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パーライト

2008年01月12日 | 刃材や金属そして錆

イトはん物語

金属の顕微鏡組織はほとんど全部といって良いくらいに「○○○イト」と
いうように語尾がイトになっています。
これは、発見者の名前にちなんで命名する習慣によるものです。

そこでこの「イト」はんの出生・名付け親・性質などを
説明して行きましょう。

パーライト

アメリカのハウによって命名された組織で、フェライト(純鉄)と
セメンタイト(炭化鉄)の薄片(厚さ 0.25~0.05µm )が互いに
層状になっていて、顕微鏡で見ると、パール(真珠)のような色合いを
呈すところから、パーライトと名付けられたのです。

和名表記の宛て字は本多光太郎博士で、この組織が波打ちぎわの砂模様に
似ているところから、波来土(パーライト)と宛て字されました。

パーライト組織はオーステナイト状態の鋼を徐冷(焼なまし)したときに
得られる組織です。 冷却速度が速く(空冷)なるにしたがって
層間隔が細かくなり、硬くなります。 そして、摩耗にも強くなるのです。
これが、焼ならしと呼ばれる熱処理です。

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