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Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

タヤリ・ジョーンズ, 加藤 洋子 訳「結婚という物語」

2021-04-21 09:25:07 | 読書
ハーパーコリンズ・ジャパン (2021/3).

先入観なしに,カバーイラストが綺麗なので図書館で借用.この絵の樹には意味があることが終わり近くでわかった.

若い夫婦の心理的葛藤がテーマの,日本の小説によくあるウジウジものかと思って読み始めた.ふたりは黒人で舞台はルイジアナ,ジョージァ.
突然 夫が冤罪で投獄され12年の刑をくらってびっくり.
この投獄と5年後の釈放の経緯はよくわからない.アメリカ南部とはそういうところと思うしかない.

妻が,幼馴染かつ夫の旧寮友である男性と結婚を決意するところで,夫が釈放される.
主要部分はこの3人が交互に一人称で語る.ただし夫の入獄中は,夫婦が交換する書簡でストーリーが進む.
背景に彼らのファミリーがある.特に夫には養父のほかに実父が現れ,夫とその実父が刑務所で同室だったりする.ほかにも小説的な仕掛けが多い.
この小説はアメリカではどういう位置付けなんだろうか.純文学というものが存在するのは日本だけらしいが...

第二次世界大戦後,やっとの思いで生還したら,妻は他人と結婚していた...というケースはありふれたことだった...ということを連想した.

416ページで満腹感大.
「冤罪という悲劇であると同時に、感動的な物語」 - バラク・オバマ アメリカ第44代大統領.その他,Amazon のページには原書のカバーから転載したらしい推薦文句が多数.2019年 女性小説賞受賞! 世界累計100万部突破の話題作,だそうだ.

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