96歳の柚木沙弥郎の今世紀に入ってからの作品の展覧会.「生きとし生けるもの」のサブタイトル.今夏製作の縦1m横1.5mのパネル5枚の「鳥獣戯画図」はすごいスピードの一気描きのように見えるが,学芸員さんによれば,筆の運びは至極ゆっくりしたものだったそうだ.狐のおよめさん,猫,鼠なども登場.
巨大な型染め鯉のぼりはカープファン必見.
宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の1行ずつに透明水彩の絵をつけた絵本の原画があった.「一日ニ玄米四合」は大食に過ぎるという意見あり).「西ニツカレタ母アレバ 行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ」の絵が良かった.お経みたいなこの詩を面白いと思ったことはなかったが,絵を見てすこし再認識した.
村山亜土原作の絵本「トコとグーグーとキキ」は,原画ばかりでなくトコとキキのオブジェも展示されている.
柚木さんの本を20冊くらい自由に見たり読んだりできるテーブルがあり,ガラス絵を集めた YUNOKI があったが定価6000円だった.下の「果物屋の紙袋」22x18cm は,このたびの展示ではなく,2016年に Craft Space 「わ」で行われたガラス絵展のホームページより.
しかしガラス絵は実物を見るのでなければ,つまらない.すべて実物でなければ...という意見ももっともだが,絵本の原画はどうだろう?
