずの市民も「恥ずかしい」と感じておられたことと思います。四選だけでなく、これまでのト知事の言動や行動など世界に向けての恥さらし行為で、都民でなくても、日本人としてさへ「恥ずかしい」。
 明日以降も2日間、一連の泊原発3号機運転再開問題に絡む記事を引用させて頂く予定です。
 本記事を読むと、今回の再開が如何に出来レースで、知事やその周辺が如何に「原子力ムラ北海道支部」の住人であるのかが分かります。

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http://www.the-journal.jp/contents/kanehira2010/2011/08/post_10.html

北海道出身者として恥ずかしい

 高橋はるみ北海道知事が泊原発3号機の運転再開にゴーサインを出し、もうすでに同原発は稼働している。北海道出身者として、福島第一原発事故後に最初に定期点検から原発の運転を再開させたのが北海道民だなんて、何と不名誉なことか! 北海道出身者として恥ずかしい。福島の事故後に、定期点検中だった原発のうち再稼働第一号となるだろうとみなされていた九州電力玄海2,3号機が、玄海町長、そして佐賀県知事らの再稼働に向けての強引な舵とりを見せるなかで、「やらせメール」事件が発覚し、再稼働が頓挫したあと、その"栄誉"のお鉢が北海道民に回ってきたというわけだ。佐賀県の行政の対応ぶりもおぞましいけれど、北海道の対応も決して劣らずに「はじめに結論ありき」の様相を呈しているようにみえた。道議会でのおざなり審議などを少なくとも道外から見る限りでは。

 思い起こせば、泊原発も建設計画の段階から道民の世論を二分していた歴史があった。1988年、泊原発の運転の是非とを問う条例制定の請求が90万人と(全道の有権者のほぼ4分の1!)いう空前の数を集めた。翌年、道議会で審議された結果、党派間の駆け引きで何と2票差で否決されるという道議会史上の汚点となる現実があった。90万人分の自筆の署名簿はその後、ゴミとして道によって焼却された。当時の知事は現在の衆議院議長の横路孝弘氏である。先日、札幌に取材に行った際に、当時の関係者の話を聞いた。福島の事故を受けて、彼らは、あの時、横路知事が「裏切って」いなかったら北海道の泊原発の運転は見送られた可能性もあったんだと悔しがっていた。同議会での2票差の否決のカギを握っていた中間会派の3人の取り込みが最後に運命を握った。3人のうち一人は北電関係者。あとの2人は実はどちらかといえば原発には反対の立場だったという。それが知事の態度によって動いたのだという。この2人はすでに物故者となっていた。死人に口なし。

 さて、北海道は自然再生可能エネルギーの実践にもっとも適している地の利がある。原発に頼らないエネルギー政策に最も進みやすい場所なのだ。にもかかわらず、現在の高橋知事は、そのような想像力はほぼゼロに近い。もともと彼女は旧通産省出身の原発容認派で、自らの政治資金管理団体「萌春会」の会長は、元北海道電力会長の南山英雄氏。「萌春会」には、毎年、北海道電力役員からの「定額」献金が行われている。札幌の地元のジャーナリストに聞いたら、「高橋知事は財界に人気があるんですよ、特におじいちゃんに。はるみちゃん!ってね」との答が返ってきた。また北海道庁から北海道電力やその関連会社への「天下り」再就職というルートが、高橋知事就任以降続いている。電力需要がそれほど逼迫していない北海道において、なぜそこまで原発維持に奉仕するのかは本人に伺うしかないだろう。先ごろ秋田で開催された全国知事会での彼女の発言を聞く限り、脱原発路線とははっきりと距離を置いているのがわかった。滋賀や神奈川、鳥取、長野の知事らとはずいぶん違っていた印象だ。

 僕は北海道で生まれ育ったので、北海道の道民性を多少は理解しているつもりだ。僕が高校生くらいだった頃(ずいぶん昔だなあ)、地元で就職するとなると、最も人気が高かった安定就職先ベスト3は、(1)北海道拓殖銀行(2)北海道電力(3)北海道庁 だった。拓銀はもうない。道庁は官僚体質と腐敗が指摘されている。残るは北電。電力会社の「幕藩体制」といわれるなかでは「外様」であるにもかかわらず、現知事に危機意識が希薄で想像力が乏しいので、後ろ向きになっているとすれば残念至極だ。再生可能自然エネルギーの先進企業になってくれればと願うのだが。北海道はきれいないい土地柄だからこそ。


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コメント
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