Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

干し納豆

2010-06-11 09:32:18 | エトセト等
小泉 武夫 「これがC級グルメのありったけ」 新潮文庫 (2010/05)

に,干し納豆について書いてあった.大徳寺納豆のような本格派ではないが,似たようなものがスーパーの納豆でできるという.3 パックを乾燥してみた.

片栗粉と大葉の干したのを混ぜて,味付けは塩でとのご指導であるが,片栗粉・大葉はやめて,まずは納豆の味だけで試すことにした.
納豆のたれがもったいないので,これも入れた.塩分の入れ過ぎになるかと思って塩はやめておいた.

そのままだらりとした状態で干すべきか,かき回して盛大に糸を引いた状態て干すべきか,迷ったが (小泉本の記述はあいまい),糸を引いた方が霊験あらたかな気がして後者を選択.笊なんかで干したら後が面倒と考え,皿の上にアルミフォイルを敷いてその上に平に糸引き納豆をひろげ,日向に放り出した.

匂いを敬遠してか,虫も鳥も来ない.

3 日ほどでこちこちになったのはいいが,アルミ箔と一体化してしまいはがせない! 一部は納豆を削ることになった...といっても,ネバネバ部分が蒸発乾固した部分を削った感じ.納豆からフォイルをはがすのにえらく時間がかかり,納豆も1パック分くらいはつまみ食いしてしまった.

納豆にチーズみたいな風味も加わりとても美味しい.ネバネバ部分が豆本体にまとわりついてそのまま固まったところは成功か.でもアルミ箔はだめ.
豆自体は縮んでしまうので,大粒の豆の方が良いかもしれない.
梅雨に入ったら作りにくそう.電子レンジで誤摩化して作ることもできそうだが,有り難味はないな.

ちなみに小泉本は,納豆に関する蘊蓄以外は平凡に思えた.
それにしても,漱石鴎外からC級グルメまで,新潮文庫の間口がひろいこと!
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無人島に生きる十六人

2010-06-09 07:41:31 | 読書
須川 邦彦「無人島に生きる十六人」新潮文庫 (2003/06)

桐野 夏生「東京島」の毒気にあてられたので,こちらを BOOKOFF で購入.もともとは昭和16年に少年倶楽部に連載されたもの.
子供向きだから,悪いことは全然描いてないから,安心して読める.「十五少年」でさえ子供達の間に対立があるが,それもない.

漂流して無人島生活を経験した船長が商船学校教官となって学生に語るというスタイル.東京島と違って小説ではないから比較するのは無理だが,敢えて条件の違いを挙げると

- こちらは女性がひとりも登場しない.

- 船長が強力なリーダーシップを発揮.かつ全員の倫理観が一致していたらしい.

- この時代は乗員全体が遭難・漂流・無人島生活をある程度覚悟していた.中には難船経験者もいた.井戸掘り・火起こしなどの危機管理能力があった...これは,「東京島」の中国人グループにも言えるかも.

たどり着いた島はのっぺりした砂地で,水はなく,もちろん洞窟があるわけでもなく,条件は厳しい.砂山をつくり櫓を建て,高さがどれだけなら視野はどれだけと計算する.ウミガメの牧場で食料を確保する.アザラシと仲良くなったり,楽しい場面も多い.
無人島生活の教科書みたい.

アメリカ人から帰化した老・小笠原島出身者が,アメリカの捕鯨船の船長だった父親を語る場面がある.雨が降ると帰化人から英語を習い,かわりに日本語を教える.ここばかりかハワイの場面でもアメリカ人は好意的に描かれている.このあたり,昭和23年単行本化されたさいに書き足しあるいは書き直されたのかもしれない,
著者は1949に無くなっておられるが,文章が古くさいという感じはまったくしない.こういう調子の文章をどこかで読んだのだが,思い出せない.

「痛快! 十六中年漂流記」(じつは若い人も混じっていたんだけど)と,題する解説が椎名誠 .
奥付の前の新潮文庫の広告には,ロビンソン,十五少年,蠅の王などがずらずらと並んでいた.
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HEAVEN 広島市現代美術館

2010-06-07 08:26:48 | 新音律
特別展「HEAVEN 都築響一と巡る社会の窓から見たニッポン」7/19 まで.

写真集 Tokyo Style 以来の都築ファンである.

ニッポン国世界村,賃貸宇宙(Tokyo Styleの続編?),当世とりかえばや物語(コスプレイヤーたち),部屋ヌード,我が道を行く老人たち,ラブホテル,イメクラ,伝説のホームレス-広島太郎,映画『トラック野郎』の時代から連綿と続くアートトラック,見世物小屋絵看板etc.,etc.. 最後は18歳未満お断りの秘法館.

いかがわしいものを J 子といっしょに美術館で見るのは疲れることであった.

ウェブに都築さんご本人の解説あり,写真はこのサイトから借用した.
広島太郎氏の等身大パネルが,一緒に記念撮影するためであったことを,帰宅後このサイトを見て悟った.残念!

この美術館の展示は,ときどきスカスカなことがあるが,今回は充実.
コメント (2)
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放浪記 - 新潮文庫

2010-06-05 08:47:10 | 読書
名作の舞台・尾道などと宣伝されているのに,おとといの改造社初版の「放浪記」では尾道が舞台になっていない.むしろ地名では「太子堂」(東京都世田谷区) などが懐かしかった.
書店で,新潮文庫「放浪記」を立ち読みしてみた.

改造社版は厚いがざら紙で軽い.
新潮文庫は厚くて重いと思ったら,第一部,第二部,第三部と分かれていて,改造社版「放浪記」は第一部らしかった.「らしかった」というのは,全部読んだわけではないが,第一部の最後と改造社版の最後は明らかに違うから.
新潮文庫の解説によれば,第二部は最初のが売れ行きがよかったため あわてて「続放浪記」として刊行されたもの.第三部は戦前検閲にひっかかりそうだった部分が戦後「放浪記第三部」として刊行されたものだという.
初版「放浪記」の最後はちょっとだけ明るいのだが,どこかで手直しされたらしい.

そのうち図書館で借りてちゃんと読ようか.第一部には辻潤が出て来たが,第二部・第三部には当時の有名人が実名でもっと登場するらしい.
同じ日記からサンプリングを変えて3冊にしたようなものかもしれないが.
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3 次元 CD ケース絵

2010-06-04 11:49:49 | お絵かき
3 次元写真は名所旧跡から,というわけで CD ケース絵も天橋立から.

ケースの前に女の子,後ろに風景を描いて,角度を変えて撮影し並べてみた.
色調が前景後景どちらも同じになってしまったので,間にプチを入れて後景をぼかした.

反省.
女の子の肌の日陰になっている部分の塗りかたがまずかった.
計画では,風景は逆さにするつもりだったが,上下を間違えた.描いてから逆さではケースとして組み立てられないことに気づいた.

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林芙美子「放浪記」

2010-06-03 08:24:59 | 読書
尾道の駅前にしゃがんだ姿の銅像がある.この芙美子さんはどんな小説を書いていたのだろうと思っていたところ,古本屋で昭和5年の改造社の初版-ただし復刻版-を発見.500円だったので迷わず購入.カバーデザインが昭和5年そのものだ.本の内容は考えていないようだが,このシリーズ(業書)に共通のデザインなんだろう.

復刻ってどうやって作るのだろうか.活字に全部ルビがふってあるのは当然だろうが,ページによって濃淡があり,インクのよごれがあり,なかなかの雰囲気だ.2枚あるうちの ほんとうの奥付には昭和48年とあるので,フォトコピーではないと思うが.

放浪記そのものは確たるストーリーがあるわけではなかった.
詩なんかも混ざっていて,今で言えばニート・ギャルのブログのようなもの...と思っているとだんだん過激になり,伏せ字xxxxxxも出現.
逼塞した背景が現在と共通している.

もの悲しいが 威勢がいい文章.

これを90歳ちかいヒトが舞台で演じていたとは 信じられない..
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ヒューマン・ロボット・ジャム

2010-06-01 10:06:49 | ジャズ
上海万博でバイオリンを弾くロボットが話題になっているが,こちらの Georgia Tech. Center の Shimon 君は自分の頭を働かせてヒトとインタープレイをする.



曲は Duke Jordan の Jordu で,テーマとコード進行くらいはインプットしてあるようだ.
ヒトに追随しているだけだが,リズムを替えてもちゃんと付いて来る.これは1年くらい前の動画で,メロディをつなげることはまだ苦手らしいが,コードを並べる程度ならアドリブもできる.
ロボットに目をやりながら演奏するピアニストさんご苦労さん.彼の心中を推し量ると,初めての相手と こわごわセッションするのとあまり変わらないのではないか.
この動画は短くして字幕で解説を入れてあるが,完全版が別にある.

楽器はマリンバで,確かにロボット向きの楽器だ.ビブラフォンはペダルがあるので敬遠されたと見える.
パット・メセニーのオーケストリオンみたいに,音板とマレットを一対一に対応させた方が操作は易しいとは思うが,視覚的なロボットらしさを狙ったのだろう.

今では Shimon 君には頭が付いていて,首を傾げ,口をぱくぱくさせる.先月アップされたこの Paper Moon では,かなり複雑なメロディも弾いている.
学生さんの解説つきだが,然るべき学会誌には詳しい記事があるはず.



人類滅亡後も,ロボット達がむなしくセッションしていたりして...
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reading

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