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Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

電子ジャーナルと電子書籍

2012-04-22 09:35:27 | 読書
昔は図書館に学術雑誌が到着すると,関係する論文をゼロックスしたものだ.いつからか,大学や研究所の教職員は図書館のホームページに入り,学術雑誌 (電子ジャーナル) を目次を見て,論文は自分のパソコンにダウンロードするようになった.たいていの論文では,式の番号や図の番号には論文内部でリンクされており,最後の文献リストからはその文献があるサイトにハイパーリンクが張ってある.これは計算機化の賜物である.

もちろんこれが可能なのは,図書館が雑誌を定期購読しているから.図書館で購入していない雑誌の論文をダウンロードしたければ,それなりに自腹で支払わなければならない.例えば Physica Review Letters は 1 編 25 ドルである.

いったんダウンロードした論文は自由にプリントできるし,メールに添付して送ることもできる.



今回,拙著「レーザーとプラズマと電子ビーム」を電子書籍として刊行した.出版社に聞いた段階では,かってに,電子ジャーナルの論文と同じようなものが出来ると思っていたのだが,かなり違うらしい.どこが違うかを本当に認識するには,金を払って自分の本をダウンロードしならないのだが,ちょっと馬鹿らしい...というわけで,以下の記述にはすこしく推測も入っている.


shinanobook.com という販売サイトで売っているのだが,専用のビュワーをダウンロードしてそれで読まなければならない.ビュワーは PC, iPad-iPhone 系,Android どれでも OK,しかし PC の場合はストリーミングらしい...だとすれば,ネットに繋がっていないと見えないことになる? これが問題その1.

問題その2はプリントも駄目,コピーも駄目なこと.出版社の感覚では,コピーを許したら,本が売れなくなるのだから.普通の本をプリントすなわちハードコピーするのも違法なわけだ.

しかし,個人的には,学術書に関してはもっと鷹揚でも良いと思う.電子ジャーナルの論文の例に習えば良いのでは,物理の知識などは数少ない研究者の間の共有財産と思ってしかるべきだ.

これは音楽の配信ソフトなどと共通した問題だ.もちろんこれは書籍の内容にもよるし,著者にもよる.印税生活者がプリント・コピーに目くじらを立てるのに文句をいうつもりはない.


まあ,どんな駄目ルールにも抜け道はあるけど.


電子本が自分のパソコンでいつでも見られると思うと,安心してしまい,よほどのことが無い限りそれ以上勉強しなかったりするが,それは別な問題.

パソコン上の Adobe Reader とビュワーの違いのひとつは,ビュワーではこの動画と同じように,購入した本に書き込みもできることだろう.しかし,「本に書き込みは悪いこと」と教育された世代としては,ちょっと利用する気になれない.思い出すと,終戦後で,一年生になったものの,教科書は前の学年のお下がり,セコハンであった.

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