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Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

広瀬正・小説全集

2008-08-29 17:00:31 | 読書
書店に文庫本「マイナス・ゼロ」が平積みになっていた.広瀬正の作品群が集英社文庫として,久々にこれから順次刊行されるらしい.

若くしてお亡くなりになったためもあり,この方の著書は
マイナス・ゼロ,ツィス,エロス,鏡の国のアリス,T型フォード殺人事件,タイムマシンのつくり方(短編集)
の6冊だけだそうだ.ジャズバンドでサックスを吹いていたというが,そちらが本業だったのかもしれない.上記の2冊目の「ツィス」はジャズマンだから書けた小説かも.

全部揃えた覚えがあるので本棚をあさったが,見つかったのは「エロス」と「鏡の国のアリス」だけ.目下1982年に360円で買った「エロス」を読み直している.淡谷のり子がパラレルワールドに出現という趣向.解説で小松左京が指摘するように,SF なのに風俗小説っぽいところが発表当時は斬新だった.当時の物価とか,交通事情とか,ファッションなどの記述が臨場感をもって迫ってきて,自分が生まれる前の話なのに懐かしかったりする..

広瀬さんの作品は再三?直木賞候補になった.オール読物で分かったのは選考委員諸先生の頭の固いこと.あれ以来ぼくは賞というものを信用しなくなった...にもかかわらず,文春なんか買ってるな,と,すこし反省.

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