─光る波の間─

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『永平寺(坊さん観察記)-1-』

2005-06-22 16:46:36 | 旅記
<ぷろろーぐ>
昨年末、父が他界し先週納骨も終えました。
葬儀費用は兄がしていた葬儀屋の積立と香典で十分賄えた、どころかお釣が来るほど。
そこで“このお金を父親のために使うには”と考えた結果、曹洞宗大本山永平寺に
納骨をして永代供養をしてもらおう!という企画が持ち上がったのである。

もともと今年のお盆はどこにも行けないわけだし、家族旅行も兼ねて、
母、兄、兄嫁、甥兄弟、そして私の6人でお山へと向かった。
永平寺は、私は3度目になる。しかし、観光で行くのとは違うのよね。
宿坊。お寺の中に泊まる。プチ修行である。あぁ!なんて非日常的!ワクワクする~

『ファンシィダンス』という、お寺ライフを描いたマンガがある。80年代だけど。
大袈裟に描いてるぶんもあろうかと思いますが、面白くて、坊さんに親しみが湧く。
岡野玲子さんの作品で映画にもなりました。(この映画は私的に面白くなかったけど)

そんなわけなので、そりゃ~ワクワクもするってもんさ!

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6月18日、8時半に家を出る。青森空港10時15分発。頼むよ!JAL。
セントレア経由かと思ったら、関空着。湖西線に乗って福井に向かう。
特急雷鳥で琵琶湖の横を通り、棚田を見ながらお昼の駅弁を食べる。
福井に着いたのは15時ころ。気温29度だって。あづいです!
駅でレンタカーを借りてお山へ向かいます。

以前は永平寺の麓まで電車が通っていたんですが、
事故があって以来閉鎖されたそうで、今は駅舎が残るばかり。
交通の便は前より悪くなったのね。そのため修行僧も脱走し辛くなったようで、
お山的にはありがたいのかも?(笑)
永平寺の門前町には土産物屋や旅館が並んでますが、この中の『かいど』は
以前泊まったことがあり、今回はレンタカーを置かせてもらいます。
これも兄のコネで。というのは、
実は兄は昔添乗員をしてまして、それも檀家の宿坊ツアーが主な仕事だったのです。
つまり兄は永平寺のエキスパートなんだよね。
後ろついて歩いてればOKってわけ。

荷物を持ってお寺の受付へ向かう。
さっそく二人の雲水が近づいてきて、「荷物をお持ちします」と。
えっ?!持ってくれるの?と、ちょっと戸惑った。
なんでかというと、宿坊に泊まるってことはうちらも基本は修行なわけで、
“自分のことは自分でする”んだと思っていたから。
そして兄と母が受付している間、担当の雲水は叉手(しゃしゅ:左手を親指を中に入れて握り、
その上に右手を重ね鳩尾のあたりに置く)をした姿勢でじっと立ってます。
二人のうち背の低い方が先輩のようで、背の高い方に時々小声で何か教えてます。
彼らは古参らしき雲水が通るたびに手を合掌に変え、深々と腰を折る。
おぉ!体育会系!オトコの世界。基本的には“雲水”自体に位の上下はないらしいですが、
新参と古参の差はおおいにアリのようです。(あぁマンガと同じ。笑いそう)
サンダルのようなものを履いてますが、白いのが下っぱで黒いのが先輩のようです。
で、そのサンダルにはみんな自分の名前を書いてありまして、なんか小学生みたいで
カワイイな~なんて思っちゃいました。
 


さて、部屋です。
けっこう広い二間続きで、広い窓から山が見え、
小川のせせらぎが聞こえてくる。
もぉ~とぉ~っても静かです。時々、時刻や行事を知らせる
鳴り物の音がする。
で、もちろん当然のことながら、テレビなんてものはありません。
人数分のタオルなんてものもありません。
ハブラシやクシなんてものもありません。
当然です!ここは修行寺なんですもの!




部屋から右の景色。


部屋から左の景色。本堂です。
窓を開けていると山の涼しい風が入ってきて気持ちいい。

とりあえず、奥の戸棚にお茶道具を発見したので一服してたところ、
「係りの者ですが、お茶をお持ちしました」の声。
へっっ?お茶煎れてくれるんですか?禅寺で?
「あらすみませ~ん、勝手に使ってしまって・・・」と兄嫁、
「いえ、けっこうですよ」と雲水。お煎餅とお茶を配ってからスケジュールの確認と、
永平寺内での最低限の作法を教えられる。
・食事、浴場、東司(とうす:トイレのこと)では口をきいてはいけない。
・合掌、叉手などの手の組み方 等
ひじょーに淡々とした口調で、表情を出しません。
彼らはサービス業をしてるんじゃなく、修行としてやっているんですね。
でどうやら私らが泊まった部屋はちょっとお値段が高いので、
“お客人”として扱われてるらしいのです。
本来は大部屋で、トイレも洗面所も共同で、お茶なんて煎れてくれるわけないじゃん!
の世界だそうです。






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