チコ・ハミルトン・クインテットの「ブルー・サンズ」.この曲をヒトマエで演奏したのだが,リズム・パターンが呪術的で,次第に自己催眠に絡め取られていくように感じたのは,メンバーのうちで僕だけだったのだろうか.
カットのジャケットは 1955 年のオリジナル・クインテットのものだが,動画は 1959 年のニューポート・ジャズ・フェスティバルの演奏.リーダー以外のメンバーは全部入れ替わっている.フルート : バディ・コレット -> エリック・ドルフィ,ギター : ジム・ホール -> ジョン・ピサノ,チェロ : フレッド・カッツ -> ナサニェル・ガーシュマン,ベース : カーソン・スミス -> ハロルド・ガトラー.新メンバーがオリジナルと同じパターンで演奏させられるというのは,当人たちは面白くなかったかもしれない.チェロは後テーマで現れるだけ.
エリック・ドルフィは絵になっているが,後年の Out to Lunch, Last Date を知る者には別な感慨がある.チコ・ハミルトンの映像も迫力だが,彼が嫌いだと手慣れた演技に見えてしまったりする.
この「真夏の夜のジャズ」はカメラマンが撮りたいように撮った最初のジャズの記録映画で,(この動画ではないが) 全く関係のない風景などの映像が演奏場面に挿入されることもあった.もう一度見たいと思ったのだが,2度目には眠ってしまった覚えがある.