はさみ屋のブログ

理・美容師の使うカットシザーのメンテナンス・アドバイザー(研ぎ・調整・販売)

はさみ 研ぐ ③

2009年08月05日 | Weblog


はさみのせん断力とは、力学的に表現すると単純に「力」なので
刃物はくさび形の刃先に力を集中して、切断と呼ぶ仕事をすることと一緒だ。
つまり・・・ 尖った刃先で物を切る=刃先に力を集中させる。

はさみで切る場合、静刃は動かないとして考え、動刃が動くとしましょうか。
母指に加えた力は、支点のネジを通して交点の刃先に作用する。

だから・・・ ハンドルが長くて刃先までの距離の短いハサミは良く切れると感じ
ハンドルが同じ長さで、刃線の長いロングシザーは切れ味も重く感じる。

床屋よりも美容の方が「研ぎ調整」までの期間が長く(リピート率)

美容では下手すると2~3年も研がずに使うなんて事は、床屋より短いハサミだからと
ちょっとづつ切る様なカット・テクニックにも原因があると感じる。

オイラの経験から、美容師の8割が、切れ味不感症だと断言できる。

セニングなんて、クシ先が点当たりするのでカットシザーよりも劣化が早いのに
それにも気付かず、枝毛を製造するサロンが多い。 

美容師における切れ味不感症率は 8割ですよ・8割!!
http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2007/0209/118556.htm?g=01

貴女の枝毛は美容室で作られているんです。 貴女の生活態度に罪は無いんです。

切れないハサミで枝毛を作って、トリートメントを売りつける。システムなのか?

もしも、美容室でカットをしても枝毛が目立つとしたら・・・
今回のカットでも、枝毛を製造してもらったんですよ。
勇気が有るなら、濡らしたティシュを切って見てもらえば・・・ カットシザーなら
切れるかどうかが良く判る。 セニングはティシュでは駄目だけどね。

本題に戻そう。

構造的に不利な長い鋏を床屋さんが使用するのには理由がある。

理容のカット・テクニックには「連続刈り」という技術があり出番が多い。
左手でコームを操り、右手でハサミをコームの上面に乗せ
髪の毛の逃げ場所をコームで安定させて切る。 そんなイメージですか。

なので・・・ 理容のハサミは美容室に比べ、切れ味にはシビアで
研ぎ調整のリピート率も早くなる。 (一般的な傾向としてですよ。)

まだ 続くのかな

画像は、ニスキと呼ぶクシ先がW溝の物で 理想的なクシ先?
ごっそり切れる割には、カットラインが目立たない。

http://blog.goo.ne.jp/8338goo/e/c80605fc556b94741ebf67c5ba1b8726

切れ刃はドラム式の柳刃や笹刃気味で、毛束に向かってクシ先が
R形状になっている。 スキ率の少ない物ならクシ刃がRで無くても
ストレートで構わない。

だってRの効果を10%以下の少ないスキ率なら必要としないからね。


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