Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

1945年±5年 広島現代美術館 特別展

2016-09-24 09:45:15 | お絵かき
自分の年齢に換算すると,「0歳+10歳」.「戦争と復興:激動の時代に美術家は何を描いたのか」というタイトルが付いている.展示品 210 点で,とても疲れた.

この絵はチラシなどにも出ていて,
 小早川秋聲「国之盾」1944年(一部1968年改作)京都霊山護国神社蔵(日南町美術館寄託)
だそうだ.いやなタイトルだ.しかしこのように手を組んでもらったり,日の丸をかぶせてもらったり,おまけに絵に描いてもらった戦死者は幸運だろう.大多数はジャングルなどで泥と糞にまみれて餓死病死したが,そういう人たちは「美術」として残されない.
ここに展示された,多数の戦地風景にはキャンプみたいにのどかな絵が多い.
フジタには,もっとえげつない,劇画的な戦争画があるのに,それがない.香月泰男の場合も,戦地から内地の家族へ送った,ほのぼのとした絵入り葉書が展示されているが,シベリアの絵はない.

戦争に関しては,展示はきれいごとで,タイトルに対する答えは,「美術家はたいしたものは描か (け) なかった」と受け取られそう.

「原爆の図」の再制作版の展示が話題になっているが,ここで展示されているのは第一部だけ.どうせならオリジナル版と一緒に比較しながら見たかった.
でも赤松俊子 (丸木俊) メーデーのスケッチ等,原爆以外をテーマとする絵を見ることができた.

展覧会の解説は兵庫県立美術館のページが詳しい.印象に残ったのはこの,ピカソの「ゲルニカ」を思わせる山本敬輔「ヒロシマ」.


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