Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

元年春之祭

2020-07-12 09:10:20 | 読書
現代中国は科学国家・AI国家と思っていたが,どっこい漢文文化も生きていて,そこに日韓的アイドル文化が融合したようなミステリ.
陸 秋槎, 稲村 文吾 訳,早川書房ハヤカワ・ミステリ (2018/9/5).

内容(「BOOK」データベースより)*****
前漢時代の中国。かつて国の祭祀を担った名家、観一族は、春の祭儀を準備していた。その折、当主の妹が何者かに殺されてしまう。しかも現場に通じる道には人の目があったというのに、その犯人はどこかに消えてしまったのだ。古礼の見聞を深めるため観家に滞在していた豪族の娘、於陵葵は、その才気で解決に挑む。連続する事件と、四年前の前当主一家惨殺との関係は?漢籍から宗教学まで、あらゆる知識を駆使した推理合戦の果てに少女は悲劇の全貌を見出す- 気鋭の中国人作家が読者に挑戦する華文本格ミステリ。*****

漢文みたいな授業を延々と聞かされること.高校時代でこの科目にサヨナラして以来である.前段の議論は歴史・宗教・神話・伝説がごちゃ混ぜになっていて,果たしてこれがミステリの謎解きと関係あるのかと,読みながらイライラする.でもこの退屈な授業のおかげで,解決とトンデモな動機がばかばかしく思えない.
現代中国の若者たちが,こんな文章に耐えられるのが不思議.
推理は二転三転.途中2度にわたり「読者への挑戦状」が現れる.

ストーリーを担うのは十代後半の少女たち.推理合戦にとどまらず,広範に饒舌な議論を繰りひろげるのだが,すぐに暴力に訴えるのは意外.探偵役の少女は侍女 (これも同年配の少女) を残酷に扱う.数人が連れ立って川で髪を洗う場面とか,女の子同士の心理合戦とかには,男性の描けない部分があるのかと思ったが,意外にも著者はひげの男性

ひさびさのハヤカワ・ミステリ.やや黄色い紙質が懐かしかった.図書館で借用.
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