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Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

石持浅海「温かな手」

2010-05-28 09:06:18 | 読書
創元推理文庫 (2010/05).

2007年の単行本の文庫化.実はこれは単行本のカバー.文庫カバーもおなじ岩清水さやかによるものだが,この単行本のもののほうが良いと思う.

探偵が兄妹で,それぞれの異性の同居人がワトソン役.なんで探偵が二人もいるの? という疑問の答えが最後の短編.「温かな手」は本のタイトルだが,短編のタイトルでもあって,これが効いている.
小味な短編集だが,連作としてのオチも用意されている.

この探偵兄妹はヒトのエネルギーを吸い取ることで生命を維持する.昔流に言えば吸血鬼だが,メタボの時代,この未知の生命体のおかげで同居人はスリムな体型を維持できるという設定.探偵は人間的に悩んだりしない.ワトソン役は興奮してもすぐ醒めるしかけ.石持の長編のように,いらいらさせられる暇もなく,事件はあっさりと解決する.

暇つぶしミステリはこうでなくちゃ.

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