はさみ屋のブログ

理・美容師の使うカットシザーのメンテナンス・アドバイザー(研ぎ・調整・販売)

はさみ

2005年02月19日 | 職業

 「はさみの研ぎ師」なんて胡散臭い呼び名で、刃物を扱う商いをしている手前
それを繰り返している内に「はさみの事は」、嫌でも詳しくなってしまいます。

サロンから研ぎ調整で出てくるハサミの品質も、ピンからキリまで千差万別ですね。

すでに寿命の尽きた年代物から、奇をてらったデザイン物まで
出てくるモノ(カット・シザー)は、何でも手入れをする事が私の仕事だから・・・
当たり前と言えば、当たり前の事です。

さて、私の住む新潟県の中央には、刃物の産地として知られる「燕・三条」が有る。
恥ずかしい事だが・・・ 取引の有ったハサミ・メーカーの質はそれほど良くはない。

一言で言えば・・・ 雰囲気やセンスに対する理解力の不足と思われる様な
レベルのアイテムが多いと感じます。(あくまで私の主観ですが)

と言うのも、昨年まで燕市のS社に(S社だと2社検索される内の1社です)
私の企画でオリジナルを作ってもらっていたが・・・
何時でも、依頼した内容とは異なるデザインや品質で仕上がる。

品質に関しては、何度となく注意を繰り返してもアバウトのままで・・・ ムラが多い。
挙げ句の果てにデザインの盗用やアイデアのパクリまでやらかすのだ。
ハサミ業界は仁義もポリシーも無く、狐と狸と狢(ムジナ)が多いのです。

思うに技術なんてモノは経験の積み重ねで有って、使わないと錆び付く事が有っても
瓦解のように根本から崩れ去る事は有り得ない。
でっ 仕上げの悪い品物が出来るのは「品質管理」と「検査」その体制に
問題が内在されていると考える。仕事に関しての心構えが「ぬるい」のだろう?

原因のひとつに、ハサミ・メーカーは、理美容現場との接点が無く
現場での使用方法や使用目的を、殆ど知らない事が大きな要因として有る事と
業界のトレンドを(物真似でも)追っかけていれば、商いは何とかなるからでしょう。
使い手の事より、制作の利便性やコストに目が向いていると感じますね。

工業製品は機能だけではなく、機能が創り出す見た目も品質なのだ。
あるレベルから上を目指すなら「見た目こそ品質」とオイラは考える。

そうそう、地元の燕市にあるもう1社のS社のハサミは別格です。
立体触点のハサミで無かったらデザインは世界水準のトップですね。
デザイン力はカットシザーの歴史的な偉業だと思います。


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
同感です (ゴンダ)
2016-09-17 15:17:57
たまたま拝見しまして
コメントしたくて突然すみません
同業者です
新潟の2社は
コスモとシゲルでしょうか?
まさに同感です
肉厚でやぼったいシザーは
なんとかならないかセンスがないですね
ウラスキの深さも進歩なく
成長しませんね
最近は塗装に手を出して最悪です

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