イトはん物語
金属の顕微鏡組織はほとんど全部といって良いくらいに「○○○イト」と
いうように語尾がイトになっています。
これは、発見者の名前にちなんで命名する習慣によるものです。
そこでこの「イト」はんの出生・名付け親・性質などを
説明して行きましょう。
ドイツのアドルフ・マルテンスの名にちなんで、マルテンサイトと命名。
顕微鏡組織的には、麻の葉状または針状の組織なので、本多博士は
麻留田(マルテン)と宛て字されました。
マルテンサイトは鋼を焼き入れしたときに得られる組織で、一番硬い組織です。
焼き入れした鋼が硬いのは、このマルテンサイト組織のためです。
日本刀や刃物の切刃は、このマルテンサイト組織(日本刀の沸=にえ)に
なっています。
マルテンサイトは硬い反面、脆いという欠点が有ります。
次はフェライト その次はトルースタイト