身体にいい日誌

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漢方からみた喘息って?

2008-10-03 21:07:15 | 健康(アレルギー)
気管支喘息をテーマにすると、患者さんの数が多いことから、ホームページを探すのも
苦ではありません。(私のブログを見るより、いっぱい情報がありますよ)

私も経験したのは小児喘息が主で、中学生以降、ほとんど発作がありませんので、あのころを
思い出して書いています。でも、苦しさは今でも語ればいくらでも言葉は出てきますし、
小学校の頃だけでも、4回入院したのは苦い思い出です。
そして発作の時、気管支が狭まり、この気管支部分にストローのような長い硬い
筒を移植してくれと、何度も訴えたものです。
ただ後で考えてみると、精神的なことで発作を起こしていたようでもありますし、
治癒後も保健室組でしたから、そうかなと思います。

この後、喘息の治療最前線と題して来春までには書きたいと思いますが、今日は
漢方治療からみた喘息です。
漢方では体質改善等、日頃の治療には適しますが、緊急発作での軽快は無理かと
考えます。

では…

気管支喘息は、現代の3大アレルギー疾患の一つ(他はアトピー性皮膚炎と鼻炎)で、
患者数も多く、今も増加傾向にあります。しかも他のアレルギー疾患に較べて、
死亡例など重篤な症例が多いのも深刻な問題です。 
西洋薬でも気管支拡張剤やステロイドをはじめとする強力な薬が揃っていますが、
副作用が強いわりには、なかなか完治に至らない厄介な慢性疾患です。
この喘息に対し、漢方薬は非常に効果的な療法の一つとして、近年注目を集めており、
実際の医療現場でも使われる機会が増えてきています。漢方薬が得意とする病気
の代表で完治できる例も多数あり、西洋薬との併用も、とても有効と言われています。。

喘息でお悩みの方は一度本格的な漢方薬を試してみてもよいと思います。
喘息治療用の漢方薬はたくさんの種類が考案されており、幼児から高齢者まで体質に
合った処方が必ずみつかるはずです。

気管支喘息は、気管支が何らかの原因により狭窄をおこし、呼吸困難におちいる
病気です。原因となるものはハウスダストや花粉をはじめ、煤煙・ストレス・食物
・温度差・過労などいろいろあります。
大部分はアレルギー性で、(まれに薬物性などの非アレルギー性のもありますが、)
排気ガスなどの環境要因や生まれ持った遺伝的な素因が発症に大きく関与しています。
従って同じ家族内に複数喘息患者がいる事も稀でなく、喘息ではなくても鼻炎や
アトピー性皮膚炎などを両親どちらかが持っていることが多い傾向があります。
また、喘息患者、自らが鼻炎やアトピー性皮膚炎を同時に併発していることもあります。

喘息の発作時は喘鳴を伴う呼吸困難をおこしますが、治まってしまえば重症例を
除くとほぼ平常の健康な状態に戻ってしまうのが一般的です。
発作は非常に苦しく重症の場合命にかかわる事もある為、まず発作時の症状を
すみやかに抑える対症療法薬が必要です。この目的に使われる薬は西洋薬が圧倒的に
効きめが早く強力であり、現在では漢方薬の出番はほとんどありません。
一方平常時に発作を予防する目的で使う薬に関しては、西洋薬でもなかなか理想的な
ものがありません。この目的では漢方薬は非常に有効な場合が多く、また長期連用
しても副作用の危険が低い上にうまく行けば完全に発作がおこらない状態にまで
改善できることが少なくないのです。その上、鼻炎・花粉症などを併発している症例に
対して、一つの処方で同時に両方の病気の改善ができるのも漢方薬の優れた長所です。

結論として先に述べたように喘息発作時には西洋薬を使い、平常時には漢方薬を主体とする。
そして、漢方薬の効果が表れてきたら、徐々に、西洋薬を減らして行くという
スタイルがとても有効なのです。

漢方薬がとても良く効いた症例は意外と多く、それらの患者さんの大半は、いわゆる
西洋医学での治療を受けてきて喘息の十分なコントロールができなかった慢性例で
あったことを考えると、漢方薬の有効性はかなりなものであるといえます。
もちろん漢方薬でも十分な改善がみられないケースも存在しますが、喘息患者の
大部分に大きな効果を発揮し、しかも他の疾患に較べ漢方薬の効果が割合早い時期から
発揮される傾向があります。(早い人だと数日で効果がみられます)喘息でお悩みの方
は、漢方の専門家にご相談の上、ご自分にあった漢方処方を選んでもらうとよいでしょう。
予想以上の効果が実感できるはずです。 気管支喘息に用いられる漢方薬は、
よい処方がたくさん考案されています。
代表的な処方を体質別に紹介しましょう。

<実証タイプ>比較的体力があり胃腸も丈夫な人(効能から)
痰は比較的少なく口渇があり発作時に顔面発赤や発汗がみられるような方は麻杏甘石湯を
基本にした処方が頻用され、必要に応じ半夏厚朴湯を併用します。肥満の方には防風通聖
散や大柴胡湯も喘息と肥満の体質改善を兼ね使われ効果を発揮します。

<中間証タイプ> 体力的に普通程度の人(効能から)
柴朴湯は現在もっとも喘息治療に使われている処方であり、幅広い体質に使えますが、
のどの詰まり感がある方やストレスで発作を誘発しやすい方に特に良い薬です。
水様の痰が多く出るタイプでは小青龍湯を良く使いますが、鼻炎を併発している人には
同時にこちらも改善でき一石二鳥です。痰の少ないタイプでは滋陰降火湯も使われますし、
痰のきれが悪い場合は清肺湯が使われます。

<虚証タイプ>体力的に比較的虚弱な人や高齢者(効能から)
空咳か痰の切れにくいようなタイプには麦門冬湯を頻用しますが、高齢者でも安心して
使えます。水っぽい痰が多ければ苓甘姜味辛夏仁湯がよく使われ、冷えが強く血色も
すぐれない方には麻黄附子細辛湯が選択されます。
胃腸虚弱が強ければ参蘇飲が体質強化を兼ね効果的です。

<小児喘息>小児喘息用の漢方薬(効能から)
以下の処方は本来、子供用というわけではなく、大人にもよく用いられるものですが、
割合味が飲みやすい事もあり子供に使われる機会が特に多いものです。
小児の喘息は特に漢方薬の効果が早く出る場合が多く、又副作用の点でも安全性が
高いので、もっと多く使われるべきだと私は思っています。
神秘湯は先生によっては小児喘息のファーストチョイス(第一選択薬)にしている処方
ですが、痰の少ない症例向きです。五虎湯も同様に飲みやすく効果も早い処方です。
小児でも虚弱体質の場合は小建中湯を単独か併用薬として用いると良い結果がでる
ことが多いものです。

以上、大まかにタイプ別に処方を列挙しましたが、喘息に用いる処方はまだまだ沢山
あります。服用してみたい方は、専門家に相談される事をお薦めします。
民間薬としてはオオバコの葉を煎じて飲む方法がありますが、喘息ではあまり万人向け
の効果の上がる方法は知られていません。


以上で喘息シリーズは一旦終わります。

他にも鍼灸や民間療法が多数ありますが、またの機会にしましょう。


今回は、久々にチボリタワーを。しかし残念 午後からの撮影のために逆光です。

   そうだ…私の悩みは、体力が落ちてきた60代位に再発しないかということです。
   かなりの確率であり得ることだと思いますが、体を鍛えておくことくらいしか
   ないでしょうね。 



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