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Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

辻寛子マリンバコンサート

2005-04-02 21:04:12 | 新音律
マリンバはこどものおもちゃの木琴の親玉というのは認識不足だ.腕と楽器次第で,マレットが音板にあたるひとつひとつの音は聞こえず,管楽器のような,あるいはコーラスのような連続音だけが耳に届くようにすることもできる.
教会で,辻寛子さんのマリンバのコンサート.残響が大きい環境で,特にこの感があった.ピアノ伴奏もなく,5オクターブ半の楽器だけの,ほんとのソロコンサート.前半はバッハが中心,後半は現代曲というシリアスなプログラムだったが,要所要所の吉本ふうのおしゃべりが雰囲気を和らげた.無伴奏チェロ組曲だけが二本で,後の曲は四本マレット.

マリンバ,ビブラフォンでは音板の下に共鳴管がぶら下がっている.音板は二列で,奏者から手前がピアノの白鍵・向こうが黒鍵に対応する.共鳴管の長さは低音は長く高音は短いのだが,みてくれが悪いというので,正面から見ると長さがアーチを作るようにしてある.黒鍵に対応する共鳴管はオクターブに5本あればいいのだが,やはり見てくれから7本の共鳴管がある.共鳴管の太さも低音ほど太いが,最低音の何本かは断面が四角で,おまけに長過ぎるので管が途中で曲がっている.
この管があると,音は大きくなるが,音は継続しなくなる.

写真は,このコンサートではなく,お若いときのもの.いまはもっとオキレイです.

フェッセンデンの宇宙

2005-04-02 09:39:01 | 読書
エドモンド・ハミルトン著, 中村 融 訳,河出書房新社2004.

書店で表紙を見て,1960年代,学生時代にSFマガジンで表題作を読んだときのショックを思い出した.数行に要約できるストーリーだが,フェッセンデンの宇宙はSFの...というより科学にとって永遠のテーマだろう.懇切丁寧な解説によれば,書かれたのは1930年代.
全部で9編.うち四編が本邦初訳.早川版で「何が火星に」というタイトルだった「向こうはどんなところだい」とフェッセンデン以外はぼくにとっては初読だと思う...新しいことは覚えられないが,昔読んだものは忘れていない傾向があるので.
ハミルトンははスペースオペラ専門の大衆作家としか評価されていないらしい.はるか歳下のブラッドベリと仲が良かったそうだが「向こうは...」などはフラットべりに影響しているようだ.
奇想コレクションの一冊ということになっているが,「奇想」ということばは,書かれた当時ならともかく現代ではふさわしいとは思えない.

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