ジェイ・ルービン編,新潮社(2019/2)
Jay Rubin ed., "The Penguin Book of Japanese Short Stories", Penguin Classics (2018/9) に収められた作品群の原文集.3960円.ちなみに右の原本はアマゾン価格で3115円.逆輸入で高くなるらしい.
収録作家は,永井荷風,森鴎外,三島由紀夫,津島佑子,河野多惠子,中上健次,吉本ばなな,大庭みな子,円地文子,阿部昭,小川洋子,国木田独歩,村上春樹(2篇),柴田元幸,宇野浩二,別役実,川上未映子,星新一,澤西祐典,内田百閒,芥川龍之介(2篇),青来有一,川端康成,星野智幸,佐伯一麦,松田青子,佐藤友哉.
残念ながら逆輸入の際に割愛された作品もある.村上春樹「切腹からメルトダウンまで」は序文だが,序文だけに登場してテキストがないのはいかがなものか.源氏敬太作品など,おもしろそうなのに...
純文学とかそうでない文学とかの垣根なく収録されていて,どれも佳品 .でも星新一にはもっと良いものがあるとは思う.村上作品がふたつあるのはえこひいき.読んだことがあるのは,内田百間と国木田独歩だけであった.
どういう母集団から選んだのか,あとがきには書いてあるが,最近の作品群についてはもっと詳しく知りたいところ.
「レンタルビデオ屋の陳列方法に倣って」テーマ別に分類されている.
ペンギン版の和文英訳もルービン氏によるものだろうか.森鴎外の候文など,英文の方が読みやすそう.三島のセックス場面・切腹場面も英文になるとどうなるのか,ちょっと怖いもの読みたさの心理が働く.
図書館から借り出し.