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Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

コード進行のエントロピー?

2009-09-03 06:44:26 | 新音律
この切手のお方はボルツマン.どこまでが髭でどこまでが顎てあろうか.でもこの先生は本文と関があるような ないような.熱力学のエントロピーと情報理論のエントロピーの関係は,ぼくには難しすぎる.

情報理論のエントロピー (シャノンのエントロピー) は,平たく言えばニュース性の尺度である.
「犬が人に噛み付いてもニュースにならないが,人が犬に噛み付けばニュースになる」というが,前者に比べて後者のエントロピーは大きい.

これを作曲 (と行きたいが,あまり大風呂敷を広げると具体性に欠けるので,話題をせばめて) 例えばコード進行にあてはめると,II-V-I みたいなありふれたものはエントロピーが小さいが,テンションを多用したり,コード進行そのものを崩したり・無視したりするとエントロピーが大きくなる.エントロピーが小さい音楽は良く言えば癒し系・悪く言えば退屈で,エントロピーが大きいのは劇的で,行き過ぎると頭が痛くなったりする.

エントロピーを音楽に持ち込もうとすると,相手は時間芸術なので,「時系列解析」が必要である.ネットを探したら,10年以上前にエントロピー時系列による音楽の解析とその変曲・作曲への応用(音楽情報科学15-7,1996 : 無料でダウンロード出来た!) という論文が書かれていた.著者は鹿児島大学理学部物理学科(当時)の井上政義先生で,ご専門は複雑系.この論文で採り上げられているのは,ジャズではなくてバッハである.

曲にはリズムもハーモニーもあるし,微視的には音符のつながりでも,大きな構成として反復とか変奏とかがある.例に採り上げた曲をどのような切り口で簡単化して解析するかが問題だ (複雑系を応用するには簡単化が必要!).井上論文は主旋律を作る高さの系列だけに注目して「音楽の秘密はカオスの縁のまわりの 1/f ゆらぎ」という説得力のある結論を導いている.

この手法でジャズを解析したら...とも思うが,そんな暇があったらジャズを聴くなり,演るなりしたほうがましか...という気もする.

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